Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Power Monitor


付録C.4 JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の操作

JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の操作について説明します。

JP1/Cm2の詳細については,マニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」を参照してください。HP OpenViewの詳細については,製品のマニュアルを参照してください。

〈この項の構成〉

(1) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapの表示

JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのovwコマンドを実行し,IP Mapを表示します。ovwコマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」を参照してください。

(2) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップの表示

JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapで,状態を表示したいホストのシンボルをダブルクリックすると,ノードサブマップが表示されます。ノードサブマップに表示されるシンボルについて次の図に示します。

図C‒2 ノードサブマップに表示されるシンボルの形式

[図データ]

シンボルは,JP1/Power Monitorの状態を表します。JP1/Power Monitorの状態は,jaomovsdコマンドによって通知されます。ステータスは,JP1/Power Monitorの状態が変わるたびに更新されます。ステータスとJP1/Power Monitorの状態の関係を次の表に示します。

表C‒1 ステータスとJP1/Power Monitorの状態の関係

ステータス

JP1/Power Monitorの状態

Normal(正常域)

正常に動作中

Critical(危険域)

JP1/Power Monitorの停止

Unknown(認識不能)

状態不明

(3) JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニュー

JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニューは,IP Mapまたはノードサブマップのメニューから[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択すると表示されます。JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の管理メニューと機能を次の表に示します。次の表では,[管理]より下のメニューを示します。

このメニューは,マネージャーでjaomovsupコマンドによって環境設定をした場合にだけ表示されます。

表C‒2 JP1/Cm2またはHP OpenView連携の管理メニューと機能

メニュー

メニューコマンド

機能

JP1/AOMの管理

状態表示

マップで選択したホストの運転情報を表示する。

スケジュール

マップで選択したホストの運転スケジュール情報を表示する。

シンボルの作成

指定ホストに

シンボルが自動作成されないオブジェクトにシンボルを作成する。

すべてのホストに

SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのマップ上に,"JP1AOM"シンボルを新規作成する。

シンボルの初期化

認識不能

ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを認識不能の状態にする。

正常

ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを正常の状態にする。

(4) シンボルの作成(指定ホストの場合)

通常,シンボルは,JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行時に自動的に作成されます。ただし,JP1/Cm2またはHP OpenViewのエージェント上のJP1/Power MonitorがJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能をサポートしていない場合や,エージェントからSNMPトラップが送信されない場合は,"JP1AOM"シンボルは,自動作成されません。このような場合に,指定したホストにシンボルを作成する手順を次に示します。

  1. IP Mapで,シンボルを作成するホストのオブジェクトを選択する。

  2. メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。

  3. オプションメニューの[シンボルの作成]−[指定ホストに]を選択する。

    選択したホストのノードサブマップを開くと,シンボルが作成されています。

(5) シンボルの作成(すべてのホストの場合)

JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行後に追加されたホストがあった場合などに,SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上に,"JP1AOM"シンボルを作成します。作成する手順を次に示します。

  1. メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。

  2. オプションメニューの[シンボルの作成]−[すべてのホストに]を選択する。

    SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上にシンボルが作成されます。

(6) シンボルの初期化

JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップ上のシンボルの色を初期化します。初期化する手順を次に示します。

  1. 初期化したいシンボルを選択する。

  2. メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。

  3. オプションメニューの[シンボルの初期設定]から,[認識不能]または[正常]を選択する。

    [認識不能]を選択すると,ステータスが認識不能になります。

    [正常]を選択すると,ステータスが正常になります。

(7) ステータス・イベントブラウザーを使った監視

ステータス・イベントブラウザーに表示されるメッセージの見方について説明します。JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMが,JP1/Power Monitorからイベントを受け取ると,ステータス・イベントブラウザーにメッセージが表示されます。ステータス・イベントブラウザーの重要度欄には,受け取ったイベントの重要度が表示されます。イベントが正常の場合,重要度欄には正常域と表示されます。イベントが正常以外の場合,重要度欄には注意域と表示されます。

受け取ったイベントの詳細は,JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMの[イベント設定/イベントの変更]ダイアログボックスで確認できます。イベントの設定内容は,変更しないでください。

JP1/Power Monitorがステータス・イベントブラウザーに表示するメッセージは次のとおりです。

[図データ]

(8) オブジェクトの定義

JP1/Power MonitorのJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能で使用されるオブジェクトの形式を示します。

(a) 選択名

JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合に使用されるオブジェクトの選択名は,次の形式になります。

ホスト名:ラベル名
  • ホスト名

    エージェントのホスト名

  • ラベル名

    AOM

(b) 追加フィールド

JP1/Power Monitorの追加フィールドを次の表に示します。

表C‒4 JP1/Power Monitorの追加フィールド

フィールド名

タイプ

フラグ

内容

isJP1AOM

boolean

capability

JP1/Power Monitorの管理オブジェクトを表す。

0

JP1/Power Monitorの管理オブジェクトでない

1

JP1/Power Monitorの管理オブジェクトである

jp1aomStatus

Enumeration

capability

JP1/Power Monitorが作成したシンボルに対応する動作状態を表す。

  • Normal:正常動作中

  • Minor:一部機能停止

  • Critical:停止中

  • Unknown:認識不能

jp1aomSymboltype

Enumeration

capability

JP1/Power Monitorが作成するシンボルのタイプを表す。

"software:Process"

(9) SNMPトラップ

JP1/Cm2またはHP OpenViewに通知するSNMPトラップを次の表に示します。

表C‒5 SNMPトラップ

企業ID

.1.3.6.1.4.1.116.7.17.6

標準トラップ番号

6

拡張トラップ番号

1,2

1

重要度が正常域のトラップ

2

重要度が注意域のトラップ

オブジェクトID

企業ID.1.1.0

企業ID.1.2.0

企業ID.1.3.0

企業ID.1.4.0

値のシンタックス

OctetString

OctetString

OctetString

OctetString

シンボルのラベル名

シンボル・タイプ

シンボルのステータス(次のステータスのどれかが設定される)

Normal:正常域

Warning:注意域

Minor:警戒域

Major:重要警戒域

Restricted:制限動作中

Critical:危険域

Unknown:認識不能

Testing:テスト中

Disabled:使用不可

ステータス・イベントブラウザーに出力するメッセージの詳細情報

(10) SNMPトラップに任意の送信元IPアドレスを設定する

NNM連携機能を使用する場合,送信するSNMPトラップの送信元IPアドレスをユーザーが任意に設定できます。ただし任意にIPアドレスを設定した場合,そのトラップの送信元は,設定したIPアドレスに固定されます。ホストのIPアドレスを変更した場合やJP1/Power Monitorをバージョンアップして下記のjaomovtrapコマンドのモジュールが置き換わった場合には,送信元アドレスの設定に注意してください。

送信元アドレスに任意のIPアドレスを指定する方法を下記に示します。

  1. /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンド(スクリプトファイル)をエディターなどで開きます。

    ファイルは,下記のような内容になっています。

       :
    MADDRS=
    OID=".1.3.6.1.4.1.116.7.17.6"
    AADDR=""
       :
  2. 「AADDR=""」を,「AADDR="任意のIPアドレス"」と修正する。

(11) SNMPトラップの認証用コミュニティ名を変更する

NNM連携機能を使用する場合,送信されるSNMPトラップの認証用コミュニティ名は"public"を使用します。このコミュニティ名は,次の方法で設定が変更できます。セキュリティ監査などに対応する場合,この設定を使用してください。

(a) 状態通知時のsnmptrap発行時(SNMPエージェント側での設定)

テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのスクリプトファイルを編集します。

  1. /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成する。

    jaomovtrapコマンドを編集する場合には,編集前に必ずバックアップを行う必要があります。

    # cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap  /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup
  2. jaomovtrapコマンドからsnmptrapコマンドを発行している次の行を探します。

    [図データ]

  3. snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrap"$MADDR"の間に指定してください。

    [図データ]

  4. 修正したjaomovtrapコマンドを保存します。

注意事項
JP1/Power Monitorのパッチを適用する場合
  1. パッチ適用前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。

    # mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com

  2. 1で作成したバックアップファイルを元に戻します。

    # mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap

  3. JP1/Power Monitorのパッチを適用します。

  4. jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。

    # cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup

  5. 1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。

    # mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap

JP1/Power Monitorパッチ適用後は,jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。編集したjaomovtrapコマンドを配置したままでは,JP1/Power Monitorのパッチ適用に失敗します。

JP1/Power Monitorを上書きインストールする場合
  1. インストール前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。

    # mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com

  2. JP1/Power Monitorのインストールをします。

  3. jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。

    # cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup

  4. 1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。

    # mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap

JP1/Power Monitorのインストール時にjaomovtrapコマンドは上書きされます。

なお,JP1/Power Monitorインストール後はjaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。

(b) NNM側でシンボル色を変更する際に発行するsnmptrap発行時(NNM側での設定)

テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovsetjaomovset2コマンドのスクリプトファイルを編集します。なお,これらのコマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合に作成されます。

  1. コマンドを発行している次の行を探します。

    [図データ]

  2. snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrap`hostname`の間に指定してください。

    [図データ]

  3. 修正ファイルをセーブします。

注意事項

/usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovsetjaomovset2コマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合,コマンドが置き換えられます。jaomovsupコマンドを実行した場合は,上記の設定を再度行ってください。