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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス


jcoevtreport

〈このページの構成〉

機能

統合監視DBに登録しているJP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力するコマンドです。このコマンドは,複数を同時に実行できません。

jcoevtreportコマンドは,統合監視DBを無効にしている場合またはセントラルコンソールが停止している場合でも,IMデータベースサービスが起動していれば,JP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力できます。

重要

jcoevtreportコマンドは統合監視DBのイベントを取得するため,JP1/IM - Viewからのイベント検索,対処状況変更,およびJP1/IM - Managerのイベント取得処理に影響します。このため,イベントが大量に発生している場合にjcoevtreportコマンドを実行したとき,JP1/IM - ViewやJP1/IM - Managerのほかの処理が遅延し,運用に影響を及ぼすことがあります。jcoevtreportコマンドを実行する場合は,運用に影響を及ぼさない時間帯に実行することをお勧めします。

CSVの出力形式については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド」の「4.15.2 統合監視DBのイベント情報を保管(イベントレポート出力)」を参照してください。

定義を誤った場合や,ファイルサイズの最大値を超えた場合などのエラー情報は,標準エラー出力に出力されます。

出力する機能の説明を次の表に示します。

機能

説明

イベントレポート出力

統合監視DBに登録しているJP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力する機能

保守情報出力

統合監視DBで障害が発生した場合に出力対象始点日から出力対象終点日までに登録されたJP1イベントのすべての情報をイベントレポート出力する機能

保存出力

統合監視DBからJP1イベントの情報が削除される前に,イベントレポート出力を利用して保存する機能

保存出力状態表示

統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントの割合(統合監視DBの最大件数との比率)と容量,および削除警告通知位置を表示する機能

形式

イベントレポート出力
jcoevtreport [-h 論理ホスト名]
             [-o 出力ファイル名]
              -s 出力対象始点日 -e 出力対象終点日
             [-user]
             [-f イベントレポート出力のフィルターファイル名]
             [-k イベントレポート出力の項目ファイル名]
             [-t {ON|OFF}]
             [-a {EVTATTR|DISP}]
保守情報出力
jcoevtreport [-h 論理ホスト名]
             [-o 出力ファイル名]
              -s 出力対象始点日 -e 出力対象終点日
              -sys
保存出力
jcoevtreport [-h 論理ホスト名]
             [-o 出力ファイル名]
              -save
             [-t {ON|OFF}]
             [-a {EVTATTR|DISP}]
保存出力状態表示
jcoevtreport [-h 論理ホスト名]
              -showsv

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

Consoleパス\bin\

UNIXの場合

/opt/jp1cons/bin/

引数

-h 論理ホスト名

クラスタシステムで運用している場合に,コマンドを実行するホストの論理ホスト名を指定します。指定された論理ホストで稼働している統合監視DBからJP1イベントの情報を取得し,イベントレポート出力,保守情報出力,保存出力,または保存出力状態表示をします。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。

-o 出力ファイル名

統合監視DBから取得したJP1イベントの情報をCSV形式にして出力するファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。

ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など)や絶対パス形式で指定してください。指定できるファイル名は,パスを含めて250バイト以内です。

ただし,Windowsの場合,次に示す文字列はファイル名には指定できません。

  • 「:」,「?」,「"」,「<」,「>」,「|」の文字。

  • CON,PRN,AUX,NUL,COM1,COM2,COM3,COM4,COM5,COM6,COM7,COM8,COM9,LPT1,LPT2,LPT3,LPT4,LPT5,LPT6,LPT7,LPT8,LPT9のどれかと完全一致する(小文字も含む)文字列。

指定した出力ファイル名と実際に作成されるファイル名の関係を次に示します。

統合監視DBのイベント情報がCSV形式で「出力ファイル名_通し番号.csv」が出力されます。通し番号は,000から999までの数字です。1ファイルに出力するイベントの情報は最大50,000件です。すでに同じファイル名が存在する場合は,上書きしないで,存在しない番号まで繰り上げて作成します。通し番号が999を超えた場合は,ファイルを出力しないで,終了します。オプションを省略した場合は,カレントディレクトリにjcoevtreport_通し番号.csvが出力されます。

カレントディレクトリ(「.」)やルートディレクトリ(「/」)をファイル名に指定した場合,次の対処となります。

-oの引数

Windows

UNIX

.

カレントに「._xxx.csv」が作成される。

カレントに「_xxx.csv」が作成される。

/

ルートに「_xxx.csv」が作成される。

ルートに「_xxx.csv」が作成される。

""(空文字)

カレントに「_xxx.csv」が作成される。

引数不足エラー。

-s 出力対象始点日

出力するイベントの始点日をイベントの到着時刻で指定します。

指定形式はYYYYMMDDhhmmssで指定します。

指定可能な日時の範囲は,(GMT)1970/01/01 00:00:00 〜 2038/01/19 03:14:07です。コマンド実行ホストのタイムゾーンが日本時間の場合,(GMT+9:00)1970/01/01 09:00:00 〜 2038/01/19 12:14:07となります。

-e 出力対象終点日

出力するイベントの終点日をイベントの到着時刻で指定します。

指定形式はYYYYMMDDhhmmssで指定します。

指定可能な日時の範囲は,-sオプションと同じです。

-k イベントレポート出力の項目ファイル名

イベントレポート出力の項目ファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。

ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など),または絶対パス形式で指定してください。

イベントレポート出力の項目ファイルの形式については,「イベントレポート出力の項目ファイル」(2. 定義ファイル)を参照してください。

-f イベントレポート出力のフィルターファイル名

イベントレポート出力のフィルターファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。

ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など),または絶対パス形式で指定してください。

イベントレポート出力のフィルターファイルの形式については,「イベントレポート出力のフィルターファイル」(2. 定義ファイル)を参照してください。

-t {ON|OFF}

登録時刻,到着時刻,および拡張属性の共通情報のSTART_TIMEとEND_TIMEを通算秒でなくYYYYMMDDhhmmss形式で出力します。

  • ON:登録時刻,到着時刻,および拡張属性の共通情報のSTART_TIMEとEND_TIMEを1970年1月1日からの通算秒の表記からYYYYMMDDhhmmssの西暦表示に変換したい場合に指定します。

  • OFF:西暦表示に変換しない場合に指定します。

このオプションの指定は,項目ファイルの指定より優先されます。

ONまたはOFFは,大文字・小文字を区別しません。

-a {EVTATTR|DISP}

ヘッダーの出力形式を指定します。-aオプションを省略した場合,ヘッダーは出力しません。

EVTATTRを指定すると表示形式が属性名(B.IDE.SEVERITYなど)で出力し,DISPを指定すると項目(イベントIDや重大度など)で出力します。

EVTATTRまたはDISPは,大文字・小文字を区別しません。

-aオプションにDISPを指定した場合,環境変数LANGの設定値によって出力する文字列が異なります。なお,ヘッダーの文字列表示に使用される環境変数LANGは,Windowsの場合,ヘッダー文字列の言語はOSの言語になります。UNIXの場合,コマンドを実行するプロンプトの環境変数LANGになります。

また,イベント拡張属性定義ファイル(拡張ファイル)に固有の拡張属性と任意の項目名を指定すると,基本属性や共通の拡張属性と同じように,1件の属性に1つの列を割り当てて出力できます。ヘッダーについても,属性名や指定した項目名で出力できます。CSVの出力形式については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド」の「4.15.2 統合監視DBのイベント情報を保管(イベントレポート出力)」を参照してください。

1件の固有の拡張属性に1つの列を割り当てて出力する機能は,イベントレポート出力環境定義ファイル(evtreport.conf)で有効にするかどうかを指定します。詳細については,「イベントレポート出力環境定義ファイル(evtreport.conf」(2. 定義ファイル)を参照してください。

jcoevtreportコマンドが出力するヘッダーの文字列を次の表に示します。

表1‒33 jcoevtreportコマンドが出力するヘッダー文字列

-a EVTATTRの場合

-a DISPの場合

LANGが日本語

LANGが英語

B.SEQNO

イベントDB内通し番号

Serial number

B.ID

イベントID

Event ID

B.PROCESSID

発行元プロセスID

Source process ID

B.TIME

登録時刻

Registered time

B.ARRIVEDTIME

到着時刻

Arrived time

B.REASON

登録要因

Registered reason

B.USERID

発行元ユーザーID

Source user ID

B.GROUPID

発行元グループID

Source group ID

B.USERNAME

発行元ユーザー名

Source user name

B.GROUPNAME

発行元グループ名

Source group name

B.SOURCESERVER

登録ホスト名

Source event server name

B.DESTSERVER

送信先イベントサーバ名

Destination event server name

B.SOURCEIPADDR

発行元IPアドレス

Source IP address

B.DESTIPADDR

送信先IPアドレス

Destination IP address

B.SOURCESEQNO

発行元イベントDB内通し番号

Source serial number

B.CODESET

コードセット

Code set

B.MESSAGE

メッセージ

Message

E.SEVERITY

重大度

Event level

E.USER_NAME

ユーザー名

User name

E.PRODUCT_NAME

プロダクト名

Product name

E.OBJECT_TYPE

オブジェクトタイプ

Object type

E.OBJECT_NAME

オブジェクト名

Object name

E.ROOT_OBJECT_TYPE

登録名タイプ

Root object type

E.ROOT_OBJECT_NAME

登録名

Root object name

E.OBJECT_ID

オブジェクトID

Object ID

E.OCCURRENCE

事象種別

Occurrence

E.START_TIME

開始時刻

Start time

E.END_TIME

終了時刻

End time

E.RESULT_CODE

終了コード

Result code

E.JP1_SOURCEHOST

発生元ホスト名

Event source host

E.JP1_GENERATE_SOURCE_SEQNO

関連イベントDB内通し番号

Relation Event serial number

E.JP1_GENERATE_NAME

相関イベント発行条件名

Correlation event generation condition name

E.JP1_IMSUPPRESS_ID

監視抑止ID

Suppressed event ID

E.JP1_IMSUPPRESS_NAME

繰り返しイベント条件名

Repeated event condition name

E.JP1_TRAP_NAME

監視名

Monitoring target name

E.JP1_TRAP_ID

監視ID

Monitoring ID number

E.JP1_IMCOMEXCLUDE_ID

共通除外条件群ID

Common exclude conditions group ID

E.JP1_IMCOMEXCLUDE_NAME

共通除外条件群名

Common exclude conditions group name

E.JP1_IMCOMEXCLUDE_TARGET

共通除外条件群除外対象

Common exclude conditions group target-for-exclusion

E.@JP1IM_ACTTYPE

アクション種別

Action type

E.@JP1IM_ACTCONTROL

アクション

Action

E.@JP1IM_SEVERE

重要イベント

Severe Event

E.@JP1IM_CORRELATE

相関イベント

Correlation event

E.@JP1IM_RESPONSE

応答待ちイベント

Response-waiting event

E.@JP1IM_ORIGINAL_SEVERITY

重大度(変更前)

Original Severity Level

E.@JP1IM_CHANGE_SEVERITY

重大度変更

New Severity Level

E.@JP1IM_DEALT

対処状況

Event status

E.@JP1IM_RELEASE

重要イベント解除

Severe Event Released

E.@JP1IM_DISMISSED

重要イベント削除

Severe Event Deleted

E.@JP1IM_MEMO

メモ

Memo

E.@JP1IM_DISPLAY_MESSAGE

メッセージ(変更後)

Display Message

E.@JP1IM_CHANGE_MESSAGE

表示メッセージ変更

New Message

E.@JP1IM_CHANGE_MESSAGE_NAME

表示メッセージ変更定義名

Message change definition name

E.xxxxxxx※1

項目名※2

項目名※3

Program-specific extended attributes count

固有の拡張属性数※4

Program-specific extended attributes count

Program-specific extended attributes

固有の拡張属性

Program-specific extended attribute

注※1 イベント拡張属性定義ファイル(拡張ファイル)に指定した属性名が出力されます。

注※2 日本語のイベント拡張属性定義ファイル(拡張ファイル)に指定した項目名が出力されます。

注※3 英語のイベント拡張属性定義ファイル(拡張ファイル)に指定した項目名が出力されます。

注※4 イベント拡張属性定義ファイル(拡張ファイル)に指定していない固有の拡張属性の合計数が出力されます。

-user

統合監視DBに登録しているJP1イベントをイベントレポート出力します。

-userオプションは,省略できます。

-userオプションを指定しなくても,-sys-save-showsvを指定していなければイベントレポート出力を指定していることになります。

-sys

統合監視DBに登録しているJP1イベントを保守情報出力します。

-save

統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントをすべて保存出力します。

-showsv

次の項目を表示します。

表示項目

内容

未出力イベントの割合

統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントの割合(統合監視DBの最大件数との比率)をパーセンテージで表示します。

未出力イベントのサイズ

統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントの統合監視DB内でのデータサイズを,メガバイト単位で表示します。

表示するサイズは,統合監視DB内でのデータサイズです。CSV出力には,表示された未出力イベントのサイズ×1.2の容量が必要となります。

削除警告通知設定

削除警告通知位置の設定値を表示します。

削除警告通知がOFFの場合は「-」(半角ハイフン)を表示します。

戻り値

0

正常終了

1

オプション・引数不正

2

フィルター不正

3

項目ファイル不正

4

レポート出力処理エラー

5

実行権限エラー(Windows限定)

6

同時実行エラー

7

出力ファイルの通し番号が上限値に達した

101

統合監視DBがセットアップされていない

102

IMデータベースサービスが起動していない

103

IMデータベースサービスとの接続エラーが発生した

254

メモリー不足が発生した

255

システムエラー

注意事項

Windowsの場合,Application Experienceサービスが存在する場合は,Application Experienceサービスのスタートアップの種類が無効になっていないことを確認してからコマンドを実行してください。

使用例1

2008/06/01 12:00:00 〜 2009/01/01/00:00:00の間にマネージャーに到着したイベントを対象にレポート出力する場合

jcoevtreport -s 20080601120000 -e 20090101000000 -user

使用例2

出力先を「report_xxx.csv」に指定して2009/07/08 08:45:00 〜 2009/07/14 17:15:00のJP1イベントをイベントレポート出力する場合

jcoevtreport -s 20090708084500 -e 20090714171500 -o report

使用例3

出力先を「report_xxx.csv」に指定して2009/07/08 08:45:00 〜 2009/07/14 17:15:00のJP1イベントを保守情報出力する場合

jcoevtreport -sys -s 20090708084500 -e 20090714171500 -o report

使用例4

出力先を「report_xxx.csv」に指定して保存出力する場合

jcoevtreport -save -o report

使用例5

保存出力状態を表示する場合

jcoevtreport -showsv