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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


4.5.9 大量発生イベントの転送抑止

エージェントでイベントが大量に発生した場合の対策として,該当のエージェントからのイベント転送を抑止できます。大量発生イベントの転送を抑止することで,マネージャーへの負荷を軽減できます。

大量発生イベントの転送を抑止する方法を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) イベントが大量発生しているエージェントからのイベント転送をマネージャーから抑止する

イベントが大量発生しているエージェントからのイベント転送をマネージャーから抑止できます。マネージャーからエージェントのイベント転送を抑止するには,JP1/Baseのイベント転送抑止コマンド(jevagtfwコマンド)を使用します。抑止対象のエージェントのホスト名を引数に指定して,jevagtfwコマンドをマネージャーから実行することで,指定したエージェントからのイベント転送を抑止できます。また,抑止対象のエージェントから転送されるJP1イベントを,マネージャーのイベントサーバで破棄することもできます。

この機能によって,エージェントのイベント転送をマネージャーから制御できるため,エージェントで大量にイベントが発生した場合でも,マネージャーから迅速に対処できるようになります。

図4‒71 イベント転送抑止コマンド(jevagtfwコマンド)の概要

[図データ]

なお,この機能を使用するには,マネージャーホストのJP1/Baseのバージョンが,10-50以降である必要があります。また,抑止対象となるエージェントホストのJP1/Baseのバージョンは,08-00以降である必要があります。

イベント転送抑止コマンド(jevagtfwコマンド)の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のjevagtfwコマンドによるイベント転送抑止について説明している章およびコマンドの章を参照してください。

(2) イベントを大量に発行しているログファイルトラップをマネージャーから停止する

ログファイルトラップがJP1イベントを大量に発行している場合,該当のログファイルトラップをマネージャーから停止できます。マネージャーからエージェントのログファイルトラップを個別に停止する方法としては,IM構成管理を使用する方法があります。IM構成管理を使用すると,該当ホストの[プロファイル表示/編集]画面から,抑止対象のログファイルトラップのプロセスを停止できます。

ログファイルトラップのID番号および監視名について

エージェントホストのJP1/Baseが10-50以降の場合,ログファイルトラップが発行するJP1イベントの属性情報に,ログファイルトラップのID番号および監視名(監視名は,ログファイルトラップ起動時に設定した場合だけ)が付与されます。

また,マネージャーのJP1/Baseが10-50以降の場合,リモート監視ログファイルトラップが発行するJP1イベントの属性情報に,ログファイルトラップのID番号および監視名が付与されます。

付与されたログファイルトラップのID番号および監視名は,マネージャーホストのJP1/IM - Managerが10-50以降であれば,[イベント詳細]画面のイベント属性に表示されます。これによって,JP1イベントから発行元のログファイルトラップを識別できるため,抑止対象のログファイルトラップを迅速に把握できます。

メモ

マネージャーからエージェントのログファイルトラップを個別に停止する方法には,[コマンド実行]画面からログファイルトラップのID番号または監視名を指定して,jevlogstopコマンドを実行する方法もあります。jevlogstopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のコマンドの章を参照してください。

また,リモート監視ログファイルトラップの場合は,監視対象ホスト名および監視名を指定して,jcfallogstopコマンドを実行すると,ログファイルトラップを個別に停止できます。jcfallogstopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcfallogstop」(1. コマンド)を参照してください。

(3) しきい値を設定してエージェントからのイベント転送を自動的に抑止する

大量発生イベントと判断するためのしきい値を設定しておくことで,エージェントでイベントが大量に発生した場合に,イベント転送を自動的に抑止できます。

エージェントのイベントサーバに対して,大量発生イベントのしきい値に相当するイベント転送抑止条件を設定します。イベント転送抑止条件とは,例えば,5秒間で50件以上のイベントが3回連続で発生した場合は,イベント転送を抑止するといった条件です。

このイベント転送抑止条件に,想定する大量発生イベントの条件を設定することで,エージェントからの大量発生イベントの転送を未然に防げます。

図4‒72 しきい値によるイベント転送抑止の概要

[図データ]

なお,この機能を使用するには,抑止対象となるエージェントホストのJP1/Baseのバージョンが,10-50以降である必要があります。

しきい値によるイベント転送抑止の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のしきい値によるイベント転送抑止について説明している章を参照してください。