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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


7.5.3 プロファイルの収集

IM構成管理では,エージェントおよびリモートの監視対象ホストからプロファイルを収集できます。エージェントの場合は,有効設定情報,および設定ファイルのプロファイルを収集します。リモートの監視対象ホストで収集できるプロファイルは,有効設定情報に限ります。

有効設定情報,および設定ファイルは,[プロファイル表示/編集]画面で取得します。

〈この項の構成〉

(1) 有効設定情報の収集

有効設定情報は,バージョン9以降のJP1/Baseが動作するエージェントおよびリモートの監視対象ホストから収集できます。

次の操作を実行すると,有効設定情報が収集されます。

  1. [プロファイル表示/編集]画面を表示する

  2. ツリー表示領域でプロファイルを選択する

  3. [有効設定情報]ボタンをクリックする

IM構成管理による有効設定情報の収集の流れを次に示します。

図7‒32 IM構成管理による有効設定情報の収集の流れ

[図データ]

有効設定情報が取得できない場合は,次の原因が考えられます。

表7‒32 有効設定情報が取得できない場合の原因

状態

原因

対応

イベント転送情報の転送フィルター以下の有効設定情報が取得できない

イベントの転送設定ファイル(forward)で,イベントの転送先が上位ホストに設定されているが,システムの階層構成では,対象ホストに上位ホストが存在していないことが考えられます。

システムの階層構成が正しいかどうか確認してください。

ログファイルトラップ情報の有効設定情報が取得できない

ホストでログファイルトラップの再起動を行ったときに,プロセスIDが変更されて,IM構成管理が管理するプロセスIDと異なっていることが考えられます。ログファイルトラップは,再起動するたびにプロセスIDが変更されます。

[プロファイル表示/編集]画面のツリー表示領域で,JP1製品名(JP1/Base)をクリックして,[操作]メニューから[プロファイルツリー再構築]を選択して,プロファイルリストを最新状態に更新してください。

JP1ユーザー権限レベル情報,またはJP1ユーザー登録情報の有効設定情報が取得できない

自ホストが認証サーバとして稼働していないことが考えられます。

自ホストで認証サーバのサービスが起動しているかどうかを確認してください。

その他

対象となるサービスがホストで起動されていないことが考えられます。

jbs_spmd_statusコマンドを実行して,サービスが正しく起動されているかどうかを確認してください。Windowsの場合は,[コンピュータの管理]画面でも,サービスが正しく起動されているかどうかを確認できます。

(2) エージェントごとの設定ファイルの収集

ホストごとのプロファイルの設定ファイルは,バージョン9以降のJP1/Baseが動作するエージェントから収集できます。

次のどちらかの操作を実行すると,設定ファイルが収集されます。

IM構成管理によるホストごとの設定ファイルの収集の流れを次に示します。

図7‒33 IM構成管理による設定ファイルの収集の流れ(ホストごとに収集する場合)

[図データ]

収集できる設定ファイルについては,「7.5.3(4) JP1/Baseのバージョンごとに収集できる設定ファイル」を参照してください。

(3) エージェントの設定ファイルの一括収集

[IM構成管理]画面の[ホスト一覧]ページまたは[IM構成]ページで[操作]メニューの[プロファイル一括収集]を選択すると,エージェントの設定ファイルが一括収集されます。

ほかのユーザーが排他編集権を取得している設定ファイルがある場合,プロファイルは一括収集できません。なお,排他編集権の取得については,「7.5.7 設定ファイルの排他編集権の獲得と解除」を参照してください。

IM構成管理による設定ファイルの一括収集の流れを次に示します。

図7‒34 IM構成管理による設定ファイルの収集の流れ(一括収集する場合)

[図データ]

収集できる設定ファイルについては,「7.5.3(4) JP1/Baseのバージョンごとに収集できる設定ファイル」を参照してください。

一括収集を実行したあとの設定ファイルの状態は,[プロファイル表示/編集]画面で確認できます。収集に失敗した設定ファイルがある場合,ノード情報表示領域の[設定内容]が非活性表示され,[状態]に設定ファイルの状態が表示されます。

設定ファイルの一括収集を実行したあとのホストの状態は,[IM構成管理]画面の[IM構成]ページで確認できます。収集に失敗した設定ファイルがある場合,[IM構成]ページで,ツリー表示領域のホストアイコンに,エラーの状態を示すアイコンが表示されます。詳細は,[IM構成]ページのノード情報表示領域で[基本情報]ボタンをクリックすると参照できます。

一括収集を実行中に,一つのホストでプロファイルの収集に失敗しても,一括収集処理は続行されて,ほかのホストのプロファイルが収集されます。また,IM構成管理が管理するホストで,ログファイルトラップ情報のプロファイル数の上限値を超えた場合は,メッセージが表示されて,対象ホストからの収集処理は中断されます。

設定ファイルの一括収集を実行する前に,対象ホストのプロファイルリストはすべて更新されるため,プロファイルリスト更新時に稼働していないサービスやプロセスの設定ファイルは収集されません。

設定ファイルの収集が完了したら,一括収集の完了を通知するメッセージが表示されます。

(4) JP1/Baseのバージョンごとに収集できる設定ファイル

収集できる設定ファイルは,JP1/Baseのバージョンによって次のとおり異なります。

表7‒33 収集できる設定ファイル

プロファイル種別

設定ファイル

JP1/Baseのバージョン

注意事項

09-00より前

09-00〜09-01

09-10以降

イベント転送情報

イベントの転送設定ファイル(forward

イベントサーバインデックスファイル(index),イベントサーバ設定ファイル(conf)などは収集しません。

ログファイルトラップ情報

ログファイルトラップ動作定義ファイル(ファイル名は任意)※1

JP1/Baseのバージョンが09-00より前の場合,次の制限事項があります。

  • 一括収集だけできる

  • 一つのログファイルトラップの設定ファイルだけが収集の対象となる

  • デフォルトのファイル名(jevlog.conf)でデフォルトの保存先(confディレクトリ)にある動作定義ファイルが,有効な動作定義ファイルと見なされる

ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf※2

×

×

起動オプションとして表示されます。プロファイルとして表示されません。

ホストの環境がUNIXまたはLinuxの場合,起動LANGを設定しないでログファイルを収集すると,IM構成管理上で起動LANG「C」として収集されます。誤ったLANGで収集しないよう起動LANGを設定してください。

イベントログトラップ情報

イベントログトラップ動作定義ファイル(ntevent.conf

ホストの環境がWindowsの場合だけ収集します。

ローカルアクション情報

ローカルアクション実行定義ファイル(jbslcact.conf

×

(凡例)

○:収集できる

×:収集できない

−:該当しない

注※1

ログファイルトラップ動作定義ファイルを収集するには,エージェントのログファイルトラップの条件として,次に示すどちらかの条件が満たされている必要があります。

・ログファイルトラップのプロセスが稼働中である

・ログファイルトラップ起動定義ファイルが定義されている

注※2

UNIXまたはLinuxで起動LANGが設定されていないログファイルを収集した際,IM構成管理上で起動LANG「C」として収集されます。誤ったものを上書きしないよう起動LANGを設定してください。

(5) 設定ファイルの保存

エージェントから収集した設定ファイル,またはIM構成管理・ビューアーで編集したエージェントおよびリモートの監視対象ホスト設定ファイルを,IM構成管理が動作するマネージャーに保存できます。なお,リモートの監視対象ホストの設定ファイルは,動作定義ファイルだけが対象です。

次のどれかの操作を実行すると,収集内容が保存されます。

IM構成管理で保持できるホストの設定ファイルは,プロファイルごとに1個だけです。設定ファイルを保存したあと,ホストに反映していない状態でほかのユーザーが設定ファイルをホストから収集すると,上書き保存されます。

システムの階層構成内の全ホストからプロファイルを一括収集したときに収集できなかったプロファイルの設定ファイルは保存できません。

また,設定情報ファイルの保存場所および保存ファイル名は,ユーザーが指定できません。

なお,ホストを削除するとIM構成管理が動作するマネージャーに保存した設定ファイルは削除されます。また,[IM構成管理]画面の[ホスト一覧]ページで,ホスト情報を削除すると,設定ファイルは削除されます。