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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


jajs_spmd

〈このページの構成〉

形式

JP1/AJS3 - Managerの場合
jajs_spmd
     [-h 論理ホスト名]
     [-n jajs_agtd |
      -n jajs_schd [-F スケジューラーサービス名]|
      -n jajs_dbmd [-id 組み込みDBセットアップ識別子]]
     [-hot|-warm|-cold[-q {clear|noclear}]|-disaster]
     [-HA]
JP1/AJS3 - Agentの場合
jajs_spmd
     [-h 論理ホスト名]
     [-cold]
     [-HA]

機能

Windowsの場合

JP1/AJS3の各機能に対応するプロセスを起動します。

UNIXの場合

JP1/AJS3サービスの起動またはJP1/AJS3の各機能に対応するプロセスを起動します。

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

JP1/AJS3 - Managerインストール先フォルダ\bin\

JP1/AJS3 - Agentインストール先フォルダ\bin\

UNIXの場合

/opt/jp1ajs2/bin/

引数

-h 論理ホスト名

クラスタで運用している場合に,プロセスまたはサービスを起動する論理ホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名(hostnameコマンドで求められるホスト名)が仮定されます。

-n プロセス名

起動するプロセス名を指定します。指定できるプロセス名を次に示します。

JP1/AJS3 - Managerの場合
  • jajs_schd(スケジューラーサービス管理)

  • jajs_agtd(エージェントサービス管理)

  • jajs_dbmd(DB管理)

スケジューラーサービスを起動する場合は,jajs_schdを指定して-Fオプションにスケジューラーサービス名を指定します。また,論理ホストのスケジューラーサービスを起動する場合は,-hオプションと-Fオプションを同時に指定します。

組み込みDBを起動する場合は,jajs_dbmdを指定して-idオプションに組み込みDBセットアップ識別子を指定します。論理ホストの組み込みDBを起動する場合は,-hオプションと-idオプションを同時に指定します。

-F スケジューラーサービス名

起動するスケジューラーサービス名を指定します。-nオプションにjajs_schdを指定した場合にだけ指定できます。

高度なオプションを指定してスケジューラーサービスを起動する場合は,ajsstartコマンドを使用してください。ajsstartコマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsstart」を参照してください。

省略した場合,デフォルトスケジューラーサービスを仮定します。

-id 組み込みDBセットアップ識別子

組み込みDBを識別するセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Z)の4文字で指定します。ajsembdbbuildコマンドの-idオプションで指定した値を指定してください。

jajs_setupコマンド,jajs_setup_clusterコマンド,およびjajs_migrateコマンドで作成された組み込みDBに対して操作する場合,ajsembdbidlistコマンドで操作対象となる組み込みDBのセットアップ識別子を確認してください。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。

高度なオプションを指定して組み込みDBを起動する場合は,ajsembdbstartコマンドを使用してください。ajsembdbstartコマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstart」を参照してください。

このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。

-hot|-warm|-cold

JP1/AJS3プロセスまたはサービスの起動モードを指定します。起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」の起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態の説明を参照してください。

JP1/AJS3 - Managerを使用している場合でこのオプションを省略したとき,環境設定パラメーターSTARTMODEの値が仮定されます。

  • -hot

    JP1/AJS3をホットスタートします(前回プロセスまたはサービス終了時の状態を保持したまま,プロセスまたはサービスが起動します)。-nオプションにjajs_agtdまたはjajs_dbmdを指定している場合は,このオプションは指定できません。

  • -warm

    JP1/AJS3をウォームスタートします(前回プロセスまたはサービス終了時の状態を保持したまま,プロセスまたはサービスが起動します。ただし,プロセスまたはサービス終了時に実行中だったジョブネットは終了状態になり,プロセスまたはサービスを起動した日の予定に従って実行されます)。-nオプションにjajs_agtdまたはjajs_dbmdを指定している場合は,このオプションは指定できません。

  • -cold

    JP1/AJS3をコールドスタートします(前回プロセス終了時の状態を解除して,プロセスまたはサービスが起動します)。-nオプションにjajs_dbmdを指定している場合は,このオプションは指定できません。

-q {clear|noclear}

コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化するかどうかを選択します。

-coldオプションとだけ同時に指定できます。

省略した場合,環境設定パラメーターColdStartModeの値が仮定されます。省略した場合,かつ環境設定パラメーターColdStartModeの値がデフォルト状態の場合は,ジョブ実行環境データベースのジョブ情報は初期化されます。

  • clear

    コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化します。ただし,自動起動しない設定のスケジューラーサービスがある場合は初期化しません。

  • noclear

    コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化しません。

-disaster

JP1/AJS3をディザスター・リカバリー運用している場合に使用するオプションです。

メインサイトからリモートサイト,またはリモートサイトからメインサイトに運用拠点を切り替える場合,このオプションを指定してディザスターリカバリースタートします。

ディザスターリカバリースタートは,安全確認のためにジョブやジョブネットの実行が抑止された状態でJP1/AJS3 - Managerを起動します。

-HA

JP1/AJS3のプロセスまたはサービスで異常が発生した場合,縮退運転ではなく,JP1/AJS3サービスのすべてのプロセスまたはサービスを終了します。

JP1/AJS3の一部のプロセスまたはサービスが異常時に,クラスタのフェールオーバーを行う場合などに指定してください。

なお,論理ホストでこのオプションを使用した場合は,拡張起動プロセス定義ファイルに設定した再起動可否オプションの指定に関係なく,再起動されません。クラスタ運用で再起動する場合は,クラスタソフトの制御で再起動するようにしてください。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

0以外の値

異常終了。

使用例1

JP1/AJS3をコールドスタートします。

jajs_spmd -cold

使用例2

JP1/AJS3のスケジューラーサービス(AJSROOT1)が異常終了したため,問題を解決したあとにそのスケジューラーサービスだけを起動します。

jajs_spmd -n jajs_schd -F AJSROOT1