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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.9.4 メモリーリソースの監視

ここでは,Virtageシステムのメモリーリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

Virtageシステムの仮想環境では,ホストマシン上の物理メモリーからハイパーバイザーとLPARごとに占有でメモリーを割り当てて使用します。LPARのメモリーは,Virtage環境構築時にユーザーが指定した量が占有で割り当てられます。

ハイパーバイザーは動作に必要なメモリーを1,280メガバイト固定で確保し,残りの物理メモリーをLPARが起動(アクティベイト)するときに占有で割り当てます。このとき,LPARに対し十分なメモリーを割り当てていないとメモリー不足が発生し,LPARの性能が低下することがあります。または,LPARを起動(アクティベイト)するときに,ユーザーが割り当てたメモリーが物理メモリー上から確保できない場合,LPARの起動に失敗します。

なお,PFM - RM for Virtual Machineでは,LPARのメモリー使用量・使用率・不足率のデータは取得できないため,LPARのメモリー不足については,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformを使用して監視する必要があります。PFM - RM for Virtual Machineでは,LPARでメモリー不足が発生した場合に,ホストマシンの物理メモリー搭載量,未使用量およびLPARのメモリー割り当て量などを確認することで,対策を講じることができます。

メモリーリソースは,次に示すレコードで監視できます。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。

次の図に,PI_HMIレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒98 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,仮想環境が稼働しているホストマシンの監視を例に,メモリーリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒99 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) LPARのメモリー未割り当て率を監視する例

LPARのメモリー未割り当て率は,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformの監視テンプレートと,PFM - RM for Virtual Machineの監視テンプレートを組み合わせて監視します。

PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformで収集された物理メモリーの使用量(Virtageから見ればLPARのメモリー監視に見える)を監視し,メモリーが不足しているLPARを特定できます。

PFM - Agent for Platformの場合
確認する監視テンプレートレポート

System Overview

確認する監視テンプレートアラーム

Available Memory

上記のSystem OverviewとPFM - RM for Virtual MachineのHost Memory Usedの複合レポートを監視することで,メモリー不足が発生しているLPARとVirtageの関連を把握できます。

PFM - RM for Platformの場合
確認する監視テンプレートレポート

Memory Used Status

確認する監視テンプレートアラーム

Available Memory

上記のMemory Usage StatusとPFM - RM for Virtual MachineのHost Memory Usedの複合レポートを監視することで,メモリー不足が発生しているLPARとVirtageの関連を把握できます。

(b) ホストマシンのメモリー未割り当て率を監視する例

ホストマシンのメモリー未割り当て率を監視するには,PI_HMIレコードのUsed %フィールドで確認できます。

ホストマシンのメモリー未割り当て率の監視例を次の図に示します。

図1‒100 メモリー未割り当て率の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

Host Memory Used

この例では,Virtageのメモリー割り当て率は80%で,20%の未使用域があることがわかります。未使用域がある場合は,ホストマシン上のメモリーに余裕があるため,メモリーが不足しているLPARにメモリーを再割り当てできます。再割り当てする場合,メモリーが不足しているLPARに対し,割り当てを256メガバイト単位で増やしてください。また,メモリー使用状況に余裕のあるほかのLPARのメモリーを分散してください。