Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Microsoft(R) SQL Server


2.1.4 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップ手順

ここでは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを運用するための,セットアップについて説明します。

[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

〈この項の構成〉

(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録[図データ]

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RM for Microsoft SQL Serverを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があります。

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については,次の条件を確認してください。

PFM - Managerへの手動登録

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Microsoft SQL Serverの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。

  • PFM - RM for Microsoft SQL ServerをPFM - Managerホスト以外にインストールしている。

PFM - Web Consoleへの手動登録

次の条件を満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Microsoft SQL Serverの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。

ただし,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録の流れを次に示します。

図2‒4 PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録の流れ

[図データ]

重要
  • PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。

  • すでにPFM - RM for Microsoft SQL Serverの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Microsoft SQL Serverを追加した場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録は必要ありません。

  • バージョンが異なるPFM - RM for Microsoft SQL Serverを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。

  • PFM - Managerと同じホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

  • Microsoft SQL Serverのメモリー設定で,最小クエリメモリーの値を初期設定の1,024キロバイトより低く設定しないでください。低く設定した場合,Microsoft SQL Serverに対するクエリーが失敗し,データ収集ができなくなります。

  • PFM - RM for Microsoft SQL Serverの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「RM SQLServer」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]画面で,ユーザーが「RM SQLServer」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。

(a) PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルをコピーする

PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールしたホスト(PFM - RMホスト)にあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。

  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。

    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表2‒2 コピーするセットアップファイル

    PFM - RM for Microsoft SQL Serverの

    セットアップファイル

    コピー先

    PFMプログラム名

    OS

    コピー先フォルダ

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt4w.EXE

    PFM - Manager

    Windows

    PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup\

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt4u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pc/setup/

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt4w.EXE

    PFM - Web Console

    Windows

    PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup\

    インストール先フォルダ\setup\jpcagt4u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pcwebcon/setup/

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerでPFM - RM for Microsoft SQL Serverをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key RMSQL

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

重要

コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - ManagerホストにあるPFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleでPFM - RM for Microsoft SQL Serverをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcwagtsetup

PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(2) インスタンス環境の設定

PFM - RM for Microsoft SQL Serverでは,インスタンス環境および監視対象の設定が必要です。インスタンス環境の設定と監視対象の設定は1対1の関係です。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverでは,1つのインスタンス環境に定義できる監視対象は1つだけです。複数のインスタンス環境および監視対象を設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。

例えば,3つのMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視したい場合は,インスタンス環境および監視対象の設定を3つそれぞれについて実施します。

複数のインスタンス環境を作成する場合,インスタンス数の目安は,システム構成に依存しますが,3〜5インスタンスです。収集するレコードを減らしたり,収集間隔を広げたりすることでインスタンス数を増やすことができます。運用前に十分に検証してください。

インスタンス環境設定時の注意事項

インスタンス環境および監視対象の設定方法について次に示します。

(a) インスタンス情報を設定する

PFM - RM for Microsoft SQL Serverで監視するMicrosoft SQL Serverのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2‒3 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス情報

項目

説明

設定できる値

デフォルト値

LOG_PATH※1

エージェントログの出力先フォルダ名を絶対パスで指定する。

パスに半角空白を含む場合は「"」で囲わずに指定する。

245バイト以内の半角文字列。

ただし,次の文字は指定できない。

  • タブ

  • 次の記号

    「/」「,」「;」「*」「?」「"」「<」「>」「|

インストール先フォルダ\agt4\agent\インスタンス名\log

LOG_SIZE

エージェントログの1ファイルの最大サイズ。※2

1〜32(単位:メガバイト)。

ただし,推奨は16以上。

16

注※1

エージェントログの出力先フォルダをデフォルト値以外に変更する場合は,書き込みアクセス許可のあるフォルダを指定してください。

WRPによるリソース保護が有効になっているフォルダの下位にあるリソースは,削除および変更できません。WRPが設定されているフォルダの下位に,エージェントログの出力先フォルダを設定しないでください。

注※2

エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。LOG_SIZEの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください(LOG_PATHがデフォルトの場合を含む)。

LOG_PATHに指定したドライブの空き容量(メガバイト) > LOG_SIZEの値×4

ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログの採取エラーとなります。エージェントログについては「7.3 ログ情報」を参照してください。

注意

インスタンス環境を設定していない場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのサービスを起動できません。

インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf inst setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  1. サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。

    次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcconf inst setup -key RMSQL -inst インスタンス名
  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス情報を設定する。

    表2-3に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したエージェントログ出力先,またはエージェントログファイルサイズを変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.3 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。

構築されるインスタンス環境を次に示します。

  • インスタンス環境のフォルダ構成

    構築されるインスタンス環境のフォルダ構成を次に示します。

    表2‒4 インスタンス環境のフォルダ構成

    格納先フォルダ

    ファイル名

    説明

    インストール先フォルダ※1\agt4 \agent\インスタンス名

    jpcagt.ini

    Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイル

    jpcagt.ini.model

    Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル

    status.dat

    内部処理用中間ファイル

    tstatuses.dat

    仮想Agentステータス情報

    targetlist.ini

    監視対象一覧

    grouplist.ini

    グループ一覧

    GARULES.DAT

    集約ルール記述一覧

    targets

    リモートエージェント格納フォルダ

    groups

    グループエージェント格納フォルダ

    log

    ログファイル格納フォルダ

    インストール先フォルダ※1¥agt4 ¥store¥インスタンス名

    jpcsto.ini

    Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイル

    jpcsto.ini.model※2

    Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル

    *.DB

    パフォーマンスデータファイル

    *.IDX

    パフォーマンスデータファイルのインデクスファイル

    *.LCK

    パフォーマンスデータファイルのロックファイル

    status.dat

    内部処理用中間ファイル

    *.DAT

    データモデル定義ファイル

    dump

    エクスポート先フォルダ

    import

    標準のデータベースインポート先フォルダ

    backup

    バックアップ先フォルダ

    log

    ログファイル格納フォルダ

    partial

    標準のデータベース部分バックアップ先フォルダ

    注※1

    論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ¥jp1pc」に読み替えてください。

    注※2

    インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。

  • インスタンス環境のサービスID

    インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      4Aインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      4Sインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

    • Group Agentサービスの場合

      4Aインスタンス番号 インスタンス名[All@ホスト名]

    PFM - RM for Microsoft SQL Serverの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。

    例えば,ホスト名に「host1」を,インスタンス名に「default」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      4A1 default[host1]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      4S1 default[host1]

    • Group Agentサービスの場合

      4A1 default[All@host1]

    サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。

  • インスタンス環境のWindowsのサービス名

    インスタンス環境のWindowsのサービス名は次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      PFM - RM for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名[論理ホスト名]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名[論理ホスト名]

    例えば,論理ホスト名に「lhost」を,インスタンス名に「default」を指定した場合,サービス名は次のようになります。

    • Remote Monitor Collectorサービスの場合

      PFM - RM for Microsoft(R) SQL Server default[lhost]

    • Remote Monitor Storeサービスの場合

      PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server default[lhost]

    Windowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。

    論理ホストで運用する場合のWindowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。

(b) 監視対象を設定する

「(a) インスタンス情報を設定する」で設定したインスタンスに,監視対象ホストの情報を設定します。監視対象の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定する情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2‒5 PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象の情報

項目

説明

設定できる値

デフォルト値

TARGET_HOST

監視対象となるMicrosoft SQL Serverが稼働しているホスト名を指定する。論理ホストの場合は,論理ホスト名を指定する。

1〜32バイトの半角英数字およびハイフン(-)だけ使用できる。ただし,「-」から始まる名前は指定できない。

インスタンス内でユニークである必要がある。※1

SQL_INSTANCE

監視対象となるMicrosoft SQL Serverのインスタンス名を指定する。

16バイト以内の半角文字列。

Microsoft SQL Serverのインストール方法によって,指定するインスタンス名は異なる。

既定インストールした場合:

default

インスタンス名を付与してインストールした場合:

付与したインスタンス名

default

SQL_USER※2

SQL Server認証に使用するMicrosoft SQL Serverのユーザー名を指定する。

128バイト以内の半角文字列。

sa」と同等の権限を持つユーザーアカウント(固定サーバロールsysadminメンバーアカウント)。

上記以外のアカウントを用意する場合は,「(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限」を参照のこと。

sa

SQL_PASSWORD※2

SQL Server認証に使用するMicrosoft SQL Serverのユーザーのパスワードを指定する。

SQL_USERに対応するパスワード。

DRIVER_NAME※3

Microsoft SQL Serverとの通信に使用するドライバー名を指定する。

Microsoft SQL Server 2016以降を監視する場合で,監視対象のMicrosoft SQL Server側の設定で通信を暗号化する場合に変更する。

Microsoft SQL Server 2014以前を監視する場合,またはMicrosoft SQL Server 2016以降を監視し平文で通信を行う場合は,デフォルトのSQL Server(Windows標準ドライバー)から変更しない。

{SQL Server | SQL Server Native Client 11.0 | ODBC Driver 17 for SQL Server}

SQL Server

TIMEOUT

データベースアクセス時のクエリータイムアウト時間を秒単位で指定する。

1〜3600(単位:秒)。

60

LOGIN_TIMEOUT

データベースへの接続タイムアウト時間を秒単位で指定する。

1〜3600(単位:秒)。

20

DB_FREE_PERC_OPTION※4,※5

PD_DSレコードの空き容量の割合に関するフィールド(Free %フィールド,Data Unallocate %フィールド)がマイナス値になる場合の動作を指定する。

YN

Y」を指定した場合,DB_FREE_PERC_NUMBERで指定した値を設定する。

N」を指定した場合,Free %フィールド,Data Unallocate %フィールドにマイナス値がそのまま設定される。

Y

DB_FREE_PERC_NUMBER※5,※6

PD_DSレコードの空き容量の割合に関するフィールド(Free %フィールド,Data Unallocate %フィールド)がマイナス値になった場合に置き換える値を指定する。DB_FREE_PERC_OPTIONで「Y」を指定した場合だけ有効。

-1〜999

0

LIMIT_PD_LD_NUMBER※7

PD_LDレコードの最大収集件数を指定する。

0〜900,000

0を指定した場合,上限を設定しないですべてのデータを収集する。

1000

(凡例)

−:なし

注※1

All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。

注※2

SQL_USERに指定するMicrosoft SQL Serverのユーザー名によって,Microsoft SQL Serverの認証方法が次の表のように異なります。

Microsoft SQL Serverのインストール方法,インスタンス情報,およびユーザー認証の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

表2‒6 SQL_USERに指定するユーザー名ごとのMicrosoft SQL Serverの認証方法

SQL_USERの指定値

SQL_PASSWORDの指定値

認証方法

sa

ユーザー「sa」のパスワード

SQL Server認証

指定しない(パスワードを設定していない場合)

任意の半角文字列

指定したユーザーのパスワード

指定しない(パスワードを設定していない場合)

半角スペース1文字

不要(入力しても無視される)

Windows認証

なお,「Windows認証」は,PFM-RM for Microsoft SQL Serverサービスのアカウントで実施します。Windows認証を使用する場合の設定については,「2.1.4(2)(c) Windows認証を使用する場合の設定」を参照してください。

Windows認証を使用してMicrosoft SQL Server 2012以降を監視する場合,ローカルシステムアカウントにサーバロールsysadminが付与されません。sysadminを付与するか他のアカウントを用意してください。

注※3

DRIVER_NAMEはMicrosoft SQL Serverとの通信に使用するドライバー名を指定します。この指定は,Microsoft SQL Server 2016以降を監視する場合で,監視対象のMicrosoft SQL Server側の設定で通信を暗号化する場合に変更してください。Microsoft SQL Server 2014以前を監視する場合や平文で通信を行う場合は,デフォルトのSQL Serverから変更しないでください。指定する値による動作の違いを次の表に示します。

表2‒7  DRIVER_NAMEの指定値と動作

指定値

動作

SQL Server(デフォルト)

Windowsの標準ドライバーであるSQL Serverを使用して通信します。平文で通信する場合は変更する必要はありません。

SQL Server Native Client 11.0

SQL Server Native Client 11を使用して通信します。TLS 1.2など暗号化通信をする場合に指定します。

ODBC Driver 17 for SQL Server

Microsoft ODBC Driver 17 for SQL Serverを使用して通信します。TLS 1.2など暗号化通信をする場合に指定します。

監視対象のMicrosoft SQL Serverと暗号化通信をする場合は,使用するドライバーを前提製品として導入し,導入した製品のドライバー名を指定します。

なお,Microsoft SQL Serverとクライアント(PFM - RM for Microsoft SQL Serverを含む)の通信の暗号化は,Microsoft SQL Serverで設定します。設定の方法については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

DRIVER_NAMEの指定に誤りがある場合,監視対象のMicrosoft SQL Serverとの接続に失敗します。このとき,共通メッセージログに「KAVL19400-W」が出力されます。DRIVER_NAMEを指定している環境でこのメッセージが出力された場合は,エージェントログの異常ログに次のメッセージが出力されていないか確認してください。

KAVL19810-E An attempt to connect to SQL Server failed. ( rc = IM002 Description = [Microsoft][ODBC Driver Manager] データ ソース名および指定された既定のドライバーが見つかりません。 )

出力されている場合は,DRIVER_NAMEの値を見直してください。

注※4

Microsoft SQL Serverのデータの遅延割り当てによって,パフォーマンスデータへの値の反映がすぐに実行されないことがあります。このため,PD_DSレコードのFree %フィールドおよびData Unallocate %フィールドの値がマイナスになる場合があります。この場合に値を置き換えるかどうかを指定します。

注※5

Free %フィールドの値を置き換えた場合,KAVL19847-Iメッセージがエージェントログに出力されます。Data Unallocate %フィールドの値を置き換えた場合,KAVL19857-Iメッセージがエージェントログに出力されます。

注※6

Free %フィールドおよびData Unallocate %フィールドをアラーム条件に使用している場合は,運用環境に合わせて値を設定してください。

  • アラームを発生させる場合

    異常条件,または警告条件のしきい値を超過するように値を設定する。

  • アラームを発生させない場合

    異常条件,または警告条件のしきい値を超過しないように値を設定する。

注※7

Microsoft SQL Serverで,大量のトランザクションやロックアクセスが発生している稼働状況でLock Detail(PD_LD)レコードの収集を行うと次のような事象が発生することがあります。

  • Storeデータベースの容量が増加する。

  • 収集に時間がかかり,収集が完了するまで他のレコードの収集がスキップされる。

  • メモリを多く消費する。

例えば,Microsoft SQL Serverのデータベースをバックアップする場合に,ロック数が一時的に増加するようなときは,Lock Detail(PD_LD)レコードで上限値を設定することでシステムの負荷を軽減できます。

設定する値は,通常の運用で発生するロック数の最大値よりも大きい値にしてください。ロック数は次のどちらかで確認することができます。

  • エージェントログの通常ログで確認する。

    次のメッセージで確認できます。

    KAVL19807-I Getting record ended = LD -> Storing started [ count = レコード数 ]

  • SQL文を実行して現在のロック数を確認する。

    付録A.4 レコードのインスタンス数の算出方法」の表A-1にある,PD_LDの算出方法に記載しているSQL文を実行することでロック数を確認できます。

注意
  • 監視対象の設定で指定した値が不正な場合でも,監視対象の生成コマンドは正常に終了します。ただし,レコードの収集を開始してもパフォーマンスデータは収集されません。パフォーマンスデータが収集されない場合の対策については,「7.2.1(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。

  • 複数のPFM - RM for Microsoft SQL Serverで同じMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視しないでください。

  • PFM - RM for Microsoft SQL ServerとPFM - Agent for Microsoft SQL Serverで同じMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視しないでください。

  • 監視対象となるMicrosoft SQL Serverインスタンスのホストにファイアウォールが設定されている場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverからの接続が拒否されないように設定してください。詳細についてはMicrosoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

  • PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス情報に半角文字の「"」および空白文字を含む値を指定しないでください。

監視対象の環境を構築するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の環境の構築手順を次に示します。

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf target setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf target setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  1. サービスキー,インスタンス名,および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。

    コマンドの形式を次に示します。

    jpcconf target setup -key RMSQL -inst インスタンス名 -target 監視対象名
  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象の情報を設定する。

    表2-5に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,監視対象の環境が構築されます。構築時に入力した監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行して,監視対象の環境を更新してください。監視対象の環境の更新については,「2.4.2 監視対象の更新の設定」を参照してください。

設定した一部の情報は,PFM - Web Consoleのプロパティ編集で変更できます。プロパティ編集で変更できる情報の詳細については,「付録E.3 リモートエージェントおよびグループエージェントのプロパティ一覧」を参照してください。

構築される監視対象の環境を次に示します。

  • 監視対象の環境のフォルダ構成

    すべての入力が完了すると,監査対象の環境が構築されます。構築される監査対象環境のフォルダ構成を次に示します。

    表2‒8 監視対象の環境のフォルダ構成

    格納先フォルダ

    ファイル名

    説明

    インストール先フォルダ\agt4\agent\インスタンス名\targets

    監視対象名.ini

    監視対象設定ファイル

    監視対象名.ini.model

    監視対象設定ファイルのモデル

    注※

    論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ¥jp1pc」に読み替えてください。

なお,監視対象の設定で追加されるサービスIDは次のようになります。

  • 追加されるサービスID

    • Remote Agentサービス

      4Aインスタンス番号 インスタンス名[監視対象名@ホスト名]

      インスタンス名と監視対象名はjpcconf target setupコマンドで指定した値になります。PFM - RMホストのホスト名がhost1でインスタンス名にinst1,監視対象名にtargethost1を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

      4A1inst1[targethost1@host1]

      サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録に記載されている命名規則を参照してください。

(c) Windows認証を使用する場合の設定

インスタンス環境構築時にPFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントは,「ローカルシステムアカウント」で作成されます。監視対象ホストの設定のSQL_USER項目でWindows認証を選択した場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントを監視対象ホストのMicrosoft SQL Serverに接続可能であり,監視対象ホストに,サービスとしてログインできるアカウントに変更する必要があります。監視対象ホストのMicrosoft SQL Serverにログインできることを確認するには,Microsoft SQL Serverに付属するManagement Studiosqlcmdコマンドを使用する方法などがあります。詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

アカウントの変更は,次の手順で行います。
  • Windowsの[スタート]メニューから表示される[管理ツール]−[サービス]を選択し,[サービス]画面を表示します。

  • [サービス]画面でPFM - RM for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名の[プロパティ]を表示します。

  • [ログオン]タブの「アカウント」を選択し,アカウントとパスワードを入力します。

詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

注意

PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名のアカウントの変更は不要のため変更しないでください。

(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限

PFM - RM for Microsoft SQL Serverを運用するには,特定のMicrosoft SQL Server Databaseの権限を持つログイン(データベースユーザー)が必要です。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverが,Microsoft SQL Server Databaseから性能情報を取得するために必要な権限を次に示します。

sysadmin固定サーバロールを設定できる場合

sysadmin固定サーバロールが設定されたユーザーアカウントを使用してすべてのレコードを取得できます。

sysadmin固定サーバロールを設定できない場合

監視で使用するユーザーアカウントに,すべてのデータベースへのCONNECT権限を設定した上で,次の表に示す権限が必要です。

表2‒9  PFM - RM for Microsoft SQL ServerがMicrosoft SQL Server Databaseから性能情報を取得するために必要な権限

権限

内容

サーバロール

レコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要なサーバ権限です(詳細は表2-10を参照)。

データベースの権限またはオブジェクトの権限

次のどちらかの権限が必要です。

  • データベースの権限

    取得するレコードごとに必要なデータベースの権限です(詳細は表2-11を参照)。

  • オブジェクトの権限

    レコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限です(Microsoft SQL Server 2014以前に接続する場合は,表2-12を,Microsoft SQL Server 2016以降に接続する場合は表2-13を参照)。

データベースに対して権限が設定できる場合には「■データベースの権限またはオブジェクトの権限」の「データベースの権限を設定する場合」を参照して必要な権限を設定してください。データベースの権限より詳細にオブジェクト単位で権限を設定したい場合には,「■データベースの権限またはオブジェクトの権限」の「オブジェクトの権限を設定する場合」を参照して必要な権限を付与してください。

■ サーバロール

監視で使用するユーザーアカウントに対して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得に必要なサーバの権限を次の表に示します。

表2‒10  PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得時に必要なサーバ権限

レコード

レコード取得に必要なサーバ権限

監視対象のMicrosoft SQL Serverのバージョンが2014以前の場合

監視対象のMicrosoft SQL Serverのバージョンが2016以降の場合

  • Database Detail (PD_DD)

  • Database Space Detail (PD_DS)

  • Server Space Detail (PD_SS)

  • Server Space Interval (PI_SI)

  • VIEW SERVER STATE

  • VIEW ANY DEFINITION

  • VIEW SERVER STATE

  • VIEW ANY DEFINITION

  • VIEW ANY DATABASE

  • Lock Detail (PD_LD)

  • Process Detail (PD_PDET)

  • VIEW SERVER STATE

  • VIEW ANY DEFINITION

Server Detail (PD)

  • VIEW SERVER STATE

  • VIEW SERVER STATE

  • VIEW ANY DATABASE

  • Global Server Summary (PI)

  • Global Server Summary 2 (PI_PI2)

  • Server Overview (PI_SERV)

  • Server Overview 2 (PI_SRV2)

  • Server Locks Detail (PD_LOCK)

  • Transaction Log Overview (PI_TLOG)

  • VIEW SERVER STATE

  • Config Detail (PD_CD)

  • Instance Availability (PD_IA)

サーバロールの権限は不要です。

■ データベースの権限またはオブジェクトの権限

• データベースの権限を設定する場合

監視で使用するユーザーアカウントに対して,次の表に記載しているレコードごとに必要なデータベースの権限を設定してください。

表2‒11 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得に必要なデータベースの権限

レコード

レコード取得に必要なデータベース権限

PD_DS,PD_SS,PI_SI

  • すべてのデータベースに対してSELECT権限を設定しておく必要があります。

  • masterデータベースに対してEXEC権限を設定しておく必要があります。

PD_DD,PD_LD

すべてのデータベースに対してSELECT権限を設定しておく必要があります。

PD_CD

masterデータベースに対してEXEC権限を設定しておく必要があります。

PD,PI,PI_PI2,PI_SERV,PI_SRV2,PD_LOCK,PD_PDET

masterデータベースに対してSELECT権限を設定しておく必要があります。

PD_IA,PI_TLOG

データベースの権限は不要です。

• オブジェクトの権限を設定する場合

監視で使用するユーザーアカウントに対して,次の表に記載しているレコードごとに必要なオブジェクトの権限を設定してください。

Microsoft SQL Server 2014以前に接続する場合は「表2-12」に,Microsoft SQL Server 2016以降に接続する場合は「表2-13」に示します。

表2‒12 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限(Microsoft SQL Server 2014以前の場合)

レコード

レコード取得に必要なユーザーに付与するオブジェクト権限

PD_DD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sysdatabases

    ・sysprocesses

    ・syslogins

    ・sysusers

    ・spt_values

    ・sysfiles

    ・syslockinfo

    ・sysperfinfo

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するEXEC権限を設定しておく必要があります。

    ・sp_databases(sp_rist.sqlを実行していない場合)

    ・R4QHITACHIPROCSPDATABASES(sp_rist.sqlを実行している場合)

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.indexes

PD_DS,PD_SS,PI_SI

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sysdatabases

    ・spt_values

    ・sysfiles

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するEXEC権限を設定しておく必要があります。

    ・sp_databases(sp_rist.sqlを実行していない場合)

    ・R4QHITACHIPROCSPDATABASES(sp_rist.sqlを実行している場合)

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.indexes

    ・sys.allocation_units

    ・sys.partitions

    ・sys.internal_tables

PD_LD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sysprocesses

    ・syslogins

    ・sysusers

    ・sys.dm_tran_locks

    ・syslockinfo

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.all_objects

PD_PDET

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・syslockinfo

    ・sysprocesses

    ・syslogins

    ・sysusers

PD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sysdatabases

    ・sysprocesses

    ・syslogins

    ・sysusers

    ・spt_values

    ・syslockinfo

    ・sysperfinfo

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するEXEC権限を設定しておく必要があります。

    ・xp_msver

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

PI,PI_PI2,PI_SERV,PI_SRV2

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sysperfinfo

PD_LOCK

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・syslockinfo

    ・sysprocesses

    ・syslogins

    ・sysusers

PD_CD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するEXEC権限を設定しておく必要があります。

    ・sp_configure

PI_TLOG,PD_IA

すべてのユーザーが実行できます。

表2‒13 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限(Microsoft SQL Server 2016以降の場合)

レコード

レコード取得に必要なユーザーに付与するオブジェクト権限

PD_DD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.databases

    ・sys.dm_tran_locks

    ・sys.dm_exec_requests

    ・sys.dm_exec_sessions

    ・sys.dm_os_tasks

    ・sys.dm_os_waiting_tasks

    ・sys.server_principals

    ・sys.database_principals

    ・spt_values

    ・sys.dm_os_performance_counters

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.indexes

PD_DS,PD_SS,PI_SI

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.databases

    ・sys.database_files

    ・spt_values

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.indexes

    ・sys.allocation_units

    ・sys.partitions

    ・sys.internal_tables

PD_LD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.dm_tran_locks

    ・sys.dm_exec_requests

    ・sys.dm_exec_sessions

    ・sys.dm_os_tasks

    ・sys.dm_os_waiting_tasks

    ・sys.server_principals

    ・sys.database_principals

  • すべてのデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.all_objects

    ・sys.partitions

PD_PDET

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.dm_tran_locks

    ・sys.dm_exec_requests

    ・sys.dm_exec_sessions

    ・sys.dm_os_tasks

    ・sys.dm_os_waiting_tasks

    ・sys.server_principals

    ・sys.database_principals

PD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.databases

    ・sys.dm_tran_locks

    ・sys.dm_exec_requests

    ・sys.dm_exec_sessions

    ・sys.dm_os_tasks

    ・sys.dm_os_waiting_tasks

    ・sys.server_principals

    ・sys.database_principals

    ・sys.dm_os_performance_counters

    ・spt_values

  • msdbデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・backupset

PI,PI_PI2,PI_SERV,PI_SRV2

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.dm_os_performance_counters

PD_LOCK

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するSELECT権限を設定しておく必要があります。

    ・sys.dm_tran_locks

    ・sys.dm_exec_requests

    ・sys.dm_exec_sessions

    ・sys.dm_os_tasks

    ・sys.dm_os_waiting_tasks

    ・sys.server_principals

    ・sys.database_principals

PD_CD

  • masterデータベースの次のオブジェクトに対するEXEC権限を設定しておく必要があります。

    ・sp_configure

PI_TLOG,PD_IA

すべてのユーザーが実行できます。

(e) Microsoft SQL Serverの標準以外のポート番号や名前付きパイプで接続する場合の注意事項

PFM - RM for Microsoft SQL Serverは,TCP/IPプロトコルまたは名前付きパイプを使用してMicrosoft SQL Serverと通信します。

次の場合,SQLクライアント設定ユーティリティなどで[別名]を設定してください。

  • プロトコルの設定でTCP/IPを使用して,Microsoft SQL Serverの標準以外のポート番号を設定している

  • 名前付きパイプを使用する

PFM - RM for Microsoft SQL Serverは,64ビットアプリケーションのため,64ビットの[別名]を設定します。SQLクライアント設定ユーティリティを使用する場合,次に示すファイルを実行して設定します。

%windir%\system32\cliconfg.exe

[別名]は別名タブの追加ボタンから次のように設定してください。

Microsoft SQL Serverのポート番号が標準以外の場合
  • 既定インスタンスの場合

    サーバー]:TARGET_HOST※1

    ポートを動的に決定する]:チェックを外す

    ネットワークライブラリ]:TCP/IP

    ポート番号]:Microsoft SQL Serverのポート番号

    サーバー別名]:TARGET_HOST※1

  • 名前付きインスタンスの場合

    サーバー]:TARGET_HOST※1\SQL_INSTANCE※2

    ポートを動的に決定する]:チェックを外す

    ネットワークライブラリ]:TCP/IP

    ポート番号]:Microsoft SQL Serverのポート番号

    サーバー別名]:TARGET_HOST※1\SQL_INSTANCE※2

名前付きパイプの場合
  • 既定インスタンスの場合

    サーバー]:TARGET_HOST※1

    ネットワークライブラリ]:名前付きパイプ

    パイプ名]:\\TARGET_HOST※1\pipe\Microsoft SQL Serverのパイプ名

    サーバー別名]:TARGET_HOST※1

  • 名前付きインスタンスの場合

    サーバー]:TARGET_HOST※1\SQL_INSTANCE※2

    ネットワークライブラリ]:名前付きパイプ

    パイプ名]:\\TARGET_HOST※1\pipe\MSSQL$SQL_INSTANCE※2\Microsoft SQL Serverのパイプ名

    サーバー別名]:TARGET_HOST※1\SQL_INSTANCE※2

注※1

PFM - RM for Microsoft SQL ServerのTARGET_HOSTの値です。

注※2

PFM - RM for Microsoft SQL ServerのSQL_INSTANCEの値です。

名前付きパイプを使用してMicrosoft SQL Serverと通信する場合は,PFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのアカウントに,PFM - RMホストと監視対象ホストで共通のユーザー(ユーザー名とパスワードが同じ)を設定してください。

なお,使用されるバージョンによって設定項目の表記が異なる場合がありますので,使用される環境に合わせて読み替えてください。

設定した[別名]でMicrosoft SQL Serverと接続できるかどうかはsqlcmdコマンドを使用して確認してください。詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

(3) ストアドプロシージャの登録[図データ]

監視対象のMicrosoft SQL Serverインスタンスのmasterデータベースに,次に示すストアドプロシージャを登録します。

登録は監視対象となるMicrosoft SQL Serverが稼働しているホストで実施します。

PFM - RMホストにMicrosoft SQL Serverがインストールされている場合には,osqlユーティリティまたは,sqlcmdユーティリティで監視対象となるMicrosoft SQL Serverに登録します。

R4QHITACHIPROCSPDATABASESは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverが提供しているsp_rist.sqlスクリプトを実行して登録できます。sqlcmdユーティリティを使用する場合の登録手順を次に示します。

  1. Microsoft SQL Serverのsqlcmdユーティリティが実行できる環境を設定する。

    sqlcmdユーティリティはMicrosoftが提供しています。Microsoft SQL Serverの環境設定については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

  2. sp_rist.sqlスクリプトの格納先フォルダに移動する。

    格納先フォルダを次に示します。

    インストール先フォルダ\agt4\sql
  3. 監視対象のMicrosoft SQL Serverを指定して,スクリプトを実行する。

    sp_rist.sqlスクリプトの実行方法は,監視するMicrosoft SQL Serverのインスタンスの種類,およびMicrosoft SQL Serverへ接続する際の認証方法によって異なります。それぞれの場合の実行方法は次のとおりです。

    • Microsoft SQL Serverが既定のインスタンスの場合

      認証方法

      sp_rist.sqlスクリプトの実行方法

      SQL Server認証

      sqlcmd -S ホスト名 -U ユーザー名 -P パスワード -d master -i sp_rist.sql

      Windows認証

      sqlcmd -S ホスト名 -E -d master -i sp_rist.sql

    • Microsoft SQL Serverが名前付きインスタンスの場合

      認証方法

      sp_rist.sqlスクリプトの実行方法

      SQL Server認証

      sqlcmd -S ホスト名\インスタンス名 -U ユーザー名 -P パスワード -d master -i sp_rist.sql

      Windows認証

      sqlcmd -S ホスト名\インスタンス名 -E -d master -i sp_rist.sql

      注※

      指定する内容は次のとおりです。

      ホスト名 : 監視対象のMicrosoft SQL Serverが稼働しているホスト名。

      インスタンス名 : 監視対象のMicrosoft SQL Serverのインスタンス名。

      ユーザー名 : saまたはsaと同等の権限を持つユーザーアカウント(固定サーバロールsysadminメンバーアカウント)

      パスワード : 指定したユーザー名に対応するパスワード

R4QHITACHIPROCSPDATABASESの削除手順については,「付録I ストアドプロシージャの削除」を参照してください。

(4) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。

ネットワークの設定には次の2つの項目があります。

(5) ログのファイルサイズ変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合にだけ,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(6) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ]

PFM - RM for Microsoft SQL Serverで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のフォルダを変更したい場合に必要な設定です。

パフォーマンスデータは,デフォルトでは次の場所に保存されます。

注意

論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ\jp1pc」に読み替えてください。

詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(7) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの接続先PFM - Managerの設定

PFM - RM for Microsoft SQL Serverがインストールされているホストで,そのPFM - RM for Microsoft SQL Serverを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。

重要
  • 同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。

  • PFM - RM for Microsoft SQL ServerとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。

  • セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。

    jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。

  2. 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。

    例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。

    jpcconf mgrhost define -host host01

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

(8) 動作ログ出力の設定[図データ]

アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。

設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。