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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


ajscalutil

〈このページの構成〉

形式

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     [-o|-a|-x|-v|
      -s {db|da|be|af},シフト日数[,シフト猶予日数] |
      -t {be|af}[,振り替え猶予日数] ]
     [-cg ジョブグループ名 | -cf カレンダー情報ファイル名]
     [-Xg ジョブグループ名 | -Xf カレンダー情報ファイル名]
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}...

形式1(運用日のOR条件でのマージ)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     [-o] {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}...

形式2(運用日のAND条件でのマージ)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     -a {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}...

形式3(運用日の除外)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     -x
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}
     {-Xg ジョブグループ名 | -Xf カレンダー情報ファイル名}

形式4(運用日および休業日の反転)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     -v
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}

形式5(運用日の前後シフト)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     -s {db|da|be|af},シフト日数[,シフト猶予日数]
     [-cg ジョブグループ名 | -cf カレンダー情報ファイル名]
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}

形式6(休業日の振り替え)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     -t {be|af}[,振り替え猶予日数]
     {-cg ジョブグループ名 | -cf カレンダー情報ファイル名}
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}

形式7(カレンダー情報の期間抽出)

ajscalutil
     [-F スケジューラーサービス名]
     -b /[/] -e /[/]
     {-g ジョブグループ名 | -f カレンダー情報ファイル名}

機能

複数のカレンダー情報を組み合わせて計算し(これをカレンダー計算と呼びます),カレンダー情報ファイル形式で標準出力ファイルに出力します。出力した結果をajscalendarコマンドの-dfオプションに指定することで,組み合わせたカレンダー情報をジョブグループに定義できます。ajscalendarコマンドについては,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajscalendar」を参照してください。また,ajscalutilコマンドの-cf-Xf-fオプションに指定することで,複数のカレンダー計算の結果を組み合わせることができます。

なお,出力される情報は,運用日および休業日のユニット定義パラメーターです。ajscalutilコマンドに指定できるユニット定義パラメーターの形式については,注意事項を参照してください。

実行権限

ジョブグループ名を指定する場合

次に示すJP1権限レベルを与えられたユーザー

  • JP1_AJS_Admin権限

  • JP1_AJS_Manager権限

  • JP1_AJS_Editor権限

  • JP1_AJS_Operator権限

  • JP1_AJS_Guest権限

ジョブグループ名を指定しない場合

なし

引数

-F スケジューラーサービス名

処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。

-b /[/]

カレンダー情報を出力する期間の開始日を指定します。このオプションは省略できません。

  • 指定できる値は,1994〜2036(単位:西暦年)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜12(単位:月)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。省略した場合,「1」が仮定されます。

-e /[/]

カレンダー情報を出力する期間の終了日を指定します。このオプションは省略できません。

  • 指定できる値は,1994〜2036(単位:西暦年)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜12(単位:月)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。省略した場合,「年」および「月」に指定した年月の最終日が仮定されます。

-o

-g-fオプションで指定したカレンダー情報の運用日を,OR条件でマージします。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションを合わせて8回まで指定できます。

このオプションは,-a-x-v-s-t-cg-cf-Xg,および-Xfオプションとは同時に指定できません。

-o-a-x-v-s-tオプションが一つも指定されなかった場合,-oオプションを仮定します。

-a

-g-fオプションで指定したカレンダー情報の運用日を,AND条件でマージします。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションを合わせて8回まで指定できます。

このオプションは,-o-x-v-s-t-cg-cf-Xg,および-Xfオプションとは同時に指定できません。

-x

-Xg-Xfオプションで指定したカレンダー情報の運用日を,-g-fオプションで指定したカレンダー情報に,休業日として反映します。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションのどちらかを1回だけ指定できます。

このオプションは,-o-a-v-s-t-cg-cfオプションとは同時に指定できません。

-v

-g-fオプションで指定したカレンダー情報の運用日と休業日を反転します。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションのどちらかを1回だけ指定できます。

このオプションは,-o-a-x-s-t-cg-cf-Xg-Xfオプションとは同時に指定できません。

-s {db|da|be|af},シフト日数[,シフト猶予日数]

運用日のシフト条件を指定します。

-g-fオプションで指定したカレンダー情報の運用日をシフト対象として,指定された条件で運用日が前後にシフトされます。

  • db

    指定したシフト日数分,運用日を前にシフトします。

  • da

    指定したシフト日数分,運用日を後ろにシフトします。

  • be

    シフト対象の運用日を,-cg-cfオプションで指定したカレンダー情報の運用日で,指定したシフト日数分だけ前にシフトします。

  • af

    シフト対象の運用日を,-cg-cfオプションで指定したカレンダー情報の運用日で,指定したシフト日数分だけ後ろにシフトします。

  • シフト日数

    シフトする日数を指定します。指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。

  • シフト猶予日数

    シフトできる期間(日数)を指定します。指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。省略した場合,31が仮定されます。

beまたはafを指定した場合,シフト猶予日数の期間内にシフト後の運用日がない場合は,シフト対象の運用日は休業日となります。シフトの考え方は,スケジュールルールの起算スケジュールと同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 3.3.2(1)(g) 起算スケジュール」を参照してください。なお,シフト日数にシフト猶予日数より大きい値は指定できません。

dbまたはdaを指定した場合,-cg-cfオプションおよびシフト猶予日数は指定されていても無視されます。

beまたはafを指定した場合は,-cg-cfオプションのどちらかを必ず指定してください。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションのどちらかを1回だけ指定できます。

このオプションは,-o-a-x-v-t-Xg-Xfオプションとは同時に指定できません。

-t {be|af}[,振り替え猶予日数]

休業日の振り替え条件を指定します。

-g-fオプションで指定したカレンダー情報の運用日を振り替え対象として,-cg,-cfオプションで指定したカレンダー情報の休業日と比較します。振り替え対象の運用日が,比較対象の休業日と重なっている場合は,比較対象のカレンダーで重なった日付の前後の日付で最も近い運用日に振り替えられます。

  • be

    重なった休業日より前の日付で,最も近い運用日の日付に振り替えます。

  • af

    重なった休業日より後ろの日付で,最も近い運用日の日付に振り替えます。

  • 振り替え猶予日数

    振り替えできる期間(日数)を指定します。指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。省略した場合,31が仮定されます。

振り替え猶予日数の期間内に振り替え後の運用日がない場合は,振り替え対象の運用日は休業日となります。休業日の振り替えの考え方については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 3.3.2(1)(c) 休業日の振り替え」を参照してください。

このオプションを指定した場合は,-cg-cfオプションのどちらかを必ず指定してください。

このオプションを指定した場合,-g-fオプションのどちらかを1回だけ指定できます。

このオプションは,-o-a-x-v-s-Xg-Xfオプションとは同時に指定できません。

-cg ジョブグループ名

運用日のシフト,または休業日の振り替えで,比較対象のカレンダー情報が定義されたジョブグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。

このオプションは,-s-tオプションと同時に指定してください。

ジョブグループ名に,スケジューラーサービス名,論理ホスト名,実行ID,および総称名は指定できません。

-cf カレンダー情報ファイル名

運用日のシフト,または休業日の振り替えで,比較対象のカレンダー情報が定義されたカレンダー情報ファイルを指定します。ajscalutilコマンドで出力したカレンダー情報ファイルを指定することで,複数の計算結果を組み合わせることができます。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

ファイル名としてstdinを指定した場合,標準入力からカレンダー情報を入力します。

このオプションは,-s-tオプションと同時に指定してください。

-Xg ジョブグループ名

運用日を除外するカレンダー情報が定義されたジョブグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。

このオプションは,-xオプションと同時に指定してください。

ジョブグループ名に,スケジューラーサービス名,論理ホスト名,実行ID,および総称名は指定できません。

-Xf カレンダー情報ファイル名

運用日を除外するカレンダー情報が定義されたカレンダー情報ファイルを指定します。ajscalutilコマンドで出力したカレンダー情報ファイルを指定することで,複数の計算結果を組み合わせることができます。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

カレンダー情報ファイル名としてstdinを指定した場合,標準入力からカレンダー情報を入力します。

このオプションは,-xオプションと同時に指定してください。

-g ジョブグループ名

カレンダー計算の元となるカレンダー情報が定義されたジョブグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。

-o-aオプションを指定した場合は,-fオプションと合わせて8回まで指定できます。

ジョブグループ名に,スケジューラーサービス名,論理ホスト名,実行ID,および総称名は指定できません。

-f カレンダー情報ファイル名

カレンダー計算の元となるカレンダー情報が定義されたカレンダー情報ファイルを指定します。ajscalutilコマンドで出力したカレンダー情報ファイルを指定することで,複数の計算結果を組み合わせることができます。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

ファイル名としてstdinを指定した場合,標準入力からカレンダー情報を入力します。

-o-aオプションを指定した場合は,-gオプションと合わせて8回まで指定できます。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

4〜124で4の倍数値

異常終了。

補足事項

使用例1

複数のジョブグループ(/CAL/業務Aと/CAL/業務B)のカレンダー情報をOR条件で組み合わせて,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/4 -e 2017/3 -o -g /CAL/業務A -g /CAL/業務B

[図データ]

使用例2

複数のジョブグループ(/CAL/業務Cと/CAL/業務D)のカレンダー情報をAND条件で組み合わせて,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/4 -e 2017/3 -a -g /CAL/業務C -g /CAL/業務D

[図データ]

使用例3

ジョブグループ「/CAL/業務C」のカレンダー情報に,ジョブグループ「/CAL/業務E」の運用日を休業日として反映して,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -x -g /CAL/業務C -Xg /CAL/業務E

[図データ]

使用例4

ジョブグループ「/CAL/業務A」の運用日と休業日を反転して,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -v -g /CAL/業務A

[図データ]

使用例5

ジョブグループ「/CAL/業務A」のカレンダー情報を1日前にシフトして,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -s db,1 -g /CAL/業務A

[図データ]

使用例6

ジョブグループ「/CAL/業務F」のカレンダー情報を,ジョブグループ「/CAL/業務G」のカレンダー情報と比較し,2運用日分後ろにシフトして,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -s af,2 -cg /CAL/業務G -g /CAL/業務F

[図データ]

使用例7

ジョブグループ「/CAL/業務H」のカレンダー情報を,ジョブグループ「/CAL/業務G」のカレンダー情報と比較し,次の運用日に振り替えて,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -t af -cg /CAL/業務H -g /CAL/業務G

[図データ]

使用例8

締め日の2営業日後が定義されているカレンダー情報と,システムの運用日が定義されているカレンダー情報をOR条件で組み合わせて,標準出力ファイルに出力します。なお,カレンダー情報が次に示すジョブグループに定義されているものとします。

この場合,ジョブグループ「/CAL/締め日」のカレンダー情報を,ジョブグループ「/CAL/営業日」のカレンダー情報と比較し,2運用日後ろにシフトして,カレンダー情報ファイル「C:\temp\cal.txt」に出力します。

次に,カレンダー情報ファイル「C:\temp\cal.txt」のカレンダー情報と,ジョブグループ「/CAL/システム運用日」のカレンダー情報をOR条件で組み合わせて,標準出力ファイルに出力します。

ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -s af,2 -cg /CAL/営業日 -g /CAL/締め日 > C:\temp\cal.txt
ajscalutil -b 2016/5 -e 2016/5 -o -g /CAL/システム運用日 -f "C:\temp\cal.txt"

出力例

cl=2016/05/01;
op=2016/05/02;
cl=2016/05/03;
  :
cl=2016/05/29;
op=2016/05/30;
op=2016/05/31;