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JP1 Version 12 JP1/Performance Management リファレンス


カスタム監視項目定義ファイル(monitoringitems.cfg)

〈このページの構成〉

機能

JP1/SLMと連携している環境で,任意のレコード・フィールドを監視項目として定義するファイルです。デフォルト監視項目にない値をJP1/SLMで分析したい場合に使用します。PFM - AgentおよびPFM - RMの種別,データモデルごとに54件まで定義できます。

ファイル名

monitoringitems.cfg(カスタム監視項目定義ファイル)

格納先

Windows
  • 物理ホストの場合

    インストール先フォルダ\ITSLM\

  • 論理ホストの場合

    環境ディレクトリ\jp1pc\ITSLM\

UNIX
  • 物理ホストの場合

    /opt/jp1pc/ITSLM/

  • 論理ホストの場合

    環境ディレクトリ/jp1pc/ITSLM/

注意事項

カスタム監視項目定義ファイル(monitoringitems.cfg)には,次に示す規則があります。

変更手順

カスタム監視項目定義ファイル(monitoringitems.cfg)の変更手順」を参照してください。

設定項目

表4‒9 カスタム監視項目定義ファイル(monitoringitems.cfg)の形式

項目

説明

セクション

サブセクション

ラベル名

ITSLM Monitoring Items Definition File Version

監視項目定義ファイルの構文のバージョンを指定します。

  • 指定値:「0001」

  • 省略:できません。

ITSLM Monitoring Items Definition File Code※1

監視項目定義ファイルを記述している文字コードを指定します。

  • 指定値:以下のどれかを指定します。

    Shift_JIS:全角文字(SJIS)か半角文字(7ビット ASCII文字)で作成されている場合。

    EUC-JP:全角文字(EUC)か半角文字(7ビット ASCII文字)で作成されている場合。

    UTF-8:全角文字(UTF-8)か半角文字(7ビット ASCII文字)で作成されている場合。

    C:半角文字(7ビット ASCII文字)だけで作成されている場合。Display Name.jaおよびDisplay Unit.jaの指定は無視されます。

  • 省略:できません。

[Agent]

この項目はセクション名のため,変更できません。

PFM - AgentおよびPFM - RMのプロダクトID・データモデルバージョンごとにセクションを作成します。

Product

PFM - AgentおよびPFM - RMの種別とデータモデルバージョンを指定します。

  • 指定値:プロダクトIDデータモデルバージョン

    プロダクトID:アラームを定義したいエージェントのプロダクトIDを大文字で指定します。

    データモデルバージョン:バージョンとリビジョンの10進数表記を「.(ピリオド)」でつないだものを指定します。

  • 省略:できません。※2

[[Monitoring Item]]

この項目はサブセクション名のため,変更できません。

定義する監視項目ごとにサブセクションを作成します。

プロダクトID・データモデルバージョンごとに54件まで定義できます。55件以上有効な定義がある場合は,55件目以降が無視されます。

Record

監視する対象のレコードを指定します。

  • 指定値:1〜7バイトの半角文字で,監視するレコードのレコードID※3を指定します。

  • 省略:できません。

Field※4

監視する対象のレコードのフィールドを指定します。同一レコード,同一フィールドの指定が複数ある場合は,最も上に定義されている有効な定義が使用されます。

  • 指定値:1〜50バイトまでの半角文字で,監視するフィールドのPFM - Manager名を指定します。

  • 省略:できません。

Key Field※4

収集されたレコードを一意にするための情報を指定します。監視項目がマルチインスタンスレコードの場合だけ指定できます。シングルインスタンスレコードの場合は指定しても無視されます。

  • 指定値:フィルタリングに用いるフィールドのPFM - Manager名を指定します。複数指定する場合,「,(半角コンマ)」で区切って10個までで指定します。「,」の前後の空白文字はすべて無視されます。各フィールドのPFM - Manager名は,1〜50バイトまでの半角文字で指定します。レコードのODBCキーフィールドをすべて指定してください。

  • 省略:次のどちらかになります。

    シングルインスタンスレコードの場合:できます(指定されても無視します)

    マルチインスタンスレコードの場合:できません

  • 参考

    例えばPFM - Agent for Platform(Windows)のPD_PDIレコードのODBCキーフィールドはPD_PDI_INSTANCE,PD_PDI_ID_PROCESSです。この場合,フィールドのPFM - Manager名であるINSTANCE,ID_PROCESSを指定します。

Display Name.ja

JP1/SLMに表示する監視項目名(日本語)を指定します。

  • 指定値:1〜64バイトまでの半角/全角文字で,JP1/SLMに表示する監視項目名(日本語)を指定します。

  • 省略:Display Name.enに指定した文字列が使用されます。

Display Name.en

JP1/SLMに表示する監視項目名(英語)を指定します。

  • 指定値:1〜64バイトまでの半角文字で,JP1/SLMに表示する監視項目名(英語)を指定します。

  • 省略:できません。

Display Unit.ja

JP1/SLMで使用する監視項目の単位(日本語)を指定します。

  • 指定値:1〜32バイトまでの半角/全角文字で,JP1/SLMに表示する単位(日本語)を指定します。

  • 省略:Display Unit.enに指定した文字列が使用されます。

Display Unit.en

JP1/SLMで使用する監視項目の単位(英語)を指定します。

  • 指定値:1〜32バイトまでの半角文字で,JP1/SLMに表示する単位(英語)を指定します。

  • 省略:できません。

Threshold

しきい値種別を指定します。

  • 指定値:以下のどちらかを指定します。

    High:値が大きい場合に性能低下や異常を表すしきい値であることを示します。

    Low:値が小さい場合に性能低下や異常を表すしきい値であることを示します。

  • 省略:できません。

(凡例)

−:該当なし

注※1

ファイルを記述している文字コードと異なるコードを指定した場合,JP1/SLMでの表示に文字化けが発生することや実際にはエラーの無い項目がエラーとなることがあります。また,エラーメッセージで,エラーが発生した個所を示す行番号がエディターなどで表示される行番号とずれることがあります。

注※2

指定できる範囲は,次の条件があります。

  • PFM - AgentおよびPFM - RMのバージョンが10-00以降の必要があります。

  • 指定するPFM - AgentおよびPFM - RMがアラームとレポートに使用できる最大のデータモデルバージョンを指定する必要があります。

参考として,例を示します。

ここでは,実在しないPFM - Agentで説明しています。

[前提]

ホストA

PFM - Agent for Sample バージョン1000

データモデルバージョン8.0(アラームおよびレポートに使用できるデータモデルバージョンは3.0 〜 8.0とする)

ホストB

PFM - Agent for Sample バージョン1005

データモデルバージョン8.2(アラームおよびレポートに使用できるデータモデルバージョンは3.0 〜 8.2とする)

この場合,ホストAのPFM - Agent for Sampleと連携するためにはデータモデルバージョンは8.0,ホストBのPFM - Agent for Sampleと連携するためにはデータモデルバージョンは8.2とする必要があります。(ホストBのPFM - Agent for Sampleは最大のデータモデルバージョンが8.2なので,データモデルバージョン3.0や8.0を指定しての連携はできません)。

注※3

レコードIDについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMのマニュアルを参照してください。

注※4

Field

JP1/SLMと連携する監視項目として定義できるフィールドは数値型のフィールドだけです。

Key Field

  • フィルタリングするためのキーフィールドとして定義できるフィールドは文字列として完全一致の比較ができるフィールドだけです。

  • 指定値にODBCキーでないフィールドを設定する場合は,ODBCキーフィールドをすべて指定してから,ODBCキーでないフィールドを指定してください。

フィールドのデータ型ごとに監視項目,キーフィールドとして指定できるかどうかを,次の表に示します。

表4‒10 データ型による指定可否(FieldおよびKey Field)

データ型

サイズ

JP1/SLM

連携可否

備考

フィールド

CおよびC++

Field

Key Field

char

char

1

char(n)

char[ ]

n

×

数値型ではないので監視項目としては設定できません。

double

double

8

×

浮動小数は完全一致のキーとして設定できません。

float

float

4

×

浮動小数は完全一致のキーとして設定できません。

long

long

4

short

short

2

string

char

1

数値型を意図した型ではありませんが,長さ1では数値型と同等に使用できます。

string(n)

char[ ]

n

×

数値型ではないので監視項目としては設定できません。

time_t

unsigned long

4

×

経過ミリ秒は完全一致のキーとして設定できません。

ulong

unsigned long

4

utime

utime(構造体)

8

×

×

構造体であるため,監視項目,キーフィールドどちらとしても設定できません。

word

unsigned short

2

(該当なし)

unsigned char

1

(凡例)

○:指定できます

×:指定できません

−:該当なし

注※ n≧2とします。

定義例

カスタム監視項目定義ファイルの記述例を次に示します。

ITSLM Monitoring Items Definition File Version=0001
ITSLM Monitoring Items Definition File Code=Shift_JIS
[Agent]
Product=T8.0           …Agent for Platform(Windows)8.0の場合
[[Monitoring Item]]
Record=PI                 …System Overviewレコードの場合
Field=PCT_PHYSICAL_MEMORY         …% Physical Memフィールドの場合
Key Field=           …シングルインスタンスレコードは省略できる
Display Name.ja=物理メモリー使用率
Display Name.en=Physical Mem Usage
Display Unit.ja=      …日本語は省略でき,Display Unit.enが使用される
Display Unit.en=%
Threshold=High
[[Monitoring Item]]        …複数の監視項目を定義する場合は複数書く
Record=PI_LOGD
Field=PCT_DISK_USAGE
Key Field=INSTANCE      …マルチインスタンスレコードのため省略できない
   :
[Agent]    …続けてほかのプロダクトID,データモデルバージョンを記載する
Product=U7.8
[[Monitoring Item]]
Record=PI
Field=PCT_PHYSICAL_MEMORY
   :