jajs_dbbackup
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形式
jajs_dbbackup [-id 組み込みDBセットアップ識別子] -o バックアップデータ格納ディレクトリ [-t タイムアウト時間]
機能
JP1/AJS3の運用中に,組み込みDBのデータのバックアップを取得します。-oオプションに指定したバックアップデータ格納ディレクトリ配下に,バックアップデータを格納します。
このコマンドは,バックアップ強化機能を有効にしている場合だけ実行できます。
組み込みDBが起動状態のときに使用できます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-id 組み込みDBセットアップ識別子
バックアップする組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Z)の4文字で指定します。ajsembdbbuildコマンドの-idオプションで指定した値を指定してください。
このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。
-o バックアップデータ格納ディレクトリ
バックアップデータを格納するディレクトリを指定します。ディレクトリは絶対パスで指定してください。Windows版の場合,指定する絶対パスに空白文字を含む場合はパスを「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んでください。
指定できる文字数は,1〜200(単位:バイト)です。UNIXの場合,ルートディレクトリは指定できません。
バックアップデータは,このオプションで指定したディレクトリ配下に,次のディレクトリ名で出力されます。なお,ディレクトリ名に含まれる「YYYYMMDD_hhmmss」は「西暦年 月 日_時 分 秒」のことです。
- Windowsの場合
-
バックアップデータ格納ディレクトリ\BK組み込みDBセットアップ識別子_YYYYMMDD_hhmmss
- UNIXの場合
-
バックアップデータ格納ディレクトリ/BK組み込みDBセットアップ識別子_YYYYMMDD_hhmmss
-t タイムアウト時間
バックアップ処理のタイムアウト時間を指定します。バックアップ処理のタイムアウト時間であり,コマンド全体のタイムアウト時間ではありません。
指定できる値は,1〜1440(単位:分)です。
省略した場合,10分が仮定されます。
指定した時間内にバックアップ処理が終了しない場合,jajs_dbbackupコマンドは異常終了します。
バックアップデータ格納ディレクトリに必要な容量
バックアップデータ格納ディレクトリは,組み込みDBのデータベースモデルによって,次の表に示すとおり必要な空き容量が異なります。
データベースモデル |
必要な空き容量 |
---|---|
大規模 |
約7,200メガバイト |
中規模 |
約1,900メガバイト |
小規模 |
約700メガバイト |
ajsembdbaddareaコマンドでデータベース領域を拡張している場合は,拡張した容量を合計した容量が必要になります。また,データベース領域の自動増分機能を有効にしている場合は,自動増分による拡張後の容量が必要になります。
自動増分機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.2 データベース領域の見積もり」を参照してください。
注意事項
-
このコマンドを実行している間,ジョブの実行は一時停止します。このため,このコマンドを実行した場合,ジョブネットの開始時刻や終了時刻が遅れることがあります。ジョブ運用への影響を少なくするため,このコマンドはジョブが実行されない時間帯に実行してください。
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ジョブの実行中にこのコマンドを実行した場合,jajs_dbbackupコマンドが異常終了するおそれがあります。jajs_dbbackupコマンドが異常終了した場合は,ジョブが実行されていない時間帯に再実行してください。
-
バックアップ処理が実行中の場合,バックアップ対象の組み込みDBやバックアップ対象の組み込みDB上で動作するスケジューラーサービスについて,次の操作はバックアップ処理が完了するまで一時停止します。
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スケジューラーサービスの起動
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スケジューラーサービスに定義されているユニットを操作するコマンドの実行
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JP1/AJS3 - Viewからスケジューラーサービスの操作
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組み込みDBを操作するコマンドの実行
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スケジューラーサービスに定義されているリモートジョブネットの実行(実行元ホスト)
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スケジューラーサービスに定義されているリモートジョブネットの実行(実行先ホスト)
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JP1/AJS3 - Web Consoleからスケジューラーサービスの操作
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実行エージェントまたは実行エージェントグループの追加,変更,削除※
注※ バックアップ対象の組み込みDB上にエージェント管理データベースが格納されている場合
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JP1/AJS3 - View,JP1/AJS3 - Web Console,またはほかのコマンドを使用してバックアップ対象の組み込みDBや組み込みDB上で動作するスケジューラーサービスが操作されている場合,jajs_dbbackupコマンドが異常終了するおそれがあります。jajs_dbbackupコマンドが異常終了した場合は,バックアップ対象の組み込みDBや組み込みDB上で動作するスケジューラーサービスに対して操作が行われていないか確認し,jajs_dbbackupコマンドを再実行してください。
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実行中のバックアップ処理を中断する場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.5.2(4) 実行中の組み込みDBバックアップ処理をキャンセルする」の手順を実施してください。
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このコマンドをジョブから実行した場合,次の操作を実行してもバックアップは中断されません。
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実行中のジョブやジョブネットの強制終了
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実行中のジョブネットの中断
上記操作を実施した場合,タイムアウト時間に従ったバックアップの中断が実行されません。実行中のバックアップをキャンセルする場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.5.2(4) 実行中の組み込みDBバックアップ処理をキャンセルする」の手順を実施してください。
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JP1/AJS3サービスが正常に起動しない環境でこのコマンドを実行しないでください。JP1/AJS3サービスが正常に起動しない環境で取得したバックアップデータを回復に使用した場合,リカバリー環境で問題が発生するおそれがあります。
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同じバックアップデータ格納ディレクトリを指定したバックアップ運用を続けると,バックアップデータ格納ディレクトリを含むディスクの容量が不足する場合があります。ディスク容量の不足が発生しないよう,定期的にバックアップデータ格納ディレクトリ配下の不要なバックアップデータを削除してください。
戻り値
0 |
正常終了。 |
0以外の値 |
異常終了。 |
バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)
このコマンドを実行してバックアップが正常に終了すると,バックアップデータに,バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)が出力されます。
バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)の出力例を次に示します。
[SETUP-ID] _JF0 [BACKUP START TIME] 2019/06/25 00:00:00 [BACKUP END TIME] 2019/06/25 00:05:00 [BACKUP RESULT] SUCCEEDED
出力内容の意味を次に示します。
- [SETUP-ID]
-
バックアップを取得した組み込みDBのセットアップ識別子が出力されます。
- [BACKUP START TIME]
-
バックアップの開始時刻が出力されます。
- [BACKUP END TIME]
-
バックアップの終了時刻が出力されます。
- [BACKUP RESULT]
-
バックアップの終了ステータスが出力されます。
表示される終了ステータスを次に示します。
終了ステータス
説明
SUCCEEDED
正常終了
FAILED
異常終了
jajs_dbrestoreコマンドを使用してリカバリーするとき,この項目が「SUCCEEDED」になっているバックアップデータだけ使用できます。
使用例
組み込みDB(_JF0)のバックアップを取得し,バックアップデータ格納ディレクトリ(/backup)に格納します。
jajs_dbbackup -id _JF0 -o /backup