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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド


7.1.3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成(Windowsの場合)

クラスタシステムでJP1/IM - Managerを運用するには,クラスタソフトの制御により論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IMの構成は次のようになります。

〈この項の構成〉

(1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要

表7‒3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成

製品名

クラスタシステムでのJP1/IMの構成

JP1/IM - View

  • JP1/IM - ViewからJP1/IM - Managerに接続するときは,論理IPアドレスあてに接続します。

  • JP1/IM - View自身は物理ホスト環境で動作します。

JP1/IM - Manager

  • 論理ホスト環境で動作することができます。

  • クラスタソフトに登録することで,フェールオーバーに対応します。

  • クラスタソフトに登録するときは,前提リソースとして論理IPアドレスと共有ディスクが必要です。

  • 共有ディスクに定義情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。

  • 一つのサーバで複数の論理ホストを実行できます。このため,アクティブ・スタンバイ構成だけでなく,アクティブ・アクティブ構成のクラスタシステムでも運用できます。

  • JP1/IM - Managerは前提製品JP1/Baseと同じ論理ホストで実行します。

(2) 共有ディスク上のファイル構成

論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - Managerを実行するために必要なファイルです。

表7‒4 共有ディスク上のファイル構成(Windows)

機能

共有ファイルの種別

フォルダ名

セントラルコンソール

定義ファイル

共有フォルダ\jp1cons\conf\

ログファイル

共有フォルダ\jp1cons\log\

一時ファイル

共有フォルダ\jp1cons\tmp\

履歴ファイル

共有フォルダ\jp1cons\operation\

セントラルスコープ

定義ファイル

共有フォルダ\jp1scope\conf\

ログファイル

共有フォルダ\jp1scope\log\

一時ファイル

共有フォルダ\jp1scope\tmp\

データベース

共有フォルダ\jp1scope\database\

IM構成管理

定義ファイル

共有フォルダ\JP1IMM\conf\imcf\

ログファイル

共有フォルダ\JP1IMM\log\imcf\

一時ファイル

共有フォルダ\JP1IMM\tmp\

IM構成のデータおよびプロファイルのデータ

共有フォルダ\JP1IMM\data\imcf\

IMデータベース

データベース

共有ディスク上のユーザーが指定したフォルダ\imdb

注※ 相関イベント発行サービスの処理,共通除外条件による除外処理,および共通除外条件定義の更新処理が履歴として出力されます。

(3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス

クラスタ運用でのJP1/IM - Managerは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。

論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,次のサービスがWindowsに登録されます。このサービスをクラスタソフトに登録して実行します。

表7‒5 JP1/IM - Managerのサービス(Windows)

表示名称

サービス名

JP1/IM2-Manager_論理ホスト名

JP1_Console_論理ホスト名

JP1/IM2-Manager DB Server_論理ホスト名※1

HiRDBEmbeddedEdition_JM<n※2

JP1/IM2-Manager DB Cluster Service_論理ホスト名※1

HiRDBClusterService_JM<n※2

注※1

IMデータベースを使用する場合に登録されます。

注※2

n>は1〜9の数字です。この数字は,クラスタセットアップ情報ファイルでLOGICALHOSTNUMBERに指定した値と一致します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタセットアップ情報ファイル(jimdbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

表示名称の欄は,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で表示される名前です。また,クラスタソフトからサービスをnetコマンド(net startnet stop)で制御する場合は,この名前をnetコマンドに指定します。

サービス名の欄は,クラスタソフトに登録する場合の名前です。これをWSFC(Windows Server(R) Failover Cluster)の「サービス名」の設定項目に指定します。

(4) 通信方式

論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,JP1/IM - Managerの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。

通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。

通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - Managerは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。

(5) 共通定義情報の設定

論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。

共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。

図7‒3 共通定義情報

[図データ]

共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。

論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。

なお,共通定義情報は,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor(06-02以降)が設定情報を格納するために使用しています。