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JP1 Version 12 ジョブ管理 基本ガイド(クライアント業務自動化編)


2.4 アクションフローを作成する

アクションフローを使ったジョブを作成します。ここでは,標準提供のアクションアイテムを組み合わせて,実行ファイルの作成,ファイルの有無を確認して,ファイルがある場合は「Success!」を表示し,ファイルがない場合は「Failure!」を表示するアクションフローを作成してみましょう。

アクションフローを使ったジョブの流れを,次の図に示します。

図2‒2 ジョブの流れ

[図データ]

まず1つ目のアクションで,echoコマンド(cmd.exe /c echo "hello" >c:\temp\hello.txt)で,hello.txtファイルを作成します。

2つ目のアクションで,ifコマンド(cmd.exe /c if not exist c:\temp\hello.txt exit 1)でファイルが存在しなかった場合に,戻り値1で終了するようにします。続けて,ファイルが存在しなかった場合には,msgコマンド(msg.exe console /w Failure!)でメッセージダイアログボックスを表示して,戻り値1で終了します。

3つ目のアクションでは,msgコマンド(msg.exe console /w Success!)でメッセージダイアログボックスを表示します。

操作手順

  1. ジョブ登録画面を起動して,[アクションフロー]タブを選択する。

    [図データ]

  2. [図データ]新規作成]ボタンをクリックする。

    [アクションフロー]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. アイテム名および説明を入力する。

    <入力例>

    アイテム名:Hello確認

    説明:hello.txtファイルがあるか確認します

    [図データ]

  4. 1つ目のアクションでファイルを作成する。

    [アクション]タブで「コマンド実行」のアイテムを選択し,「フローマップ」へドラッグ&ドロップします。フローマップに配置すると,[ユニット]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  5. アクションのユニット名,実行するコマンド,パラメーター,および仮想ユーザー名を入力して[OK]ボタンをクリックする。

    なお,ユニット名は,アクションフロー内でユニークとします。

    <入力例>

    ユニット名:ファイル作成

    実行コマンド:cmd.exe

    パラメーター:/c echo hello!! >c:\temp\hello.txt

    仮想ユーザー名:仮想ユーザー名

    注※

    特定のWindowsユーザーでコマンドを実行したい場合は,Windowsユーザー名にひも付いた仮想ユーザー名を指定してください。指定しなかった場合は,CPAのジョブ実行サービスのアカウントで実行されます。仮想ユーザー名については,マニュアル「JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド」を参照してください。

    [図データ]

  6. 2つ目のアクションでファイルを確認する。

    ここでは,コマンドが失敗した場合にリカバリー実行コマンドが実行できるアイテムを使用します。

    手順4.と同様に,「コマンド実行(リカバリー実行)」のアイテムを「フローマップ」に配置すると,新たに[ユニット]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  7. アクションのユニット名,実行するコマンド,パラメーター,および仮想ユーザー名を入力して[OK]ボタンをクリックする。

    <入力例>

    ユニット名:ファイル確認

    実行コマンド:cmd.exe

    パラメーター:/c if not exist c:\temp\hello.txt exit 1

    リカバリー実行コマンド:cmd.exe

    リカバリー実行コマンドのパラメーター:/c msg.exe console /w Failure! & exit 1※1

    仮想ユーザー名:仮想ユーザー名※2

    注※1

    64ビット版のOSで実行する場合は,リカバリー実行コマンドのパラメーターを次のように指定してください。

    Windowsシステムのインストール先が,C:\Windowsの場合

    /c c:\Windows\sysnative\msg.exe console /w Failure! & exit 1

    注※2

    特定のWindowsユーザーでコマンドを実行したい場合は,Windowsユーザー名にひも付いた仮想ユーザー名を指定してください。指定しなかった場合は,CPAのジョブ実行サービスのアカウントで実行されます。仮想ユーザー名については,マニュアル「JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド」を参照してください。

    [図データ]

  8. 3つ目のアクションでファイルを完成する。

    手順6.と同様に,「コマンド実行」のアイテムを「フローマップ」に配置すると,新たに[ユニット]ダイアログボックスが表示されるので,アクションのユニット名,実行するコマンド,パラメーター,および仮想ユーザー名を入力して[OK]ボタンをクリックします。

    <入力例>

    ユニット名:ファイル完成

    実行コマンド:msg.exe※1

    パラメーター:console /w Success!

    仮想ユーザー名:仮想ユーザー名※2

    注※1

    64ビット版のOSで実行する場合は,実行コマンドを次のように指定してください。

    Windowsシステムのインストール先が,C:\Windowsの場合

    C:\Windows\sysnative\msg.exe

    注※2

    特定のWindowsユーザーでコマンドを実行したい場合は,Windowsユーザー名にひも付いた仮想ユーザー名を指定してください。指定しなかった場合は,CPAのジョブ実行サービスのアカウントで実行されます。仮想ユーザー名については,マニュアル「JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド」を参照してください。

    [図データ]

  9. アクションの実行順序を定めるため,ユニットとユニットの間に関連線を引く。

    1つ目のユニット「ファイル作成」を一度クリックしたあと,2つ目のユニット「ファイル確認」をクリックします。

    [図データ]

  10. 2つ目のユニット「ファイル確認」と3つ目のユニット「ファイル完成」に関連線を引く。

    手順9.と同様に関連線を引いて,[登録]ボタンをクリックすると,登録完了のメッセージが出力されます。

    [図データ]

  11. メッセージダイアログボックスの内容を確認して,[OK]ボタンをクリックする。

    これで,アクションフローの作成は完了です。続けて,ジョブを登録しましょう。

    ジョブの登録については,「2.2 ジョブを作成する」を参照してください。

    [図データ]

  12. ジョブ登録画面に戻り,[日時で実行するジョブ]ダイアログボックスを表示する。

    アイテム選択の「アクション」の中に,作成した「Hello確認」のアイテムが追加されていることを確認できます。

    [図データ]

  13. ジョブ名および説明を入力する。

    <入力例>

    ジョブ名:TEST02

    説明:Hello確認

    [図データ]

  14. アイテムを選択し,[適用]ボタンをクリックして,実行アクションに指定する。

  15. [登録]ボタンをクリックする。

    登録完了のメッセージが出力されます。

  16. [OK]ボタンをクリックする。

    これで,ジョブの登録は完了です。

〈この節の構成〉