付録B.1 組み込みDBに新たに管理者を追加・変更する
ここでは,新たに組み込みDBに管理者を追加・変更する手順について説明します。
組み込みDBでは,デフォルトでDB管理者が作成されています。認可識別子は"root",パスワードは"root"として作成されています。ajsembdbadduserコマンドを使用すると,新たにDB管理者の追加またはパスワードの変更ができます。
ajsembdbadduserコマンドの詳細については,「付録B.3 ajsembdbadduser」を参照してください。
なお,ajsembdbadduserコマンドを実行するには環境変数PDUSERを設定する必要があります。次に示す設定例を参考にして,環境変数PDUSERを設定してください。
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Windowsホスト設定例
x:\> set PDUSER="root"/"root"
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UNIXホストの設定例
# PDUSER='"root"/"root"'
# export PDUSER
- 注意事項
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AJS管理者が設定されている場合は,デフォルトの組み込みDB管理者である"root"に加えて,認可識別子"AJS管理者用のOSユーザー名",パスワード"AJS管理者用のOSユーザー名"のユーザーが追加で作成されます。
- (例)
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認可識別子が"root"であるDB管理者のパスワードを"jp1ajs2"に変更する場合
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Windowsホストの場合
(組み込みDBインストール先ディレクトリはC:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF0)
ajsembdbadduser -i "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF0" -a root -ap jp1ajs2
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UNIXホストの場合
(組み込みDBインストール先ディレクトリは/opt/jp1ajs2/embdb/_JF0)
ajsembdbadduser -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0 -a root -ap jp1ajs2
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DB管理者のパスワードを変更した場合,ajsembdbrorgコマンドやajsembdbreclaimコマンドで指定する-apオプションの値を変更する必要があります。
また,新たにDB管理者を作成することもできます。
- (例)
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新たに組み込みDB認可識別子"jp1ajs2"のDB管理者を,パスワードを"jp1ajs2"として作成する場合
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Windowsホストの場合
(組み込みDBインストール先ディレクトリはC:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF0)
ajsembdbadduser -i "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\embdb\_JF0" -a jp1ajs2 -ap jp1ajs2
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UNIXホストの場合
(組み込みDBインストール先ディレクトリは/opt/jp1ajs2/embdb/_JF0)
ajsembdbadduser -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0 -a jp1ajs2 -ap jp1ajs2
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- DB管理者のパスワードを変更する場合の注意事項
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認可識別子"root"のパスワードをデフォルト値の"root"から変更している場合は,jajs_setupコマンドを実行できません。認可識別子"root"のパスワードを変更した場合には,組み込みDBの高度なセットアップによってスケジューラーのセットアップを実施してください。組み込みDBの高度なセットアップの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.4 組み込みDBの高度なセットアップ」を参照してください。
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認可識別子"root"のパスワードをデフォルト値の"root"から変更している場合は,次のコマンドを実行する際に認可識別子およびパスワードを-aオプション,-apオプションに指定してください。
ajsembdbstatus
ajsembdbrorg
ajsembdbreclaim
ajsembdbsetup
-aオプション,-apオプションの詳細については,「付録B 組み込みDBの操作コマンド使用時の注意事項」を参照してください。
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一つのホストで複数の組み込みDBを使用していて,"root"のパスワードにそれぞれ異なる設定をしている場合,ajsembdbreclaimコマンドの-mオプションにmanagerを指定して実行すると,コマンドがエラーになります。その場合は,スケジューラーサービスのデータベースとして使用している組み込みDBごとに-aオプションおよび-apオプションを指定し,-mオプションにscheduler,-Fオプションに組み込みDBに対応したスケジューラーサービスを指定してメンテナンスを実施してください。また,エージェント管理データベースについても,格納している組み込みDBの認可識別子とパスワードを-aオプションおよび-apオプションに指定し,-mオプションにagentを指定してメンテナンスを実施してください。各スケジューラーサービス,およびエージェント管理データベースを格納している組み込みDBを確認する場合は,ajsembdbidlistコマンドに-aオプションを指定して実行してください。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
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AJS管理者が設定されている場合は,デフォルトの組み込みDB管理者である"root"に加えて,認可識別子"AJS管理者用のOSユーザー名",パスワード"AJS管理者用のOSユーザー名"のユーザーが追加で作成されます。そのため,それぞれの認可識別子についてパスワードの変更を検討する必要があります。
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