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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


6.4.5 アクションを設定する

アラームの状態が変化したときに,システムがどのような動作を実行するかのアクションを設定します。実行できるアクションを次に示します。

注意
  • [新規アラーム > 基本情報]画面の[全般]エリアで[値の存在を監視するアラームとする]を選択した場合,[警告]は選択できません。

  • [新規アラーム > 基本情報]画面の[高度な設定]フィールドで[常にアラーム通知する]を選択した場合,[正常]は選択できません。

  • アクションは複数を組み合わせることもできます。ただし,コマンドの実行とJP1イベントの発行を組み合わせて設定することはできません。

〈この項の構成〉

(1) Eメールを送信する

  1. [新規アラーム > アクション]画面で,[Eメール]を選択する。

  2. Eメール送信の契機を[異常][警告][正常]から選択する。

  3. [次へ >]ボタンをクリックする。

  4. [E メールの定義]エリアでEメールのアドレス,Eメール本文などを設定する。

    例えば,次の条件でEメールを送信したいとします。

    条件:

    • Eメールアドレス:T.Hitachi@Dept01.Hitachi.com へ送信

    • アクションハンドラ:ホスト名がWebAPのAction HandlerサービスでEメールを送信する

    • Eメール本文:「日付/時刻,ホスト名,プロダクト名」の文を送信する

    この場合,次のように設定します。

    [Eメールアドレス]:T.Hitachi@Dept01.Hitachi.com

    [アクションハンドラ]:PH1WebAP

    [メール本文]:Date:%SCT Host:%HNS Product:%PTS

    ヒント

    アクションハンドラを検索する場合は,検索文字列をテキストボックスに入力して[絞込]ボタンをクリックします。

    参考

    [メール本文]の設定には変数(%SCT,%MTSなど)を使用できます。変数については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,[新規アラーム > アクション定義]または[編集 > アクション定義]画面について説明している章を参照してください。

    [Eメールアドレス]に複数のEメールアドレスを指定するときは,「,」(半角コンマ)でつないで指定します。ただし,全長が127文字以内になるようにしてください。

  5. [完了]ボタンをクリックする。

    設定が完了します。

(2) 任意のコマンドを実行する

  1. [新規アラーム > アクション]画面で,[コマンド]を選択する。

  2. コマンド実行の契機を[異常][警告][正常]から選択する。

  3. [次へ >]ボタンをクリックする。

    [コマンドの定義]エリアが表示されます。

    実行するコマンド名,コマンド引数などを設定します。

    例えば,次の条件でコマンドを実行したいとします。

    条件:

    • ログ出力用に作成した/usr/bin/LogOutputコマンドを実行

    • WebAPホストのAction Handlerでコマンドを実行

    • パラメーターとしてコマンドに渡す内容は,日付/時刻,ホスト名,メッセージテキストとする

    この場合,次のように設定します。

    [コマンド名]:/usr/bin/LogOutput

    [アクションハンドラ]:PH1WebAP

    [コマンド引数]:Date:%SCT Host:%HNS %MTS

    設定例を次の図に示します。

    図6‒3 [新規アラーム > アクション定義]画面の設定例

    [図データ]

    注意

    • コマンドにパラメーターとして渡す文字列に,次の半角記号を使用することはできません。

      < >

      指定した場合は前後の文字が切り取られることがあります。

    • コマンドの標準出力をファイルなどにリダイレクトすることはできません。

    参考

    [コマンド引数]の設定には変数(%SCT,%MTSなど)を使用できます。変数については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,[新規アラーム > アクション定義]または[編集 > アクション定義]画面について説明している章を参照してください。

    また,[コマンド名]の設定には,引数を含めることもできます。ただし,コマンドのパスやコマンド名に半角空白文字を含む場合は,コマンドのパスやコマンド名までを"(ダブルクォーテーション)で囲んでください。

  4. [完了]ボタンをクリックする。

    設定が完了します。

(3) JP1イベントを発行する

アラームイベントが発生した場合にJP1イベントを発行するときの手順については,「12.3.2(3) アラームとJP1イベントおよびレポートを関連づける」を参照してください。

(4) アラーム発生時にSNMPトラップを送信する

  1. [新規アラーム > アクション]画面で,[SNMP]を選択する。

  2. SNMPトラップ送信の契機を[異常][警告][正常]から選択する。

  3. [完了]ボタンをクリックする。

    設定が完了します。

(5) アクションの実行に関する注意事項

(a) Eメール送信時の前提プログラムについて

Eメールを送信する場合は,SMTPに従うEメールサーバが必要です。ただし,認証を必要とするSMTPサーバや拡張SMTPしか受け付けないSMTPサーバを用いたEメール送信はできません。

(b) コマンド実行時の実行ファイルについて

  • Windows上で実行する場合

    コマンド実行時は,次に示す拡張子を持つファイルを実行できます。

    • EXE:実行形式ファイル

    • COM:実行形式(コマンド)ファイル

    • BAT:バッチファイル

    DELやDIRなどの内部コマンドをジョブとして実行する場合は,バッチファイルを作成し,バッチファイル中のコマンドとして実行してください。

    また,コマンド実行で指定するプログラムファイルは,システムアカウントでアクセスできるファイルだけです。ネットワークフォルダにあるファイルは実行できません。

  • UNIX上で実行する場合

    コマンド実行時は,次に示すファイルを実行できます。ただし,実行属性を付ける必要があります。

    • 実行形式ファイル

    • シェルスクリプトファイル

    コマンド実行で指定するプログラムファイルは,rootユーザー権限でアクセスできるファイルだけです。NFSマウントのディレクトリにあるファイルを実行する場合は,そのホストのrootユーザー権限でアクセスできるように権限を設定する必要があります。

(c) コマンド実行時のアカウントについて

  • Windows上で実行する場合

    コマンド実行時のアカウントは,システムアカウントです(なお,Action Handlerサービスのアカウントも,システムアカウントです)。

    そのため,プログラムから参照または更新するリソースについては,システムアカウントでアクセスできる必要があります。

  • UNIX上で実行する場合

    コマンド実行時のアカウントは,rootユーザー権限のアカウントです(なお,Action Handlerサービスのアカウントも,rootユーザー権限のアカウントです)。

    そのため,プログラムから参照または更新するリソースについては,rootユーザー権限のアカウントでアクセスできる必要があります。

(d) コマンド実行時に有効となる環境変数について

  • Windows上で実行する場合

    コマンド実行時に有効な環境変数は,Performance Managementのプログラムのサービス起動時のシステム環境変数です。

    コマンド実行時にはプロファイル情報を読み込みません。

  • UNIX上で実行する場合

    コマンド実行時に有効な環境変数は,Performance Managementのプログラムのサービス起動時の,rootユーザー権限の環境変数です。

    コマンド実行時にはプロファイル情報を読み込みません。ただし,umaskについては,この項の「6.4.5(5)(f) コマンド実行時に生成されるファイルのumaskについて」を参照してください。

(e) コマンド実行時のカレントディレクトリについて

  • Windows上で実行する場合

    コマンド実行時のカレントフォルダは,Action Handlerサービスのフォルダ(インストール先フォルダ\bin\action\)です。

    論理ホストの場合は(環境ディレクトリ\jp1pc\bin\action\)です。

  • UNIX上で実行する場合

    コマンド実行時のカレントディレクトリは,Action Handlerサービスのディレクトリ(/opt/jp1pc/bin/action/)です。

    論理ホストの場合は(環境ディレクトリ/jp1pc/bin/action/)です。

(f) コマンド実行時に生成されるファイルのumaskについて

  • Windows上で実行する場合

    Windows環境ではumaskは関係ありません。

  • UNIX上で実行する場合

    コマンド実行時のumaskは「000」に設定されます(ファイル権限は「777」です)。umaskを変更する場合は,実行するスクリプトファイルまたはプログラム中で,umaskを再設定する必要があります。

(g) コマンド実行時のそのほかの注意事項について

  • Windows上で実行する場合

    • Win16ビットアプリケーションは実行できません。

    • ウィンドウやダイアログボックスを表示するプログラムは実行できません。

      ただし,net sendコマンドを実行してダイアログボックスを表示することはできます。これは,net sendコマンドがダイアログボックスを表示するのではなく,WindowsのMessengerサービスが表示するためです。

    • Windowsメッセージ機構(DDE)を利用したプログラムは実行できません。

    • 対話操作を必要とするプログラムは実行できません。

    • 常駐プログラム(終了しないプログラム)は実行できません。

    • アプリケーションに関連づけられている拡張子を持つプログラムは実行できません。

    • ネットワークフォルダ上にあるプログラムは実行できません。

    • ディスクの準備ができていないリムーバブルディスク上のプログラムを設定しないでください。

    • Windowsサービスの起動設定で,デスクトップとの対話を許可する設定をしないでください。

    • 実行したプログラムの標準出力や標準エラー出力の内容は取得できません。

    • コマンドのパスやコマンド名に半角空白文字を含む場合は,"(ダブルクォーテーション)で囲む必要があります。

  • UNIX上で実行する場合

    • 対話操作を必要とするプログラムは実行できません。

    • 対話環境が前提であるstty,tty,tset,scriptコマンドを含むプログラムは実行できません。

    • 常駐プログラム(終了しないプログラム)は実行できません。

    • 実行属性を付けていないプログラムは実行できません。

    • ディスクの準備ができていないリムーバブルディスク上のプログラムを設定しないでください。

    • 実行したプログラムの標準出力や標準エラー出力の内容は取得できません。

(h) Action Handlerラベルについて

アラームのアクションを設定する際,PFM - Web ConsoleのWebブラウザの[新規アラーム > アクション定義]画面の[コマンド]フィールドの[アクションハンドラ]に「LOCAL」以外を選択すると,PFM - Managerに負荷が集中します。大規模システムで,アラームを契機としてアクションを実行させる場合は,PFM - Managerホストへの負荷集中を防止するために,[新規アラーム > アクション定義]画面の[コマンド]フィールドの[アクションハンドラ]に「LOCAL」を選択するようにしてください。