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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.9.5 ディスクリソースの監視

ここでは,Virtageシステムのディスクリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

Virtageシステム上の各LPARはSANブートで稼働します。Virtageシステムでは,ホストマシン物理ホストに搭載されているHBAを各LPARに対し仮想HBAとして割り当てます。LPARは,仮想HBAを物理HBAとして認識して動作します。

PFM - RM for Virtual Machineは,物理・仮想HBAのI/O割り込み回数をパフォーマンスデータとして取得します。この数値の推移が高いとLPARがHBAに対し過大な負荷をかけていると判断でき,対策を講じることができます。

なお,PFM - RM for Virtual Machineでは,LPARごとに存在するSANストレージ上の物理ディスクリソース不足量の監視はできないため,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformを使用して監視する必要があります。

また,ディスクリソースの不足やHBAの故障を検知したい場合は,HVMスクリーンによるアラート監視を利用できます。

ディスクリソースを監視するレコードには,次の2つがあります。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。

  1. PI_HPDIレコード

    ホストマシンに搭載されているHBAのI/O割り込み回数をパフォーマンスデータとして取得できます。これによって,物理HBAに対する負荷を監視できます。

  2. PI_VPDIレコード

    LPARに割り当てた仮想HBA全体のI/O割り込み回数をパフォーマンスデータとして取得できます。LPAR単位でのI/O割り込み回数を監視することで,LPARのディスクアクセスの負荷を監視できます。

次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒101 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,仮想環境が稼働しているホストマシン上の物理HBAのI/O割り込み回数やLPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視を例に,ディスクリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒102 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数を監視する例

ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数は,PI_HPDIレコードのRequestsフィールドで確認できます。

ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数の監視例を次の図に示します。

図1‒103 ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

Host Disk I/O

注※

Host Disk I/Oレポートは,グラフにRequestsフィールドを表示しません。ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数を監視する場合,レポート定義をカスタマイズして運用してください。カスタマイズ方法については,「(3) 監視テンプレートレポートのカスタマイズ」を参照してください。

この例では,I/O割り込み回数が多いHBA1は,継続的に割り込み回数が多いため,対策が必要です。

(b) LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数を監視する例

LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数は,PI_VPDIレコードのRequestsフィールドで確認できます。

LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視例を次の図に示します。

図1‒104 LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

VM Disk I/O

注※

VM Disk I/Oレポートは,グラフにRequestsフィールドを表示しません。LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数を監視する場合,レポート定義をカスタマイズして運用してください。カスタマイズ方法については,「(3) 監視テンプレートレポートのカスタマイズ」を参照してください。

この例では,LPAR1は継続的に割り込み回数が多いため,対策が必要です。

(c) LPARのディスク不足を監視する例

LPARのディスク不足を監視するには,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformの監視テンプレートを使用して監視します。PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformで,次に示す項目を監視することで,収集されたLPARのディスク未使用率を監視し,ディスクが不足しているLPARを特定できます。

PFM - Agent for Platformの場合
確認する監視テンプレートレポート

Free Megabytes - Logical Drive Status

確認する監視テンプレートアラーム

Disk Space

PFM - RM for Platformの場合
確認する監視テンプレートレポート

Free Megabytes - Logical Disk

確認する監視テンプレートアラーム

Disk Space

(3) 監視テンプレートレポートのカスタマイズ

ここでは,監視テンプレートのHost Disk I/OレポートおよびVM Disk I/Oレポートをカスタマイズして,Requestsフィールドをグラフで表示させる方法を説明します。

(a) ベースとなるレポートをコピーする

レポートをカスタマイズする前に,ベースとなるレポートをUser Reportsフォルダ配下にコピーする必要があります。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleのナビゲーションフレームで[レポート階層]タブを選択する。

  2. [レポート階層]画面で[System Reports]−[RM VirtualMachine]を展開する。

  3. 任意のフォルダに格納されている「Host Disk I/O」レポートまたは「VM Disk I/O」レポートを選択する。

  4. 選択したレポートを[User Reports]フォルダにコピーする。

(b) レポートをカスタマイズする

コピーしたレポートをカスタマイズする手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleのナビゲーションフレームで[レポート階層]タブを選択する。

  2. [レポート階層]画面で[User Reports]を選択し,「Host Disk I/O」レポートまたは「VM Disk I/O」レポートを選択する。

  3. メソッドフレームで[編集]メソッドを選択する。

    [編集 > 表示形式]画面が表示されるまで,[次へ]ボタンをクリックしてください。

  4. 「Speed」フィールドの[グラフ]チェックボックスのチェックを解除して,「Requests」フィールドの[グラフ]チェックボックスをチェックする。

    [次へ]ボタンをクリックして,[編集 > グラフのプロパティ]画面を表示させてください。

  5. [軸ラベル]の[Y軸]を「Speed[Kbytes/Sec]」から「Requests」に変更する。

  6. [完了]ボタンをクリックする。