Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド


付録B.2 アイテム実行時の環境変数の使用方法

CPAでは,ジョブ内のアイテム実行時に,ジョブの情報を環境変数で参照することができます。ここでは,アイテム実行時の環境変数の使用方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) アイテム実行時の環境変数

CPAのジョブ内で実行する[コマンド実行]や[コマンド実行(画面表示)]などのアイテムから実行するコマンドでは,次の表に示す環境変数を使用できます。

表B‒1 アイテム実行時の環境変数

項番

環境変数名

設定される値

1

CPAJDS

ジョブ名

ジョブ登録時の「ジョブ名」に指定した値。

2

CPAJCS

ジョブ実行ID

実行予定を生成した際にCPAが割り振る,36文字の半角英数字(16進数値)の文字列。他のジョブのジョブ実行IDや,過去の実行結果のジョブ実行IDとも重複しないIDです。

(例)e66bf2f5-b920-4faf-b1f0-a56418af4682

環境変数(CPAJDS,CPAJCS)は,CPAから実行するコマンド内で参照できます。例えば,実行するコマンドがバッチファイルの場合は,バッチファイル内で環境変数を指定します。

また,実行するコマンドに指定するパラメーターに定義して使用することができます。環境変数(CPAJDS,CPAJCS)を定義できる設定項目を次の表に示します。

表B‒2 環境変数(CPAJDS,CPAJCS)を定義できる設定項目

項番

種別

アイテム名

定義できる設定項目

1

アクション

コマンド実行

パラメーター

2

コマンド実行(リスト実行)

パラメーター

3

コマンド実行(リカバリー実行)

  • パラメーター

  • リカバリー実行コマンドのパラメーター

4

コマンド実行(画面表示)

パラメーター

5

メール送信

6

Windowsログオン

7

イベントモニター

ファイル監視

8

メール受信監視

9

任意のイベント監視

パラメーター

10

Windowsイベント監視

11

実行条件

ファイルイベント監視

12

メール受信イベント監視

13

任意のイベント監視

パラメーター

14

JP1AJS3からの連携監視

15

Windowsイベント監視

(凡例)

−:定義できる設定項目はありません。

(2) 使用例

アクションフロー内のアクションが出力した結果を一時ファイルに出力し,後続のアクションで一時ファイルの内容を参照します。

この時,アクションフロー内で使用する一時ファイルが,同じアクションフローを使用する複数のジョブ間で競合しないように,環境変数(CPAJDS,CPAJCS)を利用して,ジョブごとにユニークなファイル名になるようにします。

コマンド実行(画面表示)
実行コマンド
cmd
パラメーター
/c sample1.bat >c:\temp\%CPAJDS%_%CPAJCS%.txt
sample1.batの内容
@echo off
echo %DATE% %TIME%
echo CPAJDS:%CPAJDS%
echo CPAJCS:%CPAJCS%
cpasleep 10
コマンド実行
実行コマンド
cmd
パラメーター
/c sample2.bat c:\temp\%CPAJDS%_%CPAJCS%.txt
sample2.batの内容
@echo off
echo %DATE% %TIME%
echo FILE:%1
echo ----------
type %1
echo ----------

このアクションフローを,ジョブ名をsampleAとして実行した実行例は,次のようになります。

  1. 最初のアクション「コマンド実行(画面表示)」で,次のファイルが作成されます。

    実行したジョブ

    ジョブ名:sampleA

    ジョブ実行ID:cabc71f3-d402-4869-a651-1084fe7b7ae5

    作成されるファイル名

    c:\temp\sampleA_cabc71f3-d402-4869-a651-1084fe7b7ae5.txt

    解説

    変数%CPAJDS%の部分がジョブ名のsampleAになり,変数%CPAJCS%の部分がジョブ実行IDのcabc71f3-d402-4869-a651-1084fe7b7ae5に置き換わります。

  2. 次のアクション「コマンド実行」の出力結果は,最初のアクションで作成されたファイルの内容が表示されます。なお,出力結果は,CPAのジョブ登録画面の[状態確認]ダイアログボックス−[実行結果確認]ダイアログボックスで確認できます。

    <出力結果>

    2020/09/25 15:19:46.03
    FILE:c:\temp\sampleA_cabc71f3-d402-4869-a651-1084fe7b7ae5.txt
    ----------
    2020/09/25 15:19:35.59
    CPAJDS:sampleA
    CPAJCS:cabc71f3-d402-4869-a651-1084fe7b7ae5
    ----------