Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.8.4 メモリーリソースの監視

ここでは,Podman環境のメモリーリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

Podman環境では,物理サーバのメモリーリソースを複数のコンテナで共有します。

物理サーバ上のメモリーリソースが不足する場合,スワップが発生し,物理サーバの性能が低下します。メモリーのパフォーマンスデータを監視することで,こうした物理サーバの性能低下を把握できます。

メモリーリソースを監視するレコードには,次の2つのレコードがあります。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。

  1. PI_HMIレコード

    物理サーバの物理メモリーの使用状況などを監視できます。

  2. PI_VMIレコード

    コンテナのメモリーリソースサイズを監視できます。

次の図にPI_HMIレコードおよびPI_VMIレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒81 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,仮想環境が稼働している物理サーバの監視を例に,メモリーリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。

次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒82 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) 物理サーバのメモリーリソース使用率を監視する例

物理サーバのメモリーリソース使用率は,PI_HMIレコードのUsed %フィールドで監視できます。この値が大きい場合,物理サーバのメモリーリソースが不足していると考えられます。

監視例を次の図に示します。

図1‒83 メモリーリソース使用率の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

Host Memory Used

この例では,Used %の値が80〜100%を示しているため,物理サーバのメモリーリソースが不足している可能性が考えられます。

この場合,コンテナのメモリ割り当てを見直してください。メモリ割り当てを見直したあともメモリー使用率の値が改善しない場合,物理サーバのメモリーリソース追加や,物理サーバの追加を検討してください。

(b) コンテナのメモリーリソース使用率を監視する例

コンテナのメモリーリソース使用率は,PI_VMIレコードのUsed %フィールドで監視できます。

コンテナのメモリーリソース使用率の監視例を次の図に示します。

図1‒84 コンテナのメモリーリソース使用率の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

VM Memory Trend

この例では,Container1のメモリーリソース使用率が時間とともに高くなっています。

Container1に問題がある場合は,コンテナを停止してください。また,問題が解決しない場合は,コンテナを別の物理サーバに移動することを検討してください。