Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 for Enterprise Applications


3.2.3 カスタムジョブの定義

JP1/AJSの[ジョブネットエディタ]ウィンドウで,JP1/AJSに登録したカスタムジョブを,ジョブネットに定義します。

SAP BWシステム用のカスタムジョブを定義する手順の概要を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) カスタムジョブを定義する(PCジョブの場合)

  1. JP1/AJSの[ジョブネットエディタ]ウィンドウのジョブネット定義領域を表示する。

  2. [カスタムジョブ]タブを選択して,登録したSAP BWシステム用のカスタムジョブをドラッグし,ジョブネット定義領域にドロップする。

    ジョブネット定義領域のジョブネットにSAP BWシステム用のカスタムジョブが追加され,[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. 終了判定を設定する。

    • インフォパッケージまたはプロセスチェーンの異常終了(jbwipstaコマンドの戻り値が「1」),およびその他のエラー(jbwipstaコマンドの戻り値が「2以上」)のどちらも,JP1/AJS上で「異常」として扱う場合

      判定結果

      「しきい値による判定」を選択します。

      警告しきい値

      何も指定しません。

      異常しきい値

      「0」を指定します。

    • インフォパッケージまたはプロセスチェーンの異常終了(jbwipstaコマンドの戻り値が「1」)はJP1/AJS上で「警告」として扱い,その他のエラー(jbwipstaコマンドの戻り値が「2以上」)はJP1/AJS上で「異常」として扱う場合

      判定結果

      「しきい値による判定」を選択します。

      警告しきい値

      「0」を指定します。

      異常しきい値

      「1」を指定します。

  4. [詳細]ボタンをクリックする。

    [SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックスが表示されます。

  5. [SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックスを使用して,次の設定をする。

    • 開始するインフォパッケージまたはプロセスチェーンが存在するSAP BWシステムへの接続方法を指定する

    • インフォパッケージまたはプロセスチェーンを定義する

  6. [OK]ボタンをクリックする。

カスタムジョブの定義の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」を参照してください。

(2) カスタムジョブを定義する(UNIXジョブの場合)

  1. JP1/AJSの[ジョブネットエディタ]ウィンドウのジョブネット定義領域を表示する。

  2. [カスタムジョブ]タブを選択して,登録したSAP BWシステム用のカスタムジョブをドラッグし,ジョブネット定義領域にドロップする。

    ジョブネット定義領域のジョブネットにSAP BWシステム用のカスタムジョブが追加され,[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. コマンド文を定義する。

    jbwipstaコマンドのコマンドラインを定義します。

  4. 終了判定を設定する。

    • インフォパッケージまたはプロセスチェーンの異常終了(jbwipstaコマンドの戻り値が「1」),およびその他のエラー(jbwipstaコマンドの戻り値が「2以上」)のどちらも,JP1/AJS上で「異常」として扱う場合

      判定結果

      「しきい値による判定」を選択します。

      警告しきい値

      何も指定しません。

      異常しきい値

      「0」を指定します。

    • インフォパッケージまたはプロセスチェーンの異常終了(jbwipstaコマンドの戻り値が「1」)はJP1/AJS上で「警告」として扱い,その他のエラー(jbwipstaコマンドの戻り値が「2以上」)はJP1/AJS上で「異常」として扱う場合

      判定結果

      「しきい値による判定」を選択します。

      警告しきい値

      「0」を指定します。

      異常しきい値

      「1」を指定します。

  5. [OK]ボタンをクリックする。

カスタムジョブの定義の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」を参照してください。

(3) SAP BWシステムへの接続方法を指定する

開始するインフォパッケージまたはプロセスチェーンが存在するSAP BWシステムへの接続方法は,[SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックスの[SAP BWシステム]パネルで指定します。

[SAP BWシステム]パネルを次の図に示します。

図3‒16 [SAP BWシステム]パネル−[SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックス

[図データ]

[SAP BWシステム]パネルで指定する定義項目を次に示します。

あて先

開始するインフォパッケージまたはプロセスチェーンが存在するSAP BWシステムのアプリケーションサーバへの接続方法を選択します。次のどちらかの方法でアプリケーションサーバを指定して接続します。

・特定のアプリケーションサーバを指定する

・sapnwrfc.iniファイルに指定されているあて先を使用する

特定のアプリケーションサーバに接続する

接続するアプリケーションサーバを直接指定する場合に,[特定のアプリケーションサーバに接続する]を選択します。

ホスト名

接続するアプリケーションサーバ(またはSAPルーター)のホスト名を指定します。指定できる文字列の長さは,1〜100バイトです。

ホスト名には,次の形式の名称を使用できます。

  • hostsファイルに定義されているホスト名

  • IPアドレス

  • SAPルーターアドレス

SAPルーターアドレスの形式については,R/3のマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。

この項目は,jbwipstaコマンドの-hオプションに対応しています。

システム番号

SAP BWシステムでのシステム番号を指定します。指定できる文字列の長さは,1〜2バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。デフォルトは,「0」です。

この項目は,jbwipstaコマンドの-sオプションに対応しています。

sapnwrfc.iniを使用して接続する

sapnwrfc.iniファイルを使用してアプリケーションサーバに接続する場合に,[sapnwrfc.iniを使用して接続する]を選択します。

sapnwrfc.iniファイルの定義内容に従って,特定のアプリケーションサーバ,またはメッセージサーバの負荷分散機能によって決定された,任意のアプリケーションサーバに接続します。

あて先

sapnwrfc.iniファイルのDESTに指定した値を[あて先]に指定します。指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。

この項目は,jbwipstaコマンドの-dオプションに対応しています。

ログオン

[あて先]に指定したアプリケーションサーバに接続するときのログオン情報を指定します。次のどちらかの方法でログオンするユーザーを指定します。

  • sapnwrfc.iniに指定されているユーザーを使用する

  • 特定のユーザー(クライアント,ユーザー名,パスワードおよび言語)を指定する

sapnwrfc.iniを使用してログオンする

[あて先]に指定した,外部ファイル(sapnwrfc.ini)に定義された内容でログオンする場合に,[sapnwrfc.iniを使用してログオンする]を選択します。

この項目は,jbwipstaコマンドの-dlオプションに対応しています。

クライアント

ログオン先のSAP BWクライアントのクライアント番号を指定します。指定できる文字列の長さは,1〜3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,SAP BWクライアント番号をSAP BWシステムに送るときには,1〜2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。

例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,SAP BWシステムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。

この項目は,jbwipstaコマンドの-cオプションに対応しています。

ユーザー名

インフォパッケージまたはプロセスチェーンを実行するユーザーのユーザー名を指定します。

指定できるユーザーについては「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。なお,ユーザー名には,小文字の半角英字を指定できません。

この項目は,jbwipstaコマンドの-uオプションに対応しています。

パスワード

[ユーザー名]で指定したインフォパッケージまたはプロセスチェーンの実行ユーザーに対して,パスワードまたは拡張パスワードを指定します。拡張パスワードを使用する場合は,[拡張パスワードを使用する]をチェックします。

パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜40バイトです。

入力した値は,「*」で表示されます。

この項目は,パスワードを使用する場合はjbwipstaコマンドの-pオプションに,拡張パスワードを使用する場合はjbwipstaコマンドの-p2オプションにそれぞれ対応しています。

拡張パスワードを使用する

拡張パスワードを使用する場合に,[拡張パスワードを使用する]をチェックします。このチェックボックスをチェックする場合は,実行先のホストの設定が次に示すとおりになっているかを確認してください。

  • JP1/AJS2 for EAP 08-50以降がインストールされている。

  • 拡張パスワードの使用可否をjr3chrfcコマンドでONに設定している。

言語

使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。日本語または英語が使用できます。使用する言語には,次に示すSAP BWシステムで使用できる言語を指定してください。

  • 日本語の場合:J

  • 英語の場合:E

なお,言語には,小文字の半角英字を指定できません。

また,次の場合,あて先のSAP BWシステムで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。

  • 言語種別の指定を省略したとき

  • あて先のSAP BWシステムで定義されていない言語種別を指定したとき

この項目に指定した言語種別は,KAJM2802-E,KAJM0813-Eなどのメッセージの挿入句として出力される,SAPシステムが返すエラーの詳細情報の言語に影響します。

この項目は,jbwipstaコマンドの-lオプションに対応しています。

(4) インフォパッケージまたはプロセスチェーンを定義する

インフォパッケージまたはプロセスチェーンの定義は,[SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックスの[インフォパッケージ/プロセスチェーンの定義]パネルで指定します。

[インフォパッケージ/プロセスチェーンの定義]パネルを次の図に示します。

図3‒17 [インフォパッケージ/プロセスチェーンの定義]パネル−[SAP BWインフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックス

[図データ]

[インフォパッケージ/プロセスチェーンの定義]パネルで指定する定義項目を次に示します。

インフォパッケージ/プロセスチェーンの開始

開始するインフォパッケージまたはプロセスチェーンについての情報を指定します。

インフォパッケージ

インフォパッケージを開始する場合に[インフォパッケージ]をチェックします。

プロセスチェーン

プロセスチェーンを開始する場合に[プロセスチェーン]をチェックします。

ID

開始するインフォパッケージまたはプロセスチェーンのIDを指定します。指定できる文字列の長さは,インフォパッケージの場合は30バイト(固定),プロセスチェーンの場合は1〜25バイトです。IDには,小文字の半角英字を指定できません。

この項目は,jbwipstaコマンドの-ipまたは-pcオプションに対応しています。

インフォパッケージ/プロセスチェーンの終了監視

開始したインフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了監視を行う場合に,終了監視についての情報を指定します。[リセット]ボタンをクリックすると,ここで指定した内容がデフォルトの状態に戻ります。

インフォパッケージの終了を監視するためには,インフォパッケージが警告終了した場合に信号が青信号または赤信号に遷移させる設定がSAP BWシステム側で必要です。設定の詳細については,「2.3.8 SAP BWシステム側でインフォパッケージの警告終了に対する動作を設定する」を参照してください。

インフォパッケージ/プロセスチェーンの終了を監視する

開始したインフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了を監視する場合に,[インフォパッケージ/プロセスチェーンの終了を監視する]をチェックします。

インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了は,SAP BWシステムより次のステータスを取得して判断しています。

  • インフォパッケージの終了監視

    トランザクションRSMONの[モニター]ツリーで確認できるインフォパッケージの依頼のステータス(「ステータス」タブに表示される[合計],および[技術]のステータス)。

  • プロセスチェーンの終了監視

    トランザクションRSPCの[ログビュー]画面で確認できるプロセスチェーンのステータス。

この項目は,jbwipstaコマンドの-waitオプションに対応しています。

状態を問い合わせる間隔を設定する

SAP BWシステムにインフォパッケージまたはプロセスチェーンの状態を問い合わせる間隔を指定する場合に,[状態を問い合わせる間隔を設定する]をチェックします。

秒ごとに状態を問い合わせる

SAP BWシステムにインフォパッケージまたはプロセスチェーンの状態を問い合わせる間隔を秒単位で指定します。指定できる値は,1〜65,535です。問い合わせ間隔のデフォルトは,環境設定ファイルに指定されている値です(環境設定ファイルに値を指定していない場合,または環境設定ファイルを作成していない場合は,5秒です)。

この項目は,jbwipstaコマンドの-ivalオプションに対応しています。

監視時間を設定する

開始したインフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了を監視する時間の長さを指定する場合に,[監視時間を設定する]をチェックします。

分まで終了を監視する

インフォパッケージまたはプロセスチェーンの開始後に,インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了を監視する時間の長さを分単位で指定します。指定できる値は,1〜65,535です。インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了監視時間を指定しなかった場合は,無制限に監視が続けられます。

この項目は,jbwipstaコマンドの-timeオプションに対応しています。

インフォパッケージが正常終了した後の待ち時間を設定する

インフォパッケージが正常終了してからそのインフォパッケージを実行するジョブが終了するまでの時間(待ち時間)の長さを設定する場合に,[インフォパッケージが正常終了した後の待ち時間を設定する]をチェックします。

秒間待つ

インフォパッケージが正常終了してからそのインフォパッケージを実行するジョブが終了するまでの時間(待ち時間)の長さを秒単位で指定します。JP1/AJS3 for EAPでは,インフォパッケージのデータロード後に実行される,QMアクション(ロードしたデータの有効化処理)やインフォパッケージの後続処理(重複依頼の削除など)の終了は監視できません。これらの処理の終了を待って後続ジョブを実行したい場合には,この待ち時間を設定します。

指定できる値は0〜65,535です。待ち時間を指定しなかった場合は,環境設定ファイルのQMActionWaitTimeキー(Commandセクション)で設定された秒数が仮定されます。

この項目は,jbwipstaコマンドの-qmwait_timeオプションに対応しています。

(5) 環境変数を定義する

環境変数を追加,編集,削除するには,[環境変数]ダイアログボックス(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能用)で指定します。

[環境変数]ダイアログボックス(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能用)は,[環境変数]パネルの[追加]ボタンをクリックすると表示されます。[環境変数]パネルは,[環境変数]タブをクリックすると表示されます。

[環境変数]パネルを次の図に示します。

図3‒18 [環境変数]パネル−[SAP BW インフォパッケージ/プロセスチェーン定義]ダイアログボックス

[図データ]

[環境変数]パネルで指定する定義項目を次に示します。

環境変数

JP1/AJS3 for EAP用の環境変数を指定する領域です。

定義されている環境変数

JP1/AJS3 for EAP用の環境変数の定義を追加,編集,削除するためのリストコントロールです。定義されている環境変数の名称と値を定義順に表示します。

環境変数は,20,479バイト以下,または10個まで定義できます。

追加

空の[環境変数]ダイアログボックス(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能用)を開きます。

新規定義された環境変数は[追加]ボタンを操作するときに選択されていた環境変数の前に追加されます(選択していないときは先頭に追加されます)。

編集

リストコントロールで選択した環境変数を反映して[環境変数]ダイアログボックス(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能用)を開きます(リストコントロールで選択された環境変数をダブルクリックしても同じ操作ができます)。

リストコントロールで環境変数が選択されていない場合は,このボタンは非活性です。

削除

リストコントロールで選択された環境変数の定義を削除します([Delete]キーでも同じ操作ができます)。

リストコントロールで環境変数が選択されていない場合は,このボタンは非活性です。

[環境変数]ダイアログボックス(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能用)で指定する定義項目を次に示します。

環境変数

JP1/AJS3 for EAP用の環境変数を指定する領域です。

変数名

環境変数の名称を指定します。任意の文字列を1〜259バイトの範囲で指定します。この項目の入力は省略できません。

変数値

環境変数の値を指定します。任意の文字列を1〜2,047バイトの範囲で指定します。この項目の入力は省略できません。

OK

指定した項目をプログラム内に一時記憶してダイアログボックスを閉じます。変更を定義に保存するためには,メイン画面で[OK]ボタンをクリックしてプログラムを終了させる必要があります(このボタンにフォーカスがある場合,[Enter]キーでも同じ操作ができます)。

指定された環境変数は,ジョブの定義に格納する形式と同じ,次の形式で一時記憶します。

環境変数名1=値1<改行>

環境変数名2=値2<改行>

また,環境変数に「"(ダブルクォーテーション)」や「#」が含まれる場合は,次のように「#」でエスケープして一時記憶します。

" → #"

# → ##

定義済みの環境変数のサイズが20,479バイトを超えた場合には,エラーダイアログボックスを表示します。

キャンセル

指定した項目を破棄してダイアログボックスを閉じます([ESC]キーでも同じ操作ができます)。