付録C.4 JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の操作
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の操作について説明します。
JP1/Cm2の詳細については,マニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」を参照してください。HP OpenViewの詳細については,製品のマニュアルを参照してください。
- 〈この項の構成〉
-
(1) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapの表示
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのovwコマンドを実行し,IP Mapを表示します。ovwコマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」を参照してください。
(2) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップの表示
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapで,状態を表示したいホストのシンボルをダブルクリックすると,ノードサブマップが表示されます。ノードサブマップに表示されるシンボルについて次の図に示します。
シンボルは,JP1/Power Monitorの状態を表します。JP1/Power Monitorの状態は,jaomovsdコマンドによって通知されます。ステータスは,JP1/Power Monitorの状態が変わるたびに更新されます。ステータスとJP1/Power Monitorの状態の関係を次の表に示します。
ステータス |
色 |
JP1/Power Monitorの状態 |
---|---|---|
Normal(正常域) |
緑 |
正常に動作中 |
Critical(危険域) |
赤 |
JP1/Power Monitorの停止 |
Unknown(認識不能) |
青 |
状態不明 |
(3) JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニュー
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニューは,IP Mapまたはノードサブマップのメニューから[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択すると表示されます。JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の管理メニューと機能を次の表に示します。次の表では,[管理]より下のメニューを示します。
このメニューは,マネージャーでjaomovsupコマンドによって環境設定をした場合にだけ表示されます。
メニュー |
メニューコマンド |
機能 |
|
---|---|---|---|
JP1/AOMの管理 |
状態表示 |
マップで選択したホストの運転情報を表示する。 |
|
スケジュール |
マップで選択したホストの運転スケジュール情報を表示する。 |
||
シンボルの作成 |
指定ホストに |
シンボルが自動作成されないオブジェクトにシンボルを作成する。 |
|
すべてのホストに |
SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのマップ上に,"JP1AOM"シンボルを新規作成する。 |
||
シンボルの初期化 |
認識不能 |
ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを認識不能の状態にする。 |
|
正常 |
ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを正常の状態にする。 |
(4) シンボルの作成(指定ホストの場合)
通常,シンボルは,JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行時に自動的に作成されます。ただし,JP1/Cm2またはHP OpenViewのエージェント上のJP1/Power MonitorがJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能をサポートしていない場合や,エージェントからSNMPトラップが送信されない場合は,"JP1AOM"シンボルは,自動作成されません。このような場合に,指定したホストにシンボルを作成する手順を次に示します。
-
IP Mapで,シンボルを作成するホストのオブジェクトを選択する。
-
メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
-
オプションメニューの[シンボルの作成]−[指定ホストに]を選択する。
選択したホストのノードサブマップを開くと,シンボルが作成されています。
(5) シンボルの作成(すべてのホストの場合)
JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行後に追加されたホストがあった場合などに,SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上に,"JP1AOM"シンボルを作成します。作成する手順を次に示します。
-
メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
-
オプションメニューの[シンボルの作成]−[すべてのホストに]を選択する。
SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上にシンボルが作成されます。
(6) シンボルの初期化
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップ上のシンボルの色を初期化します。初期化する手順を次に示します。
-
初期化したいシンボルを選択する。
-
メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
-
オプションメニューの[シンボルの初期設定]から,[認識不能]または[正常]を選択する。
[認識不能]を選択すると,ステータスが認識不能になります。
[正常]を選択すると,ステータスが正常になります。
(7) ステータス・イベントブラウザーを使った監視
ステータス・イベントブラウザーに表示されるメッセージの見方について説明します。JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMが,JP1/Power Monitorからイベントを受け取ると,ステータス・イベントブラウザーにメッセージが表示されます。ステータス・イベントブラウザーの重要度欄には,受け取ったイベントの重要度が表示されます。イベントが正常の場合,重要度欄には正常域と表示されます。イベントが正常以外の場合,重要度欄には注意域と表示されます。
受け取ったイベントの詳細は,JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMの[イベント設定/イベントの変更]ダイアログボックスで確認できます。イベントの設定内容は,変更しないでください。
JP1/Power Monitorがステータス・イベントブラウザーに表示するメッセージは次のとおりです。
-
オブジェクト名
ホスト名:JP1AOM
-
ステータス
表C-1で示したステータスのうちのどれか。
-
挿入語句
JP1/Power Monitorの状態が変更になった場合,その情報の詳細が表示されます。表示されるメッセージを次の表に示します。
表C‒3 JP1/Power Monitorの状態を示すメッセージ ステータス
メッセージ
Normal(正常域)
JP1/Power Monitor started
Critical(危険域)
JP1/Power Monitor terminated
(8) オブジェクトの定義
JP1/Power MonitorのJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能で使用されるオブジェクトの形式を示します。
(a) 選択名
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合に使用されるオブジェクトの選択名は,次の形式になります。
- ホスト名:ラベル名
-
-
ホスト名
エージェントのホスト名
-
ラベル名
AOM
-
(b) 追加フィールド
JP1/Power Monitorの追加フィールドを次の表に示します。
フィールド名 |
タイプ |
フラグ |
内容 |
---|---|---|---|
isJP1AOM |
boolean |
capability |
JP1/Power Monitorの管理オブジェクトを表す。
|
jp1aomStatus |
Enumeration |
capability |
JP1/Power Monitorが作成したシンボルに対応する動作状態を表す。
|
jp1aomSymboltype |
Enumeration |
capability |
JP1/Power Monitorが作成するシンボルのタイプを表す。 "software:Process" |
(9) SNMPトラップ
JP1/Cm2またはHP OpenViewに通知するSNMPトラップを次の表に示します。
企業ID |
.1.3.6.1.4.1.116.7.17.6 |
|||
標準トラップ番号 |
6 |
|||
拡張トラップ番号 |
1,2
|
|||
オブジェクトID |
企業ID.1.1.0 |
企業ID.1.2.0 |
企業ID.1.3.0 |
企業ID.1.4.0 |
値のシンタックス |
OctetString |
OctetString |
OctetString |
OctetString |
値 |
シンボルのラベル名 |
シンボル・タイプ |
シンボルのステータス(次のステータスのどれかが設定される) Normal:正常域 Warning:注意域 Minor:警戒域 Major:重要警戒域 Restricted:制限動作中 Critical:危険域 Unknown:認識不能 Testing:テスト中 Disabled:使用不可 |
ステータス・イベントブラウザーに出力するメッセージの詳細情報 |
(10) SNMPトラップに任意の送信元IPアドレスを設定する
NNM連携機能を使用する場合,送信するSNMPトラップの送信元IPアドレスをユーザーが任意に設定できます。ただし任意にIPアドレスを設定した場合,そのトラップの送信元は,設定したIPアドレスに固定されます。ホストのIPアドレスを変更した場合やJP1/Power Monitorをバージョンアップして下記のjaomovtrapコマンドのモジュールが置き換わった場合には,送信元アドレスの設定に注意してください。
送信元アドレスに任意のIPアドレスを指定する方法を下記に示します。
-
/usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンド(スクリプトファイル)をエディターなどで開きます。
ファイルは,下記のような内容になっています。
: MADDRS= OID=".1.3.6.1.4.1.116.7.17.6" AADDR="" :
-
「AADDR=""」を,「AADDR="任意のIPアドレス"」と修正する。
(11) SNMPトラップの認証用コミュニティ名を変更する
NNM連携機能を使用する場合,送信されるSNMPトラップの認証用コミュニティ名は"public"を使用します。このコミュニティ名は,次の方法で設定が変更できます。セキュリティ監査などに対応する場合,この設定を使用してください。
(a) 状態通知時のsnmptrap発行時(SNMPエージェント側での設定)
テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのスクリプトファイルを編集します。
-
/usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成する。
jaomovtrapコマンドを編集する場合には,編集前に必ずバックアップを行う必要があります。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup
-
jaomovtrapコマンドからsnmptrapコマンドを発行している次の行を探します。
-
snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrapと"$MADDR"の間に指定してください。
-
修正したjaomovtrapコマンドを保存します。
- 注意事項
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- JP1/Power Monitorのパッチを適用する場合
-
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パッチ適用前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com
-
1で作成したバックアップファイルを元に戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap
-
JP1/Power Monitorのパッチを適用します。
-
jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup
-
1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap
JP1/Power Monitorパッチ適用後は,jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。編集したjaomovtrapコマンドを配置したままでは,JP1/Power Monitorのパッチ適用に失敗します。
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- JP1/Power Monitorを上書きインストールする場合
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インストール前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com
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JP1/Power Monitorのインストールをします。
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jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup
-
1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap
JP1/Power Monitorのインストール時にjaomovtrapコマンドは上書きされます。
なお,JP1/Power Monitorインストール後はjaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。
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(b) NNM側でシンボル色を変更する際に発行するsnmptrap発行時(NNM側での設定)
テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovset,jaomovset2コマンドのスクリプトファイルを編集します。なお,これらのコマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合に作成されます。
-
コマンドを発行している次の行を探します。
-
snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrapと`hostname`の間に指定してください。
-
修正ファイルをセーブします。
- 注意事項
-
/usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovset,jaomovset2コマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合,コマンドが置き換えられます。jaomovsupコマンドを実行した場合は,上記の設定を再度行ってください。