ホスト情報設定ファイル(jpchosts)
機能
ホスト情報設定ファイルは,PFM - Web Console以外のPerformance Management独自のホスト情報を定義するファイルです。
OSのhostsファイルと同様に,ホスト名とIPアドレスを定義します。このファイルに定義すると,複数のIP経路がある場合でも使用するIPアドレスを指定できるため,通信の経路を最適化できます。
ファイル名
jpchosts(ホスト情報設定ファイル)
格納先
- Windows
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物理ホストの場合
インストール先フォルダ\
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論理ホストの場合
実行系ノードと待機系ノードの両方のインストール先フォルダ\
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- UNIX
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物理ホストの場合
/opt/jp1pc/
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論理ホストの場合
実行系ノードと待機系ノードの両方の/opt/jp1pc/
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定義情報の反映時期
ホスト情報設定ファイルの定義情報は,次のタイミングで反映されます。ホスト情報設定ファイルの定義情報を更新した場合でも,再起動は不要です。
ただし,ホスト情報設定ファイルから自ホスト名のIPアドレスを追加,変更,または削除した場合はサービスの再起動が必要です。
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ヘルスチェックエージェントが監視エージェントや監視エージェントが稼働するホストの稼働状態を確認するとき
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JP1/SLMと連携していて,エージェントがJP1/SLMへパフォーマンスデータを送信するとき
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ほかのサービスに対して通信をする際に,NameServer から通信先の情報が取得できなかったとき
ホスト情報設定ファイルの定義情報が反映された場合,共通ログにKAVE00537-Iメッセージが出力されます。
ホスト情報設定ファイルの定義情報を反映する際にjpchostsファイルへのアクセスに失敗した場合は,共通ログにKAVE00180-Eメッセージを出力します。その場合,サービスは前回読み込んだjpchostsファイルの定義情報を使用して処理を続行します。
注意事項
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jpchostsファイルを設定した場合,jpchostsファイルに定義したホスト名については,hostsファイルやDNSの定義を参照しません。したがって,ホスト名から取得されるIPアドレスを,jpchostsファイルに定義しておく必要があります。
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jpchostsファイルでのホスト名解決は,1番目に設定しているIPアドレスが使用できなくなった場合,それ以降2番目のIPアドレスを使用し続けるというものではありません。次回以降の通信でも,まず1番目のIPアドレスから順に通信を試みます。
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PFM - Managerホスト,およびPFM - AgentまたはPFM - RMホスト間で名前解決されていればネットワークの設定について問題はありません。ただし,運用時に混乱のないように,jpchostsファイルの定義を設定対象となるホストで統一することをお勧めします。
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PFM - RMの監視対象ホストに対するIPアドレス解決には,jpchostsファイルに設定したIPアドレスは使用されません。PFM - RMの監視対象ホストに対するIPアドレス解決の詳細については各PFM - RMのマニュアルを参照してください。
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NICが複数枚の環境(複数のLANに接続されたネットワーク環境)については次のように設定してください。
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PFM - ManagerホストがNIC2枚以上の場合
・PFM - Managerのjpchostsファイル:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
・PFM - Managerに接続しているPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchostsファイル:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
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各PFM - AgentまたはPFM - RMホストがNIC2枚以上の場合
・PFM - Managerのjpchostsファイル:PFM - AgentまたはPFM - RMで使用したいIPアドレスを指定します。
・対象のPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchostsファイル:PFM - AgentまたはPFM - RMで使用したいIPアドレスを指定します。
・そのほかのPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchostsファイル:設定の必要はありません。ただし,対象のPFM - AgentまたはPFM - RMとそのほかのPFM - AgentまたはPFM - RMホスト間でjpctool db backupコマンド,jpctool db clearコマンド,jpctool db dumpコマンド,またはjpctool service listコマンドなどを使用して通信する場合は,対象のPFM - AgentまたはPFM - RMの設定を追加する必要があります。
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変更手順
「ホスト情報設定ファイル(jpchosts)の変更手順」を参照してください。
設定項目
- ホスト名 IPアドレス1, IPアドレス2, IPアドレス3, ..., IPアドレス16
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ホスト名ごとに1行定義します。同じホスト名を記載した行が複数行ある場合は,最初に出現した行の定義だけが使用されます。
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ASCII文字で1行に1,023バイトまで指定できます。
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ホスト名とIPアドレスの間は1つ以上の半角スペースまたはタブ文字で区切ります。
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1つのホストに対して指定できるIPアドレスの数は16個です。この数を超えて指定したIPアドレスは無視されます。複数のIPアドレスを設定している場合は,最も左側に記述されているIPアドレスが優先されます。
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IPアドレスはIPv4アドレスの場合,10進ドット表記(例:172.16.233.12)で指定してください。IPv6アドレスの場合,16進コロン表記(例:ACE6:45:75:91::1)で指定してください。
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Windowsなどで"%1"などの形式でIPv6アドレスの末尾に付与されるゾーンIDは指定できません。ゾーンIDを指定した場合は無効なIPv6アドレスとしてそのアドレスを無視します。
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次の条件に当てはまる場合,IPアドレス設定は無効です。
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ホスト名の長さが33バイト以上の場合
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ホスト名がlocalhostの場合
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IPアドレス(例:172.16.233.12またはACE6:45:75:91::1)をホスト名として使用している場合
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「-」で始まるホスト名の場合
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次の文字または空白を含むホスト名の場合
\ / : , ; * ? “ > < | . =
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なお,「#」を指定した場合,#以降は改行されるまでコメント扱いとなります。
定義例
hostAとhostBを定義する例を示します。この場合,hostAのホスト情報としては,最初に定義されている「hostA 192.168.92.1」だけが使用されます。
# jpchosts sample hostA 192.168.92.1 hostB 192.168.92.3 , 192.168.92.4 hostA 192.168.92.2