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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


jajs_dbbackup

〈このページの構成〉

形式

jajs_dbbackup
     [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
     -o バックアップデータ格納ディレクトリ
     [-t タイムアウト時間]

機能

JP1/AJS3の運用中に,組み込みDBのデータのバックアップを取得します。-oオプションに指定したバックアップデータ格納ディレクトリ配下に,バックアップデータを格納します。

このコマンドは,バックアップ強化機能を有効にしている場合だけ実行できます。

組み込みDBが起動状態のときに使用できます。

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

引数

-id 組み込みDBセットアップ識別子

バックアップする組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Z)の4文字で指定します。ajsembdbbuildコマンドの-idオプションで指定した値を指定してください。

このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。

-o バックアップデータ格納ディレクトリ

バックアップデータを格納するディレクトリを指定します。ディレクトリは絶対パスで指定してください。Windows版の場合,指定する絶対パスに空白文字を含む場合はパスを「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んでください。

指定できる文字数は,1〜200(単位:バイト)です。UNIXの場合,ルートディレクトリは指定できません。

バックアップデータは,このオプションで指定したディレクトリ配下に,次のディレクトリ名で出力されます。なお,ディレクトリ名に含まれる「YYYYMMDD_hhmmss」は「西暦年 月 日_時 分 秒」のことです。

Windowsの場合

バックアップデータ格納ディレクトリ\BK組み込みDBセットアップ識別子_YYYYMMDD_hhmmss

UNIXの場合

バックアップデータ格納ディレクトリ/BK組み込みDBセットアップ識別子_YYYYMMDD_hhmmss

-t タイムアウト時間

バックアップ処理のタイムアウト時間を指定します。バックアップ処理のタイムアウト時間であり,コマンド全体のタイムアウト時間ではありません。

指定できる値は,1〜1440(単位:分)です。

省略した場合,10分が仮定されます。

指定した時間内にバックアップ処理が終了しない場合,jajs_dbbackupコマンドは異常終了します。

バックアップデータ格納ディレクトリに必要な容量

バックアップデータ格納ディレクトリは,組み込みDBのデータベースモデルによって,次の表に示すとおり必要な空き容量が異なります。

表3‒26 組み込みDBのデータベースモデルと必要な空き容量

データベースモデル

必要な空き容量

大規模

約7,200メガバイト

中規模

約1,900メガバイト

小規模

約700メガバイト

ajsembdbaddareaコマンドでデータベース領域を拡張している場合は,拡張した容量を合計した容量が必要になります。また,データベース領域の自動増分機能を有効にしている場合は,自動増分による拡張後の容量が必要になります。

自動増分機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.2 データベース領域の見積もり」を参照してください。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

0以外の値

異常終了。

バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)

このコマンドを実行してバックアップが正常に終了すると,バックアップデータに,バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)が出力されます。

バックアップ情報ファイル(backupinfo.txt)の出力例を次に示します。

[SETUP-ID]
_JF0
 
[BACKUP START TIME]
2019/06/25 00:00:00
 
[BACKUP END TIME]
2019/06/25 00:05:00
 
[BACKUP RESULT]
SUCCEEDED

出力内容の意味を次に示します。

[SETUP-ID]

バックアップを取得した組み込みDBのセットアップ識別子が出力されます。

[BACKUP START TIME]

バックアップの開始時刻が出力されます。

[BACKUP END TIME]

バックアップの終了時刻が出力されます。

[BACKUP RESULT]

バックアップの終了ステータスが出力されます。

表示される終了ステータスを次に示します。

終了ステータス

説明

SUCCEEDED

正常終了

FAILED

異常終了

jajs_dbrestoreコマンドを使用してリカバリーするとき,この項目が「SUCCEEDED」になっているバックアップデータだけ使用できます。

使用例

組み込みDB(_JF0)のバックアップを取得し,バックアップデータ格納ディレクトリ(/backup)に格納します。

jajs_dbbackup -id _JF0 -o /backup