ajsstart
形式
ajsstart [-c|-o|-t] [-F サービス名] [-s {none|EXEC}] [-w] [-R] [-D]
機能
JP1/AJS3のスケジューラーサービスを起動します。その後,実行登録済みのジョブネットを実行します。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-c
すべてのジョブネットの実行登録を強制的に解除して,スケジューラーサービスを起動します(コールドスタートします)。
コールドスタートが必要な場合を次に示します。
-
JP1/AJS3のスケジューラーの,データベースのテーブル構造が変更された場合。
-
スケジューラーサービスが起動できない場合。
スケジューラーサービスをコールドスタートした場合,スケジューラーサービスの起動後に,ジョブネットを再実行登録してください。
なお,スケジューラーサービスをコールドスタートすると,すべてのジョブネットの前世代までの実行結果がすべて削除されます。コールドスタートする前に,必要な履歴情報を保存しておくことを推奨します。
このオプションは-Rおよび-Dオプションと同時には指定できません。
-c,-R,および-Dオプションのどれも指定しなかった場合は,スケジューラーサービスをウォームスタートします。
-o
その日に実行予定があるジョブネットの場合で,実行開始予定時間がスケジューラーサービスの起動時間より前のジョブネットは,スケジューラーサービス起動時に実行しません。
このオプションを省略した場合,実行開始予定時間がスケジューラーサービスの起動時間より前のジョブネットを,スケジューラーサービス起動時に自動的に実行します。
-Rオプションと同時に指定した場合,このオプションは無効です。
-t
その日に計画実行するように予定されているジョブネット,またはその日に確定実行するように予定されているジョブネットを実行しません。
-Rオプションと同時に指定した場合,このオプションは無効です。
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
省略した場合,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。
-s {none|EXEC}
ジョブネットおよびジョブの実行を抑止するか,または抑止を解除するかを指定します。
-
none
ジョブネットとジョブの実行抑止を解除します。
-
EXEC
ジョブネットとジョブの実行を抑止します。現在実行中のジョブネットおよびジョブの実行が終了したあとは,新たにジョブネットおよびジョブは起動されません。
-w
スケジューラーサービスが起動したあと,コマンドを終了します。
-R
スケジューラーサービスの前回の停止時に実行中状態であったジョブネットおよびジョブの実行を継続します(ホットスタートします)。
- ジョブネットの場合
-
スケジューラーサービス停止時の状態から継続実行します。
また,開始予定時刻を超過しているジョブネットを,スケジューラーサービス起動直後に実行します。
- ジョブの場合
-
スケジューラーサービス停止時のジョブ状態を求め,その状態から継続実行します。
このオプションは-cおよび-Dオプションと同時には指定できません。
-c,-R,および-Dオプションのどれも指定しなかった場合は,スケジューラーサービスをウォームスタートします。
-D
スケジューラーサービスをディザスターリカバリースタートします。ディザスターリカバリースタートの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」を参照してください。
このオプションは,-c,-R,および-sオプションと同時には指定できません。
-c,-R,および-Dオプションのどれも指定しなかった場合は,スケジューラーサービスをウォームスタートします。
注意事項
-
このコマンドを実行する前に,JP1/AJS3を起動しておく必要があります。
Windowsの場合は,[サービス]ダイアログボックスや[サービス]ウィンドウを使って,JP1/AJS3サービスを起動しておいてください。
UNIXの場合は,jajs_spmdコマンドを使って,JP1/AJS3のプロセスを起動しておいてください。
-
システムの日付や時刻を前に戻した場合は,JP1/AJS3全体をコールドスタートしてください。
-
ajslocaldateコマンドでスケジューラーサービスのローカル日時を変更した場合は,変更したスケジューラーサービスをコールドスタートしてください。
-
スケジューラーサービスがすでに起動している場合,このコマンドは異常終了します。
-
-c,-R,および-Dオプションのどれも指定しなかった場合は,スケジューラーサービスをウォームスタートします。
-
トラブルが発生した場合にスケジューラーサービスをコールドスタートするときは,必要な履歴情報を採取したあとに実施することを推奨します。ログ情報の採取方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.4 資料の採取方法」を参照してください。
-
環境設定※が不適切であった場合,スケジューラーサービスは起動されません。
- 注※
-
スケジューラーサービスの環境設定内容を指しています。
-
データベースの種類にISAMを設定しているスケジューラーサービスをコールドスタートする場合,データベースには何もアクセスしてない状態(JP1/AJS3 - ViewからログオフしてJP1/AJS3のコマンドを使用していない状態)でコールドスタートしてください。データベースへのアクセスが残っていると,登録済みの情報の消去処理に失敗してサービスが起動できません(イベントログ(Windowsの場合)またはsyslog(UNIXの場合)にエラーメッセージ「KAVS0218-E データベースへのアクセスが残っているためスケジューラーサービス(スケジューラーサービス名)をコールドスタートできませんでした」が出力されて異常終了します)。
-
-Rオプションを指定してスケジューラーサービスをホットスタートした際またはウォームスタートした際に,ジョブの状態を取得できなかった場合は,ジョブの状態を「終了状態不明」に遷移させ,ジョブの実行を終了することがあります。ジョブの状態を取得できない条件の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.2.1(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」の「表6-3 ホットスタート(-hot)した場合のジョブネットおよびジョブの状態」または「表6-4 ウォームスタート(-warm)した場合のジョブネットおよびジョブの状態」の「ジョブ(UNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)」の欄を参照してください。
-
このコマンドでスケジューラーサービスを起動した場合,環境設定パラメーターOVERSCHEDULEの値は有効になりません。このコマンドの動作に従って実行されます。環境設定パラメーターOVERSCHEDULEとこのコマンドのオプションとの対応を次の表に示します。
表3‒25 環境設定パラメーターとajsstartコマンドのオプションとの対応表 パラメーターの設定
ajsstartコマンドのオプション
OVERSCHEDULEに「exec」を設定する。
-tおよび-oを指定しない。
OVERSCHEDULEに「skip」を設定する。
-oオプションを指定する。
OVERSCHEDULEに「plan」を設定する。
-tオプションを指定する。
-
同一論理ホスト上では,次のコマンドと同時に実行できません。
ajsprofalterコマンド
ajsembdbstartコマンド
ajsembdbstopコマンド
jajs_hstdコマンド
jajs_hstd_stopコマンド
jajs_spmdコマンド(-nオプションにjajs_schdを指定しない場合)
jajs_spmd_statusコマンド
jajs_spmd_stopコマンド(-nオプションにjajs_schdを指定しない場合)
jajs_startコマンド(UNIX限定)
jajs_start.clusterコマンド(UNIX限定)
jajs_stopコマンド(UNIX限定)
jajs_stop.clusterコマンド(UNIX限定)
-
同一スケジューラーサービスを指定する場合,次のコマンドと同時に実行できません。
ajsstartコマンド
ajsstopコマンド
jajs_spmdコマンド(-nオプションにjajs_schdを指定する場合)
jajs_spmd_stopコマンド(-nオプションにjajs_schdを指定する場合)
戻り値
0 |
正常終了。 |
4〜124で4の倍数値 |
異常終了。 |
使用例1
スケジューラーサービスAJSROOT1をコールドスタートします。
ajsstart -F AJSROOT1 -c
使用例2
スケジューラーサービスAJSROOT1をウォームスタートします。
ajsstart -F AJSROOT1
使用例3
スケジューラーサービスAJSROOT1をホットスタートします。
ajsstart -F AJSROOT1 -R
使用例4
スケジューラーサービスAJSROOT1をディザスターリカバリースタートします。
ajsstart -F AJSROOT1 -D