jaompwagt
形式
jaompwagt [ -h 論理ホスト名] { v | o | m | r | f | s | b | l } [ -b | -s | -n {次回電源投入時刻 | none}| -- |(指定なし)] [ -w ] [ ホスト名...]
機能
jaompwagtコマンドは,マネージャーホストでエージェントホストを起動・終了するコマンドです。
このコマンドを実行するには,JP1/PW Manager Serviceサービス(Windowsの場合),またはリモート電源連携デーモン(UNIXの場合)が起動していることが必要です。Windowsでサービスの停止時にこのコマンドを実行すると,サービスが開始したあとに実行されます。UNIXでデーモンの停止時にこのコマンドを実行すると,エラーになります。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合:
JP1PWパス\bin
- UNIXの場合:
/usr/bin/jp1_aom/
引数
-h 論理ホスト名
論理ホストでマネージャーを運用している場合に,マネージャー論理ホスト名を指定します。論理ホスト名は,Windowsの場合1〜196バイト,UNIXの場合1〜255バイトの文字列で指定します。論理ホスト名は,複数指定できません。
このオプションを省略した場合は,jpw_def_setコマンドでの設定によって,環境変数JP1_HOSTNAMEの値または物理ホスト名を仮定します。jpw_def_setコマンドでの設定の詳細については,「15. コマンド」の「jpw_def_set」を参照してください。
v
指定したエージェントホストの電源の運用状態とスケジュール情報を標準出力ファイルに出力します。
指定したエージェントホストがWindowsの場合,出力結果の「監視開始」欄に計画終了開始時刻が表示されます。
指定したエージェントホストが停止中の場合,コマンドの実行結果が表示されるまで数分間掛かる場合があります。
o
指定したエージェントホストの電源をオンにします。
m
指定したエージェントホストがUNIXの場合,監視終了を開始します。指定したエージェントホストがWindowsの場合,計画終了を開始します。
r
指定したエージェントホストがUNIXの場合,制限終了を開始します。指定したエージェントホストがWindowsの場合,計画終了を開始します。
f
指定したエージェントホストを強制終了します。
s
指定したエージェントホストを強制電源オフします。
- 重要
-
強制電源オフは,実行中のジョブやアプリケーションを正常に終了しないでホストの電源をオフにします。ホストがハングアップした場合などの緊急時以外では,使わないでください。
b
指定したエージェントホストを強制再起動します。
電源制御装置の種類によって,強制再起動できない場合があります。強制再起動できない機種で再起動したい場合は,ホストを強制電源オフしたあと,電源オンするようにしてください。
- 重要
-
強制再起動は,実行中のジョブやアプリケーションを正常に終了しないでホストを再起動します。ホストがハングアップした場合などの緊急時以外では,使わないでください。
l
リモート電源連携エージェント定義ファイルの再度読み込みます。このオプションは,ほかのオプションと同時に指定しないでください。
この引数は,コマンドを実行するホストがUNIXの場合だけ指定できます。コマンドを実行するホストがWindowsの場合にコマンドを実行すると,無効になります。
-b
指定したエージェントホストを再起動します。このオプションは,m,r,またはfオプションと同時に指定できます。
-s
指定したエージェントホストをシングルユーザーモードにします。このオプションは,m,r,またはfオプションと同時に指定できます。
システム管理にSystemdが採用されているLinuxディストリビューション(Linux 7,SUSE Linux 12など)の場合は,シングルユーザーモードに切り替えることができません。エージェントホストがWindowsの場合にこのオプションを実行すると,電源オフされます。
-n {次回電源投入時刻| none}
指定したエージェントホストの次回電源投入時刻を指定します。このオプションは,m,r,またはfオプションと同時に指定できます。
- 次回電源投入時刻
-
次回の電源投入日時を「[月/日.]時:分」の形式で指定します。例えば,7月31日午後11時30分を指定する場合,「7/31.23:30」と指定します。
各引数は,次の範囲で指定します。
月(1〜12)
日(1〜31)
時(0〜23)
分(0〜59)
指定したエージェントホストがWindowsの場合,このコマンドを実行する日から,11か月後の月の最終日までの間で日時を指定できます。
指定したエージェントホストがUNIXの場合,このコマンドを実行する日の次月同日同時刻-1分まで指定できます。例えば,6月20日午前10時00分にこのコマンドを実行する場合,7月20日午前9時59分までの日時を指定できます。
月/日.を省略した場合,当日の日付を仮定します。そのため,現在時刻より前の時刻を指定した場合は,エラーになります。
- none
-
エージェントホストで現在設定されている次回電源投入時刻を取り消します。
--
この指定のあとの文字列は,すべてホスト名として認識されます。ハイフンで始まるホスト名を指定する時に使用します。
(指定なし)
m,rまたはfオプションを指定し,-b,-s,-nオプションを指定しなかった場合,指定したエージェントホストの電源をオフにします。
-w
指定したエージェントホストの終了を待って※からjaompwagtコマンドを終了します。この引数を指定しなかった場合,エージェントホストの終了を待たないでjaompwagtコマンドを終了します。
このオプションは,コマンドを実行するマネージャーホストがWindowsで,m,r,またはfオプションを指定した場合だけ指定できます。マネージャーホストがUNIXの場合にコマンドを実行すると,エラーになります。
- 注※
-
エージェントホストのシャットダウンの開始まで待ちます。シャットダウンの完了までは待ちません。
待ち時間の最大は24時間です。24時間経過すると,メッセージ「KAVP11087-E 終了処理の完了を受信できませんでした」が統合トレースログに出力され,エラー終了します。
ホスト名
制御したいエージェントホストの名前を指定します。複数のホストを指定できます。省略した場合,エージェントホストとして設定されているすべてのホストを制御するとみなします。
注意事項
-
実行中のjaompwagtコマンドを強制終了しないでください。強制終了した場合,以降の電源制御に問題が発生する場合があります。
-
同じホストに対して,同時にコマンドを実行しないでください。
-
マネージャーホストがUNIXで,リモート電源連携停止処理抑止ファイルが設定してある場合,エージェントホストの監視終了,制限終了,強制終了,強制電源オフ,および強制再起動は実行できません。
-
電源オフ状態のエージェントホストに対してm,r,f,またはvオプションを指定した場合,エージェントホストの状態の調査に時間が掛かることがあります。結果が返るまでお待ちください。
-
このコマンドは複数同時に実行できません。ほかでこのコマンドが実行中の時に新たにコマンドを実行した場合は,先に実行したコマンドが終了してから,次のコマンドが実行されます。
-
クラスタシステムで,運用系の物理ホストをエージェントホストとして登録している場合,そのホストの電源は,jaompwagtコマンドで操作できません。
-
クラスタシステムの場合,このコマンドの実行中に系切り替えが発生すると,コマンドの処理は中断されます。系が切り替わったあと,状態を確認して,必要であれば,再度コマンドを実行してください。
-
マネージャーホストがUNIXで,JP1/Base Eventサービスが停止中にこのコマンドを実行した場合,JP1/Base Eventサービスが起動するまで待ちます。
このコマンドを実行する前に必ずJP1/Base Eventサービスを起動してください。
-
マネージャーホストがWindowsで,JP1/PW Manager Serviceサービスが停止中にこのコマンドを実行した場合,JP1/PW Manager Serviceサービスが起動するまで待ちます。
このコマンドを実行する前に必ずJP1/PW Manager Serviceサービスを起動してください。
-
ホスト名に自ホストを指定できません。自ホストに対する実行は,aompwconまたはjaomchangコマンドを使用してください。
-
クラスタシステムによっては,現在論理ホストが稼動していない側の系で論理ホスト上の電源制御マネージャー機能を使用した場合,制御が戻らないことがあります。
それを防止するため,論理ホスト上の電源制御マネージャー機能は,必ず,現在論理ホストが稼動している側の系で使用してください。
-
エージェントホストの電源制御装置の種別で,AMTまたはWake on LANを選択している場合は,-nオプションを指定してもエラーになりませんが,オプションは無視されます。
戻り値
jaompwagtコマンドの戻り値を次に示します。vオプションを指定した場合と指定しない場合とで,引数の意味が異なります。
vオプションを指定した場合
引数に複数のホストを指定し,それぞれ状態が異なる場合,いちばん大きい戻り値が返されます。一つでも異常終了したホストがある場合,10以上の戻り値が返されます。
0 |
すべてのホストが稼働中です。 |
1 |
監視終了処理中(計画終了処理中)のエージェントホストがあります。 |
2 |
制限終了処理中のエージェントホストがあります。 |
3 |
強制終了処理中のエージェントホストがあります。 |
4 |
停止中のエージェントホストがあります。 |
5 |
すべてのエージェントホストが停止しています。 |
6 |
状態不明のエージェントホストがあります。 |
10以上 |
エラーが発生しました。 |
vオプションを指定しない場合
0 |
コマンドが正常終了しました。 |
10以上 |
エラーが発生しました。 |
使用例
- (例1)
-
エージェントホストagt01の電源をオンにします。
jaompwagt o agt01
- (例2)
-
ホストagt01とagt02を強制終了したあと,再起動します。
jaompwagt f -b agt01 agt02
- (例3)
-
すべてのエージェントホストの状態を表示します。
jaompwagt v
出力例
vオプションで出力されるエージェントホストの電源の運用状態と,スケジュール情報の例を次に示します。
各表示項目について次に説明します。
- ホスト名
-
指定したエージェントホストの名前をWindowsの場合,先頭15バイトで,UNIXの場合,先頭14バイトで表示します。
- 状態(status)
-
ホストの状態を表します。状態(status)に表示される日本語または英語とその内容を次の表に示します。
表15‒4 状態(status)に表示される日本語または英語とその内容 日本語
英語
内容
稼働中
active
エージェントホストが稼働中であることを表す。
監視終了中
monitoring
エージェントホストがUNIXの場合,監視終了処理中であることを表す。エージェントホストがWindowsの場合,計画終了処理中であることを表す。
制限終了中
restrict
エージェントホストがUNIXの場合,制限終了処理中であることを表す。
終了中
termination
エージェントホストが強制終了処理中であることを表す。
停止
inactive
エージェントホストのJP1/Power Monitorサービスまたはデーモンが停止していることを表す。
状態不明
unknown
エージェントホストが状態不明であることを表す。
「停止」と表示されるのは,エージェントホストをスケジュールでまたはマネージャーホストから停止した場合だけです。JP1/Power Monitor以外の手段でエージェントホストを停止した場合,エージェントホストのJP1/Power Monitorが強制停止され,マネージャーに対して停止の報告ができません。そのため,「状態不明」と表示されます。この場合,次にエージェントホストから起動の報告がされるまで,「状態不明」と表示されます。
また,マネージャーホスト起動後,一度も状態を認識できないエージェントホストは,マネージャーホストがエージェントホストからの状態の報告を受け取るまで,「状態不明」と表示されます。
- 監視開始(monitor),制限開始(restrict),強制終了(forced),次回電源投入(next power-on)
-
エージェントホストに設定されている監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,強制終了開始時刻,および次回電源投入時刻を表します。時刻を設定していない場合は,「*」が表示されます。エージェントホストがWindows の場合,「監視開始」には,計画終了開始時刻が表示されます。