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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.7.4 メモリーリソースの監視

ここでは,Dockerコンテナのメモリーリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

Dockerコンテナでは,物理サーバのメモリーリソースを複数のDockerコンテナで共有します。Dockerコンテナ上で稼働するプロセスは,Dockerコンテナに割り当てられたメモリーリソースの範囲で動作します。

各Dockerコンテナが使用しているメモリーリソース使用量を把握できます。

メモリーリソースを監視するレコードには,PI_VMIレコードがあります。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。なお,物理サーバのメモリーリソースを示すPI_HMIレコードはサポートされません。

  1. PI_VMIレコード

    各Dockerコンテナに割り当てられたメモリーリソースサイズを監視できます。

次の図にレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒71 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,Dockerコンテナのメモリーリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。

次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒72 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) Dockerコンテナのメモリー使用率を監視する例

Dockerコンテナのメモリー使用率は,PI_VMIレコードのUsed %フィールドで監視できます。この値が大きい場合,Dockerコンテナのメモリーリソースが不足していると考えられます。

監視例を次の図に示します。

図1‒73 メモリー使用率の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

VM Memory Trend

この例では,container1のUsed %の値が増加しているため,Dockerコンテナのメモリーリソースが不足する可能性があると考えられます。

この場合,Dockerコンテナ内で動作しているプロセスを確認し、問題が改善しない場合,Dockerコンテナのメモリーリソースを変更したり,Dockerコンテナを実行する物理サーバを変更したりすることを検討してください。