Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


1.2.1 ユーザーからの問い合わせやシステム障害を解決が必要な案件として一元管理

ユーザーからの問い合わせやシステム内で発生した障害事象,そこから派生するさまざまな問題を,解決が必要な案件として登録,一元管理できます。

案件の一元管理の概要を次の図に示します。

図1‒3 案件の一元管理の概要

[図データ]

案件は,WWWブラウザー,コマンドまたはメールを使って登録できます。WWWブラウザーは主にユーザーからの問い合わせを受けたとき,コマンドは主にシステム障害時にその障害を案件として自動登録するとき,メールはJP1/Service Supportにログインしないで簡単に案件を登録したいときなどに使用します。なお,システム障害を検知して自動でJP1/Service Supportに案件として登録する場合は,JP1/IM - Managerなどの運用管理製品と連携する必要があります。

登録された案件は,案件管理DBと呼ばれるデータベースで一元管理されます。案件管理DBに登録された案件は,WWWブラウザーから参照,更新できます。更新すると,古い情報は履歴として案件管理DBに蓄積され,その案件に対する作業履歴として,あとから参照できます。また,案件管理DBの容量不足で管理できなくなった過去の大量案件を,案件保存DBと呼ばれるデータベースに保存できます。案件保存DBは,二つの保存エリアから構成されます。一つの保存エリアが満杯になった場合,案件の保存先をもう一つの保存エリアに切り替えることができます。このため,案件数の増加に伴って柔軟に対応できます。なお,案件保存DBに格納された案件(保存案件)は,案件管理DBに登録された案件(管理案件)と同様に,WWWブラウザーから参照できます。案件管理DBと案件保存DBで管理する情報,および案件保存DBの構成を,次の図に示します。

図1‒4 案件管理DBと案件保存DBで管理する情報

[図データ]

図1‒5 案件保存DBの構成

[図データ]

WWWブラウザー上で案件は,システム,プロセスごとに分類された状態で表示され,フィルタリング機能によって必要な案件だけを表示できます。また,解決期限が近づいている案件を,関係者にメールで通知することもできます。これらの機能によってJP1/Service Supportを使用するユーザーは,案件の登録状況や解決状況を簡単に把握でき,案件を解決する活動に専念できます。

メモ

JP1/Service Supportでは,プロセスごとに入力項目の異なる,案件情報入力用のテンプレートを用意しています。これは,各プロセスで管理が必要な情報が異なるためです。

このマニュアルでは,これらのテンプレートのことを案件フォームと呼びます。案件フォームは,ユーザーの運用に合わせてカスタマイズできます。また,案件のステータスもカスタマイズできるので,運用に合わせて案件を処理する流れも変更できます。