Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド


5.5.2 引き継ぎ情報

イベントモニターがイベントを検知すると,検知したときの情報を保持します。この情報のことを引き継ぎ情報と呼びます。引き継ぎ情報は,「表 5-7 イベントモニターの引き継ぎ情報一覧」のメソッドを使用して参照できます。

メソッドで用いるユニット名は,[イベントで実行するジョブ]の実行条件の結果を参照する場合は,表中の「実行条件におけるユニット名」を設定します。アクションフロー中のユニットの結果を参照する場合は,ユーザーが設定した任意のユニット名を設定します。

指定例
  • 実行条件のファイル監視が検知した「ファイル名が記述されたファイル名」を参照する場合

${JDS:@Event.Monitor file.GetFlInfoList()}
  • アクションフロー中のメール受信監視が検知した「メールの差出人」を参照する場合

${JDS:ユニット名.GetMailFrom()}
表5‒7 イベントモニターの引き継ぎ情報一覧

項番

イベントモニター

実行条件におけるユニット名

メソッド

説明

1

ファイル監視

Monitor file

ユニット名.GetFlInfoList()

ファイル監視がイベントを検知した監視対象ファイルの完全名,サイズ,更新時刻が記述されたファイル※1名を取得する。

2

任意のイベント監視

Monitor any event

ユニット名.GetStdOutFile()

監視条件に一致したときに標準出力に出力されたメッセージが格納されているファイル名を返す。

3

ユニット名.GetStdErrFile()

監視条件に一致したときに標準エラー出力に出力されたメッセージが格納されているファイル名を返す。

4

ユニット名.GetStdOut()

監視条件に一致したときに標準出力に出力されたメッセージを返す。※2

5

ユニット名.GetStdErr()

監視条件に一致したときに標準エラー出力に出力されたメッセージを返す。※2

6

ユニット名.GetExitCode()

監視条件に一致したときにコマンドの終了コードを返す。

7

メール受信監視

Monitor mail

ユニット名.GetMailBodyFilePath()

メール本文を保存しているファイルのパスを取得する。

8

ユニット名.GetMailSubject()

メールの件名を取得する。

9

ユニット名.GetMailFrom()

メールの差出人を取得する。

10

ユニット名.GetMailReplyTo()

返信メールアドレスを取得する。

11

ユニット名.GetMailTo()

メールのToフィールドに指定されたアドレスを取得する。

12

ユニット名.GetMailCc()

メールのCcフィールドに指定されたアドレスを取得する。

13

ユニット名.GetMailAttachFileList()

添付ファイルのパスの一覧が記述されたファイル※3名を取得する。

14

Windowsイベント監視

Monitor Windows event

ユニット名.GetStdOut()

Windowsイベントを検知したWindowsユーザー名を取得する。

注※1

「監視対象ファイルの完全名,サイズ,更新時刻が記述されたファイル」はCSV形式のファイルです。

このファイルには,次の形式で情報が出力されます。

"条件","検知したファイルの完全名","ファイルのサイズ(バイト)","ファイルの更新時刻(yyyy/mm/dd hh:mm:ss)"

「条件」には,検知したイベントに応じて次に示す種別が出力されます。

  • c:作成された

  • d:削除された

  • m:ファイルの更新時刻が更新された

  • s:ファイルのサイズが更新された

注※2

GetStdOut,GstStdErrの出力は改行文字(\n,CR+LFまたはLF)も含みます。そのため,アクションのパラメーターにGetStdOut,GetStdErrメソッドを指定するとコマンドラインが改行で打ち切られます。改行を含まずに出力するには,Windowsでは,cpaechoコマンドを使用することを推奨します。cpaechoコマンドの詳細については,「9. コマンド」の「cpaecho」を参照してください。正しく出力を引き継ぎできない場合は,コマンドの出力に改行が含まれていないか確認してください。

注※3

添付ファイルのフルパスが,添付ファイルの数分,改行されて出力されます。