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JP1 Version 12 JP1/Performance Management リファレンス


付録C.2 ファイアウォールの通過方向

Performance Managementのファイアウォールの通過方向について説明します。

システム構成例でPerformance Managementとファイアウォールの関係を次の図に示します。各ホストの間にファイアウォールがある場合は,通過設定が必要になります。

図C‒1 Performance Managementとファイアウォールの関係

[図データ]

ファイアウォール通過方向には,次の状態があります。

それぞれの状態での,ファイアウォールの通過設定を説明します。なお,ファイアウォールの通過方向の各表の凡例と注は次のとおりです。

(凡例)

→:通信(コネクション)を開始する方向

注※1

通信(コネクション)が開始したあと,確立されたセッション間で送受信をします。確立されたセッションに対する返信についても通過できるように設定してください。

注※2

通信(コネクション)を開始するときは,接続する側はOSによって割り当てられる空きポート番号を送信ポートとして使用します。このため,送信ポートは任意のポート番号を通過できるように設定してください。

注※3

jpcconf port defineコマンドによってポート番号を固定できます。また,パラメーターはポート番号の固定時にjpcconf port list -key allコマンドで出力されたServices欄に表示される値です。

注※4

クラスタシステム運用の場合のPerformance Managementのサービスのステータスの確認では,接続するホストから接続されるホストのStatus Serverサービスに対して,物理ホスト,論理ホストそれぞれのホスト名(IPアドレス)で通信をします。

そのため,Status Serverサービスに対して実施される通信については接続するホストから物理ホスト,論理ホスト両方のホスト名(IPアドレス)に対する通信について,jp1pcstatsvrに設定されているポート番号を通過できるようにしてください。

例えば,PFM - Managerから,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホストへの通信で,Status Serverサービスに対して設定する場合は,次の両方のホスト名(IPアドレス)に対する通信について,jp1pcstatsvrに設定されているポート番号を通過できるように設定します。

  • PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト(物理ホスト)

  • PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト(論理ホスト)

〈この項の構成〉

(1) Webブラウザ,PFM - Web Console,PFM - Manager間のファイアウォール

Webブラウザ,PFM - Web Console,PFM - Manager間のファイアウォールのポート通過について次の図に示します。

図C‒2 Webブラウザ,PFM - Web Console,PFM - Manager間のファイアウォールのポート通過

[図データ]

次に,PFM - Web ConsoleとPFM - Manager間のIP通過について次の図に示します。

図C‒3 PFM - Web Console,PFM - Manager間のIP通過

[図データ]

対象ホスト間で通信できるIPについて通過設定が必要です。○が付いたIPについて送受信ができるようにファイアウォールを通過設定してください。

×が付いたIPについてはPFM - Web ConsoleとPFM - Manager間では使用しないので通過設定は不要です。

(a) WebブラウザからPFM - Web Consoleへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでWebブラウザからPFM - Web Consoleに接続する場合は,ポート番号を次の表に示す方向で設定し,ファイアウォールを通過させるようにしてください。

表C‒4 ファイアウォールの通過方向(WebブラウザからPFM - Web Console間)

Webブラウザ使用ホスト

通過方向※1

PFM - Web Consoleホスト

Any※2

20358

(デフォルト)

Webブラウザで一時的に使用される送信ポートが,PFM - Web Consoleの受信ポート「20358」(デフォルトの場合)を通過できるようにファイアウォールを設定してください。

(b) PFM - Web ConsoleからPFM - Managerへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでPFM - Web ConsoleからPFM - Managerに接続する場合は,ポート番号を次の表に示す方向で設定し,ファイアウォールを通過させるようにしてください。

表C‒5 ファイアウォールの通過方向(PFM - Web ConsoleからPFM - Manager間)

PFM - Web Consoleホスト

通過方向※1

PFM - Managerホスト※3

Any※2

jp1pcvsvr

PFM - Web Consoleで一時的に使用される送信ポートが,PFM - Managerの受信ポートを通過できるようにファイアウォールを設定してください。

(c) PFM - ManagerからPFM - Web Consoleへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでPFM - ManagerとPFM - Web Consoleを配置する場合は,VPNを使用することをお勧めします。VPNが使用できない場合,コールバックポート番号を設定してください。

コールバックポート番号は,PFM - Web Consoleホストの初期設定ファイル(config.xmlで設定します。項目を次に示します。

表C‒6 ファイアウォールの通過方向(PFM - ManagerからPFM - Web Console間)

PFM - Managerホスト

通過方向※1

PFM - Web Consoleホスト

Any※2

PFM - Web Consoleサービスが使用するコールバックポート番号(ownPort)

PFM - Web Consoleコマンドが使用するコールバックポート番号(ownCmdPort)

PFM - Managerで一時的に使用される送信ポートが,PFM - Web Consoleの受信ポートに通過できるようにファイアウォールを設定してください。

設定できる値の詳細については,「初期設定ファイル(config.xml)」を参照してください。

初期設定ファイル(config.xml)の変更を有効にするには,PFM - Web Consoleの再起動が必要です。また,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。

設定例を次に示します。

図C‒4 初期設定ファイル(config.xml)の設定例

[図データ]

設定後,表に示す方向で,各ポート番号をファイアウォールで通過させます。

(2) PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォール

PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールのポート通過について次の図に示します。

図C‒5 PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールのポート通過

[図データ]

PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Manager間のファイアウォールのポート通過について次の図に示します。

図C‒6 PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Manager間のファイアウォールのポート通過

[図データ]

次に,PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間のIP通過について次の図に示します。

図C‒7 PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間のIP通過

[図データ]

対象ホスト間で通信できるIPについて通過設定が必要です。○が付いたIPについて送受信ができるようにファイアウォールを通過設定してください。

×が付いたIPについてはPFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RM間では使用しないので通過設定は不要です。

(a) PFM - ManagerからPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでPFM - Managerと,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseを配置する場合は,PFM - Managerと,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseのすべてのサービスにポート番号を固定値で設定してください。また,各ポート番号を次の表に示す方向で設定し,ファイアウォールを通過させるようにしてください。

なお,Agent StoreサービスおよびAgent Collectorサービスについては,各PFM - Agentマニュアルの,付録を参照してください。Remote Monitor StoreサービスおよびRemote Monitor Collectorサービスについては,PFM - RMマニュアルの,付録を参照してください。

表C‒7 ファイアウォールの通過方向(PFM - ManagerからPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base間)

PFM - Managerホスト

通過方向※1

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト※3

Any※2

jp1pcah

jp1pcstatsvr

PFM - AgentまたはPFM - RMのCollectorサービスのポート番号

PFM - AgentまたはPFM - RMのStoreサービスのポート番号

表C‒8 ファイアウォールの通過方向(PFM - Managerから,クラスタシステム運用しているPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base間)

PFM - Managerホスト

通過方向※1

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト※3

Any※2

jp1pcah

jp1pcah_論理ホスト名

jp1pcstatsvr※4

PFM - AgentまたはPFM - RMのCollectorサービスのポート番号

PFM - AgentまたはPFM - RMのStoreサービスのポート番号

PFM - Managerで一時的に使用される送信ポートが,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseの受信ポートに通過できるようにファイアウォールを設定してください。

(b) PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - BaseからPFM - Managerへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでPFM - Managerと,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base を配置する場合は,PFM - Managerと,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseのすべてのサービスにポート番号を固定値で設定してください。また,各ポート番号を次の表に示す方向で設定し,ファイアウォールを通過させるようにしてください。

表C‒9 ファイアウォールの通過方向(PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - BaseからPFM - Manager間)

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト

通過方向※1

PFM - Managerホスト※3

Any※2

jp1pcagt0

jp1pcsto0

jp1pcnsvr

jp1pcmm

jp1pcsto

jp1pcep

jp1pctrap

jp1pcvsvr2

jp1pcah

jp1pcstatsvr

表C‒10 ファイアウォールの通過方向(PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseから,クラスタシステム運用しているPFM - Manager間)

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト

通過方向※1

PFM - Managerホスト※3

Any※2

jp1pcagt0_論理ホスト名

jp1pcsto0_論理ホスト名

jp1pcnsvr

jp1pcmm

jp1pcsto

jp1pcep

jp1pctrap

jp1pcvsvr2

jp1pcah

jp1pcah_論理ホスト名

jp1pcstatsvr※4

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseで一時的に使用される送信ポートが,PFM - Managerの受信ポートに通過できるようにファイアウォールを設定してください。

(3) PFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォール

PFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールのポート通過について次の図に示します。

図C‒8 PFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールのポート通過

[図データ]

次に,PFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間のIP通過について次の図に示します。

図C‒9 PFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間のIP通過

[図データ]

対象ホスト間で通信できるIPについて通過設定が必要です。○が付いたIPについて送受信ができるようにファイアウォールを通過設定してください。

×が付いたIPについてはPFM - AgentまたはPFM - RMと,ほかのホストのPFM - AgentまたはPFM - RM間では使用しないので通過設定は不要です。

(a) PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base からほかのホストのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseへの通信間にファイアウォールがある場合

ファイアウォールを挟んでPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseと,ほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseを配置している場合は,対象ホスト間でjpctool db backupコマンド,jpctool db dumpコマンド,またはjpctool service listコマンドを実行したいときだけ,ファイアウォールの通過設定が必要です。なお,PFM - Managerと,PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base間についてのファイアウォールの通過設定は必要となります。

ただし,jpctool db dumpコマンドまたはjpctool service listコマンドでは,対象ホストからPFM - Managerホストと通信できる環境であれば,-proxyオプションを指定して実行することでPFM - Managerを経由して通信するため,コマンド実行が可能となりファイアウォールの通過設定は不要となります。

jpctool db backupコマンドについては,対象ホスト間で実行する場合はファイアウォールの通過設定が必要となりますが,-aloneオプションを使用して自ホストでのバックアップ取得運用などができます。この場合はファイアウォールの通過設定は不要となりますので運用設計を検討してください。

jpctool db backupコマンド,jpctool db dumpコマンド,またはjpctool service listコマンドの詳細については,「3. コマンド」を参照してください。

ファイアウォールの通過設定をする場合は,両方のPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseのすべてのサービスにポート番号を固定値で設定してください。また,各ポート番号を次の表に示す方向で設定し,ファイアウォールを通過させるようにしてください。

なお,Agent StoreサービスおよびAgent Collectorサービスについては,各PFM - Agentマニュアルの,付録を参照してください。Remote Monitor StoreサービスおよびRemote Monitor Collectorサービスについては,PFM - RMマニュアルの,付録を参照してください。

表C‒11 ファイアウォールの通過方向(PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - BaseからほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base間)

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト

通過方向※1

ほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト※3

Any※2

jp1pcah

jp1pcstatsvr

PFM - AgentまたはPFM - RMのCollectorサービスのポート番号

PFM - AgentまたはPFM - RMのStoreサービスのポート番号

表C‒12 ファイアウォールの通過方向(PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseから,クラスタシステム運用しているほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Base間)

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト

通過方向※1

ほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseホスト※3

Any※2

jp1pcah

jp1pcah_論理ホスト名

jp1pcstatsvr※4

PFM - AgentまたはPFM - RMのCollectorサービスのポート番号

PFM - AgentまたはPFM - RMのStoreサービスのポート番号

PFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseで一時的に使用される送信ポートが,ほかのPFM - Agent,PFM - RMまたはPFM - Baseの受信ポートに通過できるようにファイアウォールを設定してください。