ftstran−伝送の実行−
形式
ftstran 伝送カード名[/L ファイル名][/N ファイル名][/E ファイル名][/M [B|T]][/H ホスト名][伝送オプション オプション引数]
機能
指定した伝送カード名でファイル伝送を実行します(選択実行)。または,指定した伝送カードの内容を変更して,伝送を実行します(オンデマンド実行)。
このコマンドは,一般ユーザ権限で実行可能です。
引数
伝送カード名((1〜20バイトの文字列))
[伝送情報の登録/実行]で登録した伝送カード名を指定します。
/L ファイル名((1〜259バイトの文字列))かつ((1〜255文字の文字列))
ftstranコマンド終了時,指定のファイルに次の情報をログ出力します。
コマンドの終了時刻,戻り値,メッセージ,伝送カード名,ローカルファイル名,リモートファイル名
コマンドを実行したユーザに書き込み権限があるファイル名を指定してください。このオプションを省略した場合,ログは出力されません。
ファイル名に相対パスを指定した場合は,コマンドを実行したディレクトリからの相対パスとなります。
ファイルのサイズが1MBを超えたら,「ファイル名」を「ファイル名_old」にリネームします。すでに「ファイル名_old」がある場合は,「ファイル名_old」を削除してからリネームします。
ファイルに格納できるログ件数は,
1MB/(伝送カード名長+ローカルファイル名長+リモートファイル名長+122)+1
となります。
/N ファイル名((1〜259バイトの文字列))
伝送正常終了時に結果を出力するファイル名を指定します。コマンドを実行したユーザに書き込み権限があるファイル名を指定してください。このオプションを省略した場合,伝送正常終了時に伝送結果は出力されません。
ファイル名に相対パスを指定した場合は,コマンドを実行したディレクトリからの相対となります。
同名のファイルが存在する場合は,上書きされます。
/E ファイル名((1〜259バイトの文字列))
伝送異常終了時に結果を出力するファイル名を指定します。コマンドを実行したユーザに書き込み権限があるファイル名を指定してください。このオプションを省略した場合,伝送異常終了時に伝送結果は出力されません。
ファイル名に相対パスを指定した場合は,コマンドを実行したディレクトリからの相対となります。
同名のファイルが存在する場合は,上書きされます。
/M [B|T]
出力形式を指定します。
-
B:BINARY形式(FTS_FTP_API_DATA_EX構造体,FTS_FTP_API_RETDATA_EX構造体の連続したデータ)
-
T:テキスト形式
/H ホスト名((1〜256バイトの文字列))
FTPクライアントの発信元IPアドレスに設定するホスト名(物理ホストまたは論理ホスト)またはIPアドレスを指定します。IPアドレスの場合,IPv4またはIPv6アドレスを指定できます。
FTPクライアントでの自IPアドレスの指定を有効にした場合,このオプションでの指定がFTPクライアントの自IPアドレスになります。オプションを指定しなかった場合,FTPクライアントの物理ホストが仮定されます。
FTPクライアントでの自IPアドレスの指定を無効にした場合,FTPクライアントの自IPアドレスは,OSが自動的に割り当てるアドレスになります。
FTPクライアントでの自IPアドレスの指定を有効にする定義については,「3.11 複数IPアドレス環境での使用」を参照してください。
伝送情報オプション オプション引数
指定した伝送カードの伝送情報を一部変更して伝送したい場合に,オプションを指定して伝送します(オンデマンド実行)。伝送情報オプションについては,「6. コマンド」の「ftsregc−伝送情報の登録・変更・削除・表示−」を参照してください。また,伝送情報オプションのオプション引数については,「3.4.1 伝送情報を伝送カードに登録する」を参照してください。
補足事項
伝送情報オプションの単/複伝送の指定は,送受信種別が受信のときに指定します。送信のときはAUTOを指定してください。
戻り値(10進数)
0 |
正常終了 |
10XXXXX |
伝送終了情報格納ファイルオープン時の異常による警告付き正常終了 XXXXXには,CreateFile関数の拡張エラー情報が入ります。 |
11XXXXX |
伝送終了情報格納ファイル出力時の異常による警告付き正常終了 XXXXXには,WriteFile関数の拡張エラー情報が入ります。 |
12XXXXX |
JP1/FTPとのコネクション解放時の異常による警告付き正常終了 XXXXXには,fts_ftp_close関数の拡張エラー情報の下1バイトが入ります。 |
1300000 |
カード情報未取得による異常終了 |
50XXXXX |
fts_ftp_open_ex( )の異常による異常終了 XXXXXには,fts_ftp_open_ex関数の拡張エラー情報の下1バイトが入ります。 |
51XXXXX |
fts_ftp_syn_request_ex( )の異常による異常終了 XXXXXには,fts_ftp_syn_request_ex関数の拡張エラー情報の下1バイトが入ります。 |
52XXXXX |
WSAStartup( )の異常による異常終了 XXXXXには,WSAStartup関数の拡張エラー情報が入ります。 |
9000000 |
伝送の異常終了 |
9000001 |
引数指定誤りによる異常終了 |
9900000 |
異常終了(論理エラー) |
表示されるメッセージについては,「8.3.1 ftstranコマンド実行時のメッセージ」を参照してください。
使用例
-
選択実行の例
-
オンデマンド実行の例
card1の伝送情報のうち,次の情報を変更して伝送する。
-
/TC:カード名を「card2」
-
/TH:接続先ホスト名を「host1」
-
/TT:送受信種別を「SEND(送信)」
-
/TY:伝送モードを「BINARY」
-
/TL:ローカルファイル名を「c:\temp\file1」
-
/TR:リモートファイル名を「c:\temp\file2」
-