17.5.2 トラブル発生時に採取が必要な資料(UNIXの場合)
- 〈この項の構成〉
(1) OSのログ情報
採取する必要のあるOSのログ情報を次の表に示します。
情報の種類 |
概要 |
デフォルトのファイル名 |
jpcrasコマンドでの採取 |
jpcwrasコマンドでの採取 |
---|---|---|---|---|
システムログ |
syslog |
|
○※1 |
○※1 |
プロセス情報 |
プロセスの一覧 |
− |
○ |
○ |
システムファイル |
hostsファイル |
/etc/hosts |
○ |
○ |
/etc/inet/ipnodes※2 |
○※3 |
× |
||
servicesファイル |
/etc/services |
○ |
○ |
|
OS情報 |
システム情報 |
− |
○ |
○ |
パッチ情報 |
− |
○ |
○ |
|
カーネル情報 |
− |
○ |
○ |
|
バージョン情報 |
− |
○ |
○ |
|
ネットワークステータス |
− |
○ |
○ |
|
環境変数 |
− |
○ |
○ |
|
ホスト名 |
− |
○ |
○ |
|
ファイアウォール情報(Linux) |
− |
○ |
× |
|
ダンプ情報 |
coreファイル※4 |
− |
○※5 |
× |
- (凡例)
-
○:採取できる
×:採取できない
−:デフォルトのファイルがない
- 注※1
-
デフォルトのパスおよびファイル名以外に出力されるように設定されているシステムでは,収集できません。そのほかの方法で収集してください。
- 注※2
-
/etc/inet/ipnodesファイルはSolarisだけに存在するファイルです。/etc/hostsファイルと一緒に収集してください。
- 注※3
-
PFM - Manager 08-50またはPFM - Base 08-50以降のjpcrasコマンドだけで収集されます。
- 注※4
-
HP-UX 11i V3 (IPF)では,coreadmコマンドによってcoreファイルの名称を任意に変更できます。ファイル名の先頭が「core」以外に変更されたファイルについては,jpcrasコマンドでは収集できません。手動で収集してください。
- 注※5
-
Linuxでsystemd-coredumpが有効な環境では,ダンプ情報をjpcrasコマンドで収集できません。次のディレクトリに出力されているPerformance Managementのダンプ情報を,手動で収集してください。
/var/lib/systemd/coredump/
(2) Performance Managementの情報
Performance Managementに関する次の情報の採取が必要です。また,ネットワーク接続でのトラブルの場合,接続先マシン上のファイルの採取も必要です。採取する必要のあるPerformance Managementの情報を次の表に示します。
情報の種類 |
概要 |
デフォルトのファイル名 |
jpcrasコマンドでの採取 |
---|---|---|---|
共通メッセージログ |
Performance Managementから出力されるメッセージログ(シーケンシャルファイル方式) |
/opt/jp1pc/log/jpclog{01|02}※1 |
○ |
Performance Managementから出力されるメッセージログ(ラップアラウンドファイル方式) |
/opt/jp1pc/log/jpclogw{01|02}※1 |
○ |
|
共通メッセージログ(論理ホスト運用の場合) |
Performance Managementから出力されるメッセージログ(シーケンシャルファイル方式) |
環境ディレクトリ/jp1pc/log/jpclog{01|02}※1 |
○ |
Performance Managementから出力されるメッセージログ(ラップアラウンドファイル方式) |
環境ディレクトリ/jp1pc/log/jpclogw{01|02}※1 |
○ |
|
構成情報 |
各構成情報ファイル |
|
○ |
データベース情報 |
Name Server |
|
○ |
Master Manager |
|
○ |
|
Master Store |
|
○ |
|
View Server |
|
○※7 |
|
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
|
○※7 |
|
Agent Store(ヘルスチェックエージェント) |
|
○※7 |
|
データベース情報(論理ホスト運用の場合) |
Name Server |
|
○ |
Master Manager |
|
○ |
|
Master Store |
|
○ |
|
View Server |
|
○※7 |
|
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
|
○※7 |
|
Agent Store(ヘルスチェックエージェント) |
|
○※7 |
|
トレースログ |
Performance Managementのプログラムの,各サービスのトレース情報 |
−※4 |
○ |
インストールログ※5 |
Hitachi PP Installerの標準ログ |
|
× |
- (凡例)
-
○:採取できる
×:採取できない
−:デフォルトのファイルがない
- 注※1
-
ログファイルの出力方式については,「16.5 システム統合監視製品と連携した障害検知」を参照してください。
- 注※2
-
「xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。
- 注※3
-
1つのホスト上で複数のサービスのセットを起動できるアプリケーションプログラムを監視するPFM - AgentまたはPFM - RMの場合は,インスタンス名のディレクトリがあります。
- 注※4
-
トレースログの格納先ディレクトリについては,「17.4.2 ログ情報の詳細について」を参照してください。
- 注※5
-
インストールに失敗した場合に採取してください。
- 注※6
-
インストールに失敗した場合で,かつファイルが存在しているときに採取してください。
- 注※7
-
jpcrasコマンドの引数に「ディレクトリ名」,「サービスキー」,オプション(allまたはdata)を指定したときだけ採取されます。オプションの指定を省略した場合には採取されません。
(3) PFM - Web Consoleの情報
PFM - Web Consoleに関する次の情報の採取が必要です。また,ネットワーク接続でのトラブルの場合,接続先マシン上のファイルの採取も必要です。採取する必要のあるPFM - Web Consoleの情報を次の表に示します。
情報の種類 |
概要 |
デフォルトのファイル名 |
jpcwrasコマンドでの採取 |
---|---|---|---|
Webサーバの情報 |
WebサーバやWebコンテナサーバのログ |
− |
○ |
稼働状況ログ※1 |
PFM - Web Consoleから出力されるメッセージログ |
/opt/jp1pcwebcon/log/jpcwtraceログファイル番号※2.log |
○ |
PFM - Web Consoleのコマンドから出力されるメッセージログ |
|
○ |
|
ファイル情報 |
PFM - Web Consoleのインストールファイルの一覧 |
− |
○ |
設定情報 |
PFM - Web Consoleの設定情報 |
/opt/jp1pcwebcon/conf/*.* /opt/jp1pcwebcon/sample/conf/*.* |
○ |
- (凡例)
-
○:採取できる
−:デフォルトのファイルがない
- 注※1
-
稼働状況ログの出力形式については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,ログ情報について説明している章を参照してください。
- 注※2
-
ログファイル番号は,「1」から始まるログファイルの出力数となります。
稼働状況ログの出力
jpcrptコマンド以外の稼働状況ログの出力サイズは,初期設定ファイル(config.xml)の「logFileSize」×「logFileNumber」で設定できます。
- 注※3
-
jpcrptコマンドのログ出力形式については,「17.4.2(1)(a) jpcrptコマンドのログ出力形式」を参照してください。
(4) オペレーション内容
トラブル発生時のオペレーション内容について,次に示す情報が必要です。
-
オペレーション内容の詳細
-
トラブル発生時刻
-
マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,PFM - Manager,およびPFM - AgentまたはPFM - RMの構成など)
-
再現性の有無
-
PFM - Web Consoleからログインしている場合は,ログイン時のPerformance Managementユーザー名
-
コマンド実行時にトラブルが発生した場合は,コマンドに指定した引数
(5) エラー情報
次に示すエラー情報を採取してください。
-
コマンド実行時にトラブルが発生した場合は,コンソールに出力されたメッセージ
(6) Docker環境の情報(Linuxの場合)
Performance ManagementをLinuxのDocker環境で使用している場合,採取する必要のあるDocker環境の情報を次に示します。
情報の種類 |
概要 |
jpcrasコマンドでの採取 |
---|---|---|
Docker環境の情報 |
Dockerバージョン |
○ |
Dockerコンテナリスト |
○ |
|
Dockerコンテナ内のプロセス |
○ |
|
Dockerコンテナ情報 |
○ |
- (凡例)
-
○:採取できる
(7) Podman環境の情報(Linuxの場合)
Performance ManagementをLinuxのPodman環境で使用している場合,採取する必要のあるPodman環境の情報を次に示します。
情報の種類 |
概要 |
jpcrasコマンドでの採取 |
---|---|---|
Podman環境の情報 |
Podmanバージョン |
○ |
Podmanコンテナリスト |
○ |
|
Podmanコンテナ内のプロセス |
○ |
|
Podmanコンテナ情報 |
○ |
- (凡例)
-
○:採取できる
(8) そのほかの情報
上記以外で必要な情報を次に示します。
-
Java VMのスレッドダンプ
PFM - Web Consoleの情報を採取する際は,Java VMのスレッドダンプを採取してください。次の手順で採取できます。
-
3秒おきに10回程度,次のコマンドを実行する。
# /opt/jp1pcwebcon/CPSB/CC/server/bin/cjdumpsv PFMWebConsole
注 上記のコマンドを実行する前にexportコマンドで次の環境変数を設定してください。
環境変数
設定値
CSCCFJ_SERVER_HOME
/opt/jp1pcwebcon/CPSB/CC
COSMINEXUS_PSB_HOME
/opt/jp1pcwebcon/CPSB
-
jpcwrasコマンドを実行する。
-
- 重要
-
スレッドダンプを採取するとJava VMの動作が不安定になるため,PFM - Web Consoleのサービスを再起動してください。