18.5.4 JP1/Power Monitorによる他ホストの起動・終了時のトラブル
WindowsホストのJP1/Power Monitorによって他ホストが起動・終了するときに発生するトラブルの現象を次の表に示します。
項番 |
現象 |
---|---|
1 |
エージェントホストを起動・終了できない。 |
2 |
マネージャーホストがエージェントホストの停止を検知しない。 |
3 |
[マネージャー−リモート電源連携]ウィンドウで,エージェントホストが稼働中にもかかわらず「状態不明」と表示される。 |
4 |
SVPボードに接続したエージェントホストを起動・終了できない。 |
5 |
シュナイダーエレクトリック社製のSNMPアダプターとSmart-UPS(またはSymmetra)に接続したエージェントホストを起動・終了できない。 |
6 |
グループ化したエージェントホストの電源がオフにならない。 |
7 |
日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用したエージェントホストを起動・終了できない。 |
次に,考えられる原因と対処方法をトラブルの現象ごとに説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) エージェントホストを起動・終了できない
(a) 電源制御装置がエージェントホストに接続されていない
インストールとセットアップの手順に従って,電源制御装置をホストに接続してください。電源制御装置を使わないでホストを運用する場合,ホストのシャットダウンはできますが,起動および電源オフはできません。
(b) 電源制御装置が正しく設定されていない
各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置を正しく設定し直してください。
(c) マネージャーホストとエージェントホストが正しく設定されていない
マネージャーホストでエージェントホストの情報が,また,エージェントホストでマネージャーホストの情報が正しく設定されているかどうか確認してください。
(d) マネージャーホストとエージェントホストのネットワークの設定が正しくない
マネージャーホストとエージェントホストそれぞれで,アドレス解決してください。次の手順でアドレス解決できない場合は,ホスト間のネットワークの設定を正しくしてください。
-
Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[コマンドプロンプト]を選択する。
[コマンドプロンプト]ウィンドウが表示されます。
-
pingコマンドなどを実行して,アドレス解決する。
(e) エージェントホスト名が正しく設定されていない
ホスト名には,そのホストで動作しているJP1/Baseのイベントサーバ名を設定してください。デフォルトのイベントサーバ設定の場合は,デフォルトのイベントサーバ名を設定します。また,FQDN形式のイベントサーバ設定の場合はFQDN名を設定します。入力するホスト名とイベントサーバ名が一致していなければ正しく運用できませんので,同じ名前で登録されているか確認してください。JP1/Baseのイベントサーバ名の設定は,大文字と小文字が区別されます。例えば,「ABC」と「Abc」は,別のホストとみなされます。JP1/Baseのイベントサーバ名については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(f) マネージャーホストおよびエージェントホストで,サービスまたはデーモンが起動していない
マネージャーホストおよびエージェントホストで次のサービスまたはデーモンが起動しているかどうか確認してください。起動する必要があるサービスまたはデーモンを次の表に示します。また,JP1/PW Agent Serviceサービスを起動する場合,[マネージャーの設定]ダイアログボックスで,そのホストの電源を制御するマネージャーホストを設定しないと起動しません。
ホストのOS |
ホスト |
サービスまたはデーモン |
---|---|---|
Windows |
マネージャーホスト |
|
エージェントホスト |
|
|
UNIX |
エージェントホスト |
|
(g) エージェントホストを強制再起動する場合,ホストの電源オフからオンまでの間隔が短過ぎる
エージェントホストを強制再起動しないで,強制電源オフしたあと,十分な時間を空けて電源をオンにしてください。JP1/ServerConductorやSmart-UPS,Symmetraなど,電源制御装置の種類によっては,電源オフからオンまでの間隔が短いために,正しくホストが起動されない場合があります。
(h) マネージャーホストとエージェントホストのネットワークの設定が正しくない
マネージャーホストとエージェントホストそれぞれで,アドレス解決してください。次の手順でアドレス解決できない場合は,ホスト間のネットワークの設定を正しくしてください。
-
Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[コマンドプロンプト]を選択する。
[コマンドプロンプト]ウィンドウが表示されます。
-
pingコマンドなどを実行して,アドレス解決する。
(i) 電源制御装置または電源制御装置のコントロールソフトで障害が発生している
統合トレースログに,メッセージID「KAVP11273-E」,エラーコードが(RC1=0),(RC1=4)または(RC1=8)以外でメッセージが出力されている場合,電源制御装置または電源制御装置のコントロールソフトで障害が発生していますので,エラーコードを電源制御装置の購入元へお問い合わせください。
(2) [マネージャー−リモート電源連携]ウィンドウで,エージェントホストが稼働中にもかかわらず「状態不明」と表示される
(a) エージェントホストにマネージャーホストが正しく設定されていない
エージェントホストの[マネージャーの設定]ダイアログボックスで,マネージャーホストが正しく設定されているか確認してください。
FAQ Q5も参照してください。
(b) マネージャーホストにエージェントホストが正しく設定されていない
マネージャーホストの[エージェントホストの設定]ダイアログボックスで,エージェントホストが正しく設定されているか確認してください。
FAQ Q5も参照してください。
(c) エージェントホストのサービスまたはデーモンが起動していない
次に示すエージェントホストのサービスまたはデーモンが起動しているか確認してください。
-
エージェントホストがWindowsの場合
-
JP1/Base Control Serviceサービス
-
JP1/Base Eventサービス
-
JP1/PW Agent Serviceサービス
-
-
エージェントホストがUNIXの場合
-
JP1/Base Eventサービス
-
JP1/Power Monitorデーモン(リモート電源連携デーモン)
-
(d) マネージャーホストとエージェントホストのネットワークの設定が正しくない
マネージャーホストとエージェントホストそれぞれで,アドレス解決してください。次の手順でアドレス解決できない場合は,ホスト間のネットワークの設定を正しくしてください。
-
Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[コマンドプロンプト]を選択する。
[コマンドプロンプト]ウィンドウが表示されます。
-
pingコマンドなどを実行して,アドレス解決する。
(e) マネージャーホストとエージェントホストの日付と時刻が合っていない
それぞれのホストで,Windowsの[スタート]メニューから[設定]−[コントロールパネル]−[日付と時刻]を選択し,日付と時刻が合っているか確認してください。
(f) マネージャーホストの[マネージャー−リモート電源連携]ウィンドウで,[ホスト]−[最新の状態情報]を選択して,表示される情報を更新している最中に,エージェントホストを操作した
情報を更新してからエージェントホストを操作してください。
(g) JP1/Baseが正しく設定されていない
マネージャーホストおよびエージェントホストのJP1/Baseが正しく設定されているか確認してください。
(h) エージェントホストの電源制御装置が正しく設定されていない
各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置を正しく設定し直してください。
(3) JP1/ServerConductorに対応する電源制御装置またはSVPボードに接続したエージェントホストを起動・終了できない
(a) エージェントホストにSVPボードを組み込んでいない
SVPボードを使用した連携を行う場合は,エージェントホストにSVPボードを組み込んでください。
(b) JP1/ServerConductorをインストールしていない
JP1/ServerConductorをインストールしてください。
(c) JP1/ServerConductorに対応する電源制御装置またはSVPボードの環境設定が正しくない
JP1/ServerConductorで,JP1/ServerConductorに対応する電源制御装置またはSVPボードの環境設定をし直してください。
(d) JP1/ServerConductorの環境設定が正しくない
JP1/ServerConductorでJP1/ServerConductorに対応する電源制御装置またはSVPボードの電源が制御できるように設定してください。
(e) JP1/ServerConductorのDLLファイルが見つからない
マネージャーホストで「DLLがありません」というエラーダイアログボックスが表示される場合,または実行時にエラーになる場合は,JP1/ServerConductorのDLLファイルが正しいフォルダに格納されていないおそれがあります。「JP1PWパス\bin」フォルダにSvmcomMgr.dll,mfc80.dll,msvcr80.dllが格納されているか確認してください。
格納されていない場合は,次の手順で環境設定し直してください。
-
「JP1/ServerConductorインストール先フォルダ\Program」の下に格納されている「SvmcomMgr.dll」「mfc80.dll」「msvcr80.dll」を「JP1PWパス\bin」にコピーする。
これらのファイルをコピーするときは,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorのサービスを停止してください。
-
コマンドプロンプトで,JP1/Power Monitorをインストールしたフォルダにカレントディレクトリを移動する。
-
「RmPtEtr.exe -r」を実行してホストを再起動する。
(f) JP1/ServerConductorに対応する電源制御装置またはSVPボードの通信用ポート番号が設定されていない
マネージャーホストのWindowsの「Services」ファイルに次の記述を追加し,通信用ポート番号を設定してください。
jp1aomsvpcntl XXXXX/tcp # JP1/PW SVP REMOTE CONTROL
「XXXXX」には,任意の値を指定してください。ほかで指定されている値と同じ値にならないようにしてください。「jp1aomsvpcntl」は,すべて半角小文字で記述してください。数字の「1」と「L」の小文字の「l」との違いに注意して設定してください。
(g) エージェントホストで,[環境設定]ダイアログボックスの[使用プログラム名]が正しく設定されていない
JP1/Power Monitorの[環境設定]ダイアログボックスの[使用プログラム名]で,[SYSTEM MANAGER]を選択してください。
(h) JP1/ServerConductorのマネージャーサービスホストの電源がオンになっていない
JP1/ServerConductorのマネージャーサービス(JP1/ServerConductorマスターコンソール)ホストの電源をオンにしてください。
(4) シュナイダーエレクトリック社製のSNMPアダプターとSmart-UPS(またはSymmetra)に接続したエージェントホストを起動・終了できない
(a) 電源制御装置がエージェントホストに接続されていない
SNMPアダプターおよびSmart-UPS(またはSymmetra)がエージェントホストに接続されているかどうか確認してください。
(b) 電源制御装置の環境設定が正しくない
SNMPアダプターおよびSmart-UPS(またはSymmetra)の環境設定が正しいかどうか確認してください。
(5) グループ化したエージェントホストの電源がオフにならない
(a) グループ化するエージェントホストを[環境設定]ダイアログボックスの[他ホストの監視]に登録している
エージェントホストをグループ化し,自ホストの電源オフ時に,グループ化したエージェントホストの電源を先にオフにする場合は,[連動ホストの設定]ダイアログボックスでグループ化するエージェントホストを登録し,[連動ホストの終了を待つ]をチェックしてください。
(b) 自ホストを強制終了している
自ホストの電源オフ時に,グループ化したエージェントホストの電源をオフにする場合は,[環境設定]ダイアログボックスの[連動ホストの停止]で[停止を行う]を選択し,計画終了してください。
(6) 日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用したエージェントホストを起動・終了できない
(a) 同一の遠隔電源制御装置に対し連続して電源制御を実行した
遠隔電源制御装置は電源制御の実行中に新たな要求を受理できません。このため,同一の遠隔電源制御装置に対し連続して電源制御を実行する場合,時間を置いて再実行してください。