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JP1 Version 12 JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド


8.4.1 ファイルイベント監視(実行条件アイテム)

〈この項の構成〉

(1) 機能概要

ファイルの状態の変更を契機にジョブを実行します。

(2) 指定項目一覧

名称

必須

形式

引き継ぎ情報指定可否

監視対象ファイル名

文字列(1〜255バイト)

監視条件

コンボボックス(作成,削除,最終書き込み時刻変更,サイズ変更)

仮想ユーザー名

×

文字列(0〜512バイト)

(凡例)

○:必須

×:省略可

(3) 指定内容

監視対象ファイル名

監視対象とするファイル名を指定します。

監視条件

監視の条件を指定します。監視対象のファイルの状態が,この項目で指定した状態に遷移したら監視は成立します。

仮想ユーザー名

アイテムを実行するWindowsユーザー名にマッピングされた仮想ユーザー名を指定します。仮想ユーザー名を指定しなかった場合,アイテムはCPAのジョブ実行サービスのアカウントで実行されます。

仮想ユーザー名のマッピングは,cpasetumapコマンドで行います。cpasetumapコマンドについては,「9. コマンド」の「cpasetumap」を参照してください。

(4) 使用例1

特定のファイルが作成された場合にジョブを実行する

監視対象ファイル名

c:\temp\a.txt

監視条件

作成

(5) 使用例2

複数ファイルのうち,どちらかの最終書き込み時刻に変更された場合にジョブを実行する

監視対象ファイル名

c:\temp\*.txt

監視条件

最終書き込み時刻変更

(6) 監視成立条件について

ファイル監視は60秒間隔ごとに監視対象ファイルの状態を取得し,比較を行います。監視条件に該当する変更があった場合,監視対象ファイルの更新が完了していることを確認するため,10秒後に再度比較を行い,10秒後に監視対象ファイルに変化がなかった場合にイベント検知とします。そのため,監視対象ファイルが変更されてからイベントを検知するまでに最大70秒掛かることがあります。なお,削除の場合は10秒おいて,再度比較は行いませんので,最大60秒掛かります。

また,監視対象ファイルが無い状態で,監視条件に[最終書き込み時刻変更][サイズ変更]を指定して監視を開始すると,監視対象ファイルが作成された場合でも,監視成立条件を満たしたものとしてイベント検知します。

(7) 監視間隔について

ファイル監視は60秒間隔ごとにファイルの状態を確認するため,60秒以内に複数回監視対象ファイルが変更された場合,最後の状態だけを取得します。例えば,監視条件に[作成]を指定し,60秒間隔以内に監視対象ファイルを[作成]し,すぐに[削除]するとファイル監視は,ファイルが見つからないためイベント検知しません。

(8) 監視対象ファイルについて

ファイル監視は,CPAのジョブ実行サービスのログオンアカウントで行います。そのため,初期値のローカルシステムアカウントでは,監視対象ファイルは,ローカルのファイルだけ監視できます(ネットワーク上のファイルは監視できません)。

(9) 監視対象ファイルにワイルドカードを指定した場合

監視対象ファイルにワイルドカードを指定して監視を行った場合,条件に合致するファイルが複数あったとしてもイベントとして検知するのは1回だけです。

なお,条件に合致するファイル数が10個を超えた場合,11個目以降のファイルはイベント検知対象外となり,引き継ぎ情報としてファイル情報を取得できません。引き継ぎ情報の詳細は「5.5.2 引き継ぎ情報」を参照してください。また,ワイルドカードを指定して監視を行う場合,ショートファイル名も監視対象ファイルに含みます。

(10) 再起動後の監視について

ファイル監視が監視中にジョブ実行サービスを再起動した場合,ファイル監視はサービス停止前のファイルの状態を引き継いで監視を行います。

(11) 監視開始にファイルがある場合について

監視条件に[作成]を指定し,ファイル監視ジョブを実行した際,監視対象ファイルがすでにある場合も,イベント検知します。ジョブ実行サービス再起動後は,ジョブ実行サービス停止前の状態を引き継ぐためイベントを検知しません。