jajs_dbrestore
形式
jajs_dbrestore [-id 組み込みDBセットアップ識別子] -i バックアップデータ
機能
jajs_dbbackupコマンドで取得したバックアップデータを使用して,組み込みDBをリストアします。
このコマンドは,バックアップ強化機能を有効にしている場合だけ実行できます。
このコマンドで組み込みDBをリストアしたあと,リストアした組み込みDB上で動作するスケジューラーサービスは,初回起動時だけディザスターリカバリースタートします。ディザスターリカバリースタートでは,ジョブ実行は抑止され,ジョブおよびジョブネットの状態が変更されます。ディザスターリカバリースタートの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」を参照してください。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-id 組み込みDBセットアップ識別子
リストアする組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Z)の4文字で指定します。-idオプションは,-iオプションに指定するバックアップデータを取得したとき,jajs_dbbackupコマンドの-idオプションに指定した値を指定してください。jajs_dbbackupコマンドの-idオプションで指定した値は,バックアップデータに含まれるバックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)で確認できます。
このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。
このオプションに指定した値と,-iオプションに指定するバックアップデータのバックアップ情報ファイルに記載されている組み込みDBセットアップ識別子が一致しない場合,コマンドが異常終了します。
-i バックアップデータ
jajs_dbbackupコマンドで出力したバックアップデータを指定します。バックアップデータは絶対パスで指定してください。Windows版の場合,指定する絶対パスに空白文字を含む場合はパスを「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んでください。
指定できる文字数は,1〜223(単位:バイト)です。
jajs_dbbackupコマンドが異常終了した場合など,不正に出力されたバックアップデータを指定した場合,コマンドが異常終了します。正常に出力されたバックアップデータかどうかは,バックアップデータに含まれるバックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)で確認できます。
注意事項
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このコマンドを実行した場合,指定したセットアップ識別子の組み込みDB上で動作するスケジューラーサービスの,ユニットの実行結果詳細と一時変更情報がすべて削除されます。
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このコマンドは,組み込みDBが停止している状態で実行してください。
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このコマンドは,同一ホスト内で同時に複数実行しないでください。同一ホストで複数実行した場合は,あとから実行したコマンドが異常終了します。
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このコマンドの実行中にエラーが発生した場合,データベースをコマンド実行前の状態に戻します。ただし,データベースの回復が不完全であるおそれがあります。エラーが発生した場合は,JP1/AJS3を起動しないで,エラー原因を取り除いて再度リストアを実施してください。
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組み込みDBのリストアでエラーが発生した場合,組み込みDBのデータベース領域が閉塞状態になっているおそれがあります。この状態で再度jajs_dbrestoreコマンドを実行するとエラーが発生します。その場合,次の組み込みDBのコマンドを実行して,データベース領域の閉塞状態を解除してください。閉塞解除後,再度jajs_dbrestoreコマンドを実行し,組み込みDBをリストアしてください。
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操作対象の組み込みDBの起動状態を確認する。
ajsembdbstatus -s ust -id 組み込みDBセットアップ識別子
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操作対象の組み込みDBが起動している場合,組み込みDBの正常停止を行う。
ajsembdbstop -id 組み込みDBセットアップ識別子
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操作対象の組み込みDBを起動する。
ajsembdbstart -id 組み込みDBセットアップ識別子
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組み込みDBのコマンドを実行するために必要な環境変数を設定する。
設定する環境変数については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 9.2.3(2) スクリプトを使用してデータベースを再編成する」の,設定が必要な環境変数を示した表を参照してください。
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データベース領域の閉塞状態を解除する。
pdrels -r ALL -o
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操作対象の組み込みDBの正常停止を行う。
ajsembdbstop -id 組み込みDBセットアップ識別子
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組み込みDBの環境を削除して,再構築したあとにデータを回復する場合は,ajsembdbsetupコマンドが完了した状態でjajs_dbrestoreコマンドを実行してください。
また,ajsembdbaddareaコマンドで組み込みDBのデータベース領域を拡張していた場合は,このコマンドの実行前に同様の拡張を行っておく必要があります。
拡張手順を次に示します。
Windowsの場合
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次のフォルダを退避する。
組み込みDB運用フォルダ※\CONF\embrm
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ajsembdbunsetコマンドを実行する。
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ajsembdbbuildコマンドを実行する。
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ajsembdbsetupコマンドを実行する。
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手順1で退避したフォルダにあるaddareaファイルをaddarea.batにリネームして実行する。
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手順5でリネームしたファイル名をaddareaに戻す。
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手順1で退避したフォルダを次のフォルダにリストアする。
組み込みDB運用フォルダ※\CONF
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手順1で退避したフォルダを削除する。
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組み込みDBのデータをリカバリーする。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.5.3(2) 組み込みDBのデータをリカバリーする」を参照してください。
UNIXの場合
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次のディレクトリを退避する。
組み込みDB運用ディレクトリ※/conf/embrm
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ajsembdbunsetコマンドを実行する。
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ajsembdbbuildコマンドを実行する。
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ajsembdbsetupコマンドを実行する。
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手順1で退避したディレクトリにあるaddareaファイルのパーミッションに実行権限を追加して実行する。
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手順1で退避したディレクトリを次のディレクトリにリストアする。
組み込みDB運用ディレクトリ※/conf
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手順1で退避したディレクトリを削除する。
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組み込みDBのデータをリカバリーする。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.5.3(2) 組み込みDBのデータをリカバリーする」を参照してください。
- 注※
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組み込みDB運用フォルダおよび組み込みDB運用ディレクトリはajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドについては,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
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このコマンドは,同一の論理ホスト上では,次のコマンドと同時に実行できません。
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ajsprofalterコマンド
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ajsembdbstartコマンド
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ajsembdbstopコマンド
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ajsstartコマンド
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ajsstopコマンド
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jajs_hstdコマンド
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jajs_hstd_stopコマンド
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jajs_spmdコマンド
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jajs_spmd_statusコマンド
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jajs_spmd_stopコマンド
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jajs_startコマンド(UNIX限定)
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jajs_start.clusterコマンド(UNIX限定)
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jajs_stopコマンド(UNIX限定)
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jajs_stop.clusterコマンド(UNIX限定)
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戻り値
0 |
正常終了。 |
0以外の値 |
異常終了。 |
使用例
バックアップデータ格納ディレクトリ(/backup)配下のバックアップデータ(/BK_JF0_20190101_000000)を使用して,組み込みDB(_JF0)をリストアします。
jajs_dbrestore -id _JF0 -i /backup/BK_JF0_20190101_000000