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JP1 Version 12 インフラストラクチャ管理 基本ガイド 


3.3 ボトルネックを分析する

ここでは,分析対象とした障害のボトルネックが何かを分析します。

背景

ボトルネック分析の考え方を次の図に示します。

[図データ]

ボトルネックは,障害が発生している仮想マシンを基点として分析を進めます。ここで分析したボトルネックが,あとで実施する障害の影響範囲および重要度の分析と,障害の原因分析の基点となります。

操作手順

  1. [E2Eビュー]画面で業務システム構成を把握します。

  2. 障害のあった仮想マシンが分析の基点になります。関連するコンポーネントに警告またはエラー(アイコンが黄色,または赤色)があるかどうかを確認します。

    [図データ]

    サーバの[ディスク][CPU],ストレージの[ボリューム]に警告またはエラー(アイコンが黄色,または赤色)があるため,それぞれ分析します。

  3. ストレージの[ボリューム]をクリックします。

    青い線で,ユーザーリソースが関連付けて表示されます。

    警告が出ている[ディスク]は,[ボリューム]と関連付けられているので,ストレージ管理者に警告が出ている[ディスク][ボリューム]を連絡します。

    エラーが出ている[CPU]はストレージと関連付けられていないので,この[CPU]がボトルネックであるかどうかを確認するために,次の操作に進みます。

  4. この[CPU]がボトルネックであることを確認するために,[CPU]のアイコンをクリックして,表示されるメニューから[ボトルネックを検証]を選択して[ボトルネック分析]画面を開きます。

    上段のグラフに[CPU](ボトルネック候補)が,下段のグラフに[仮想マシン](障害が発生している[仮想マシン])が表示されます。

  5. [CPU][仮想マシン]のグラフを比較して,2つのグラフが同じ傾向を示していることを確認します。

    [図データ]

    グラフが同じ傾向を示していれば,ボトルネック候補をボトルネックと判断します。

    この例の場合は,[CPU][仮想マシン]のグラフが同じ傾向を示しているため,[CPU]がボトルネックであると判断できます。

    ヒント

    次に示す場合は,[E2Eビュー]画面に表示される共有率が高いリソースをボトルネックであると推定して,手順4と手順5でボトルネックと判断してください。

    • 手順2と手順3で警告またはエラー(アイコンが黄色,または赤色)が表示されなかった場合
    • 手順4と手順5でボトルネックと判断できなかった場合

    それでもボトルネックと判断できない場合には,[性能分析ビュー]画面でボトルネックの分析をしてください。

    メモ

    スイッチに発生しているエラーの分析方法を次に示します。

    • 構成変更に伴い使用しなくなったポートに対してリンクダウンを検知したことがエラーの原因であることがあります。この場合,スイッチの詳細画面にある[状態を正常に変更する]ボタンを利用して,ポートの[状態]を一度[正常]にしてください。これにより,再びポートを使用するようになるなどで,ポートの状態が再び変化するまでは[正常]の状態とみなします。
    • 特定のポートに関連しているリソースを確認するには,スイッチの詳細画面で対象のポートを選択して[関連するリソースを表示する]ボタンをクリックしてください。関連リソースの一覧が表示されます。また,表示された関連リソースを基点とした,新たな[E2Eビュー]画面を開くこともできます。

次の作業

[ボトルネック分析]画面を使って,問題の影響範囲と問題の重大度を分析します。