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JP1 Version 12 JP1/Data Highway - Server 管理者ガイド


3.5.6 認証システム設定

認証システムを設定する操作について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 認証システムを作成する

認証システムを作成する手順について説明します。

  1. サイドバー領域の[認証システム設定]をクリックします。

    コンテント領域に[認証システム一覧]画面が表示されます。

  2. [認証システム作成]ボタンをクリックします。

    [新規LDAP認証システム]画面が表示されます。

    [図データ]

  3. [基本]タブの設定をします。

    サーバタイプに「LDAPv3」を指定した場合

    [図データ]

    サーバタイプに「Active Directory」を指定した場合

    [図データ]

    次の項目を指定します。

    表3‒34 [基本]タブの設定項目

    項目

    説明

    認証システム名(日本語)※1

    認証システム名として,識別可能な任意の文字列を入力します。

    ここで入力した値は,日本語と中国語の画面で表示されます。

    • 入力できる文字数は256文字以内です。

    認証システム名(英語)※1

    認証システム名として,識別可能な任意の文字列を入力します。

    ここで入力した値は,英語の画面で表示されます。

    • 256文字までの半角英数字と記号を入力できます。

    サーバタイプ

    使用するディレクトリ・サーバの種類を選択します。

    • LDAPv3(汎用):Active Directory以外のLDAPv3互換ディレクトリ・サーバ

    • Active Directory:Active Directoryサーバ

    初期値は「LDAPv3(汎用)」です。

    サーバタイプを変更すると,「認証システム名(日本語/中国語)」,「認証システム名(英語)」,「サーバタイプ」以外の項目の設定値は,リセットされて初期値に戻ります。

    変更の際には,変更を確認するダイアログが表示されます。[OK]ボタンをクリックすると,サーバタイプの変更が反映されます。

    基本DN※2

    ディレクトリ・サーバのDITで,ユーザ探索の基点とするDNを指定します。一般的にはルートとなるDNを指定しますが,探索範囲を制限したい場合は,探索する範囲の基点とするDNを指定します。

    「サーバタイプ」が「Active Directory」の場合,ディレクトリ・サーバ上のドメインを表すDNを指定することはできません。OUまたはCNを含むDNを指定してください。

    ドメイン名

    「サーバタイプ」が「Active Directory」の場合に,Active Directoryのドメイン名(ドット区切り)を指定します。

    ユーザID属性

    DIT上のユーザエントリで,ユーザIDを保持する属性を指定します。

    「サーバタイプ」に「LDAPv3(汎用)」を指定した場合,初期値は「uid」です。ご利用のシステム設計に合わせて変更してください。

    「サーバタイプ」に「Active Directory」を指定した場合,ユーザID属性は「sAMAccountName」としてください。

    ユーザ検索フィルタ

    ディレクトリ・サーバのDITで,ユーザを探索する際の条件を指定します。

    「サーバタイプ」に「LDAPv3(汎用)」を指定した場合,ユーザ検索フィルタは「(objectclass=*)」としてください。

    「サーバタイプ」に「Active Directory」を指定した場合,ユーザ検索フィルタは「(objectclass=user)」としてください。

    注※1

    • 記号(/ \ ? * : | " < > @ ^)は使用できません。

    • 空白だけ,ピリオド(.)だけは使用できません。

    注※2

    • 次に示すLDAPの特殊文字を使用する場合は,エスケープ処理が必要となります。

       ,(カンマ),+(プラス),=(イコール),"(ダブルクォーテーション),\(エンマーク),<(小なり),>(大なり),;(セミコロン),#(シャープ)(DNの先頭文字に指定する場合だけ),/(スラッシュ)

    • Active Directoryの場合は,\\を記号の前に付加してください。例えば,#の場合は\\#と記述します。ただし,\の場合は\\\\/の場合は\/と記述してください。

    • OpenLdapの場合は,\を記号の前に付加してください。例えば,#の場合は\#\の場合は\\と記述します。

    • 「ユーザID属性」および「ユーザ検索フィルタ」から構成される検索フィルタ式によって,ユーザが特定されます。初期設定の場合,次に示すフィルタ式でディレクトリ・サーバを探索します。

      ・「サーバタイプ」が「LDAPv3」の場合:(&(uid=%s)(objectclass=*))

      ・「サーバタイプ」が「Active Directory」の場合:(&(sAMAccountName=%s)(objectclass=user))

    重要

    「%s」は,本システムのログイン時に指定されたユーザIDの「@」よりも左側の部分です。このフィルタ式によってユーザエントリが複数特定される場合で,認証資格情報(パスワードなど)が同一のときは,ログインを許可しません。「ユーザID属性」には,一意にユーザエントリを特定することが可能な属性を指定してください。

  4. [ディレクトリサーバ/認証方式]タブの設定をします。

    [図データ]

    表3‒35 [ディレクトリサーバ/認証方式]タブの設定項目

    分類

    項目

    説明

    ディレクトリサーバ設定

    プロトコル

    次のどちらかを選択します。

    • ldap:ディレクトリ・サーバとの通信に通常のLDAPを使用する場合に選択します。なお,通信情報は暗号化されないため,LAN環境以外での利用は推奨しません。

    • ldaps:ディレクトリ・サーバとの通信をSSLによって暗号化する場合に選択します。ディレクトリ・サーバによるLDAPSのサポートが必要となります。

    初期値は「ldap」です。

    ホスト名

    ディレクトリ・サーバのホスト名を指定します。

    ポート番号

    ディレクトリ・サーバとの通信に使用するポート番号を指定します。入力を省略した場合は,デフォルトポート番号が設定されます。デフォルトポート番号を次に示します。

    • プロトコルに「ldap」を指定した場合:389

    • プロトコルに「ldaps」を指定した場合:636

    [追加]ボタン

    設定した内容でディレクトリ・サーバのURLが組み立てられ,ディレクトリ・サーバ一覧に追加されます。ただし,すでにディレクトリ・サーバが登録されている場合は,追加されません。登録できるディレクトリ・サーバは1つだけです。

    認証設定

    検索DN/ユーザID

    ディレクトリ・サーバのDITを探索する際に使用するユーザのDN,またはユーザIDを指定します。

    探索に使用するユーザは,DITを探索できる権限を持っている必要があります。[基本]タブの「サーバタイプ」に「LDAPv3(汎用)」を選択した場合は探索に使用するユーザのDNを,「Active Directory」を選択した場合は「ユーザID(sAMAccountName)」を指定します。Active Directoryの場合は一般に「Administrator」を指定します。

    なお,ディレクトリ・サーバのDITを探索するユーザに適切な権限がない場合,ディレクトリ・サーバを使用した認証が正しく稼働せず,予期しない動作を引き起こすことがあります。

    パスワード

    [検索DN/ユーザID]に指定したユーザのパスワードを指定します。

    確認入力

    指定したパスワードを確認のために入力します。

  5. [接続確認]ボタンをクリックして,設定したディレクトリ・サーバに接続できることを確認します。

  6. [作成]ボタンをクリックします。認証システムが作成されて,[認証システム一覧]画面に表示されます。

(2) 認証システムを編集する

認証システムを編集する手順について説明します。

  1. サイドバー領域の[認証システム設定]をクリックします。

    コンテント領域に[認証システム一覧]画面が表示されます。

  2. 編集する認証システムのメニューアイコン([図データ])をクリックして,[編集]を選択します。

    [LDAP認証システム編集]画面が表示されます。

  3. 設定を変更します。項目の内容については「3.5.6 (1) 認証システムを作成する」を参照してください。

  4. [接続確認]ボタンをクリックして,変更した設定でディレクトリ・サーバに接続できることを確認します。

  5. [更新]ボタンをクリックします。

    認証システムの設定が更新され,登録完了を確認するダイアログが表示されます。

    [図データ]

  6. [OK]ボタンをクリックします。

    [認証システム一覧]画面が表示されます。

(3) 認証システムを削除する

認証システムを削除する手順を次に示します。

  1. サイドバー領域の[認証システム設定]をクリックします。

    コンテント領域に[認証システム一覧]画面が表示されます

  2. 削除する認証システムのメニューアイコン([図データ])をクリックして,[削除]を選択します。

    削除を確認するダイアログが表示されます。

  3. [OK]ボタンをクリックします。

    認証システムが削除され,[認証システム一覧]画面が表示されます。

    重要

    認証ポリシーで使用されている認証システムは,削除はできません。