1.8.4 メモリーリソースの監視
ここでは,Podman環境のメモリーリソースを監視する方法について説明します。
(1) 概要
Podman環境では,物理サーバのメモリーリソースを複数のコンテナで共有します。
物理サーバ上のメモリーリソースが不足する場合,スワップが発生し,物理サーバの性能が低下します。メモリーのパフォーマンスデータを監視することで,こうした物理サーバの性能低下を把握できます。
メモリーリソースを監視するレコードには,次の2つのレコードがあります。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。
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PI_HMIレコード
物理サーバの物理メモリーの使用状況などを監視できます。
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PI_VMIレコード
コンテナのメモリーリソースサイズを監視できます。
次の図にPI_HMIレコードおよびPI_VMIレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。
(2) 監視例
ここでは,仮想環境が稼働している物理サーバの監視を例に,メモリーリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。
次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。
(a) 物理サーバのメモリーリソース使用率を監視する例
物理サーバのメモリーリソース使用率は,PI_HMIレコードのUsed %フィールドで監視できます。この値が大きい場合,物理サーバのメモリーリソースが不足していると考えられます。
監視例を次の図に示します。
- 確認する監視テンプレートレポート
この例では,Used %の値が80〜100%を示しているため,物理サーバのメモリーリソースが不足している可能性が考えられます。
この場合,コンテナのメモリ割り当てを見直してください。メモリ割り当てを見直したあともメモリー使用率の値が改善しない場合,物理サーバのメモリーリソース追加や,物理サーバの追加を検討してください。
(b) コンテナのメモリーリソース使用率を監視する例
コンテナのメモリーリソース使用率は,PI_VMIレコードのUsed %フィールドで監視できます。
コンテナのメモリーリソース使用率の監視例を次の図に示します。
- 確認する監視テンプレートレポート
この例では,Container1のメモリーリソース使用率が時間とともに高くなっています。
Container1に問題がある場合は,コンテナを停止してください。また,問題が解決しない場合は,コンテナを別の物理サーバに移動することを検討してください。