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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


ajsagtadd

〈このページの構成〉

形式

ajsagtadd
     [-h 論理ホスト名]
     {-a 実行エージェント名 [-s 実行ホスト名]
       [-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...]
       [-t {e|i|h|b}] [-d 説明文] |
      -g 実行エージェントグループ名 [-l 実行エージェント名[:優先順位],...]
       [-t {e|i|h|b}] [-d 説明文] |
      -f 実行エージェント定義ファイル名 [-i]}

形式1(実行エージェントの追加)

ajsagtadd
     [-h 論理ホスト名]
     -a 実行エージェント名
     [-s 実行ホスト名]
     [-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...]
     [-t {e|i|h|b}]
     [-d 説明文]

形式2(実行エージェントグループの追加)

ajsagtadd
     [-h 論理ホスト名]
     -g 実行エージェントグループ名
     [-l 実行エージェント名[:優先順位],...]
     [-t {e|i|h|b}]
     [-d 説明文]

形式3(実行エージェントまたは実行エージェントグループの一括追加)

ajsagtadd
     [-h 論理ホスト名]
     -f 実行エージェント定義ファイル名
     [-i]

機能

実行エージェントまたは実行エージェントグループを追加します。

実行エージェント定義ファイルに追加情報を定義して一括登録することもできます。

実行権限

次に示すJP1権限レベルを与えられたユーザー

引数

-h 論理ホスト名

実行エージェントまたは実行エージェントグループを追加する自ホストの論理ホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

このオプションを省略した場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合は,物理ホスト名が仮定されます。

物理ホストの場合,このオプションおよび環境変数JP1_HOSTNAMEを指定しないでください。

-a 実行エージェント名

追加する実行エージェント名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

-g 実行エージェントグループ名

追加する実行エージェントグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

-f 実行エージェント定義ファイル名

実行エージェント定義ファイルを使用して実行エージェントまたは実行エージェントグループを追加する場合にファイル名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

実行エージェント定義ファイルの記述方法については,後述の「実行エージェント定義ファイルの定義方法」を参照してください。実行エージェント定義ファイルの形式は,ajsagtprintコマンドの出力形式と同じです。

なお,実行エージェント定義ファイルに記載されているデフォルト実行エージェント(実行エージェント名が@SYSTEMの実行エージェント)については,ジョブ実行多重度とコメントだけ設定を変更できます。

-s 実行ホスト名

ジョブの実行先ホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

省略した場合は,実行エージェント名が仮定されます。

このオプションは,-aオプションを指定している場合だけ指定できます。

-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...

ジョブ実行多重度を設定する時間帯と,その時間帯のジョブ実行多重度を指定します。

ジョブ実行多重度を指定すると,この実行エージェントで同時に実行できるジョブ数を制限できます。同時実行数が制限されるジョブは,UNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,および引き継ぎ情報設定ジョブです。同時に実行しようとしたジョブ数が,ジョブ実行多重度に達した場合,それを超えた分のジョブは,実行中のジョブが終了するまでキューイング(実行待ち)の状態になります。

時間帯は,時刻と時刻とを「-(ハイフン)」でつないで指定します。時刻は30分単位で「hh:mm」の形式で指定します。

hhに指定できる値は,0または00〜23(単位:時)です。

mmに指定できる値は,0,00,または30(単位:分)です。

ジョブ実行多重度に指定できる値は,0〜4,294,967,295です。

省略した場合は,00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度が5)が仮定されます。

時間帯とジョブ実行多重度は複数指定できます。複数の時間帯を指定する場合は,「時刻-時刻=ジョブ実行多重度」の組み合わせを「,(コンマ)」で区切って指定します。途中に空白を含めないでください。指定できる時間帯の数は48までです。時間帯を重複して指定した場合は,あとで指定した値が反映されます。例えば,「-c 1:00-2:30=5,2:00-4:00=10」と指定した場合,重複している2:00〜2:30のジョブ実行多重度は10となります。

ジョブ実行多重度を指定しなかった時間帯には,ジョブ実行多重度0が仮定されます。例えば,「-c 1:00-5:00=10」だけ指定した場合,00:00〜1:00のジョブ実行多重度は0,1:00〜5:00のジョブ実行多重度は10,5:00〜00:00のジョブ実行多重度は0になります。

コマンドを実行した時刻を含む時間帯を指定した場合,ジョブ実行多重度はすぐに変更されます。

このオプションは,-aオプションを指定している場合だけ指定できます。

-l 実行エージェント名[:優先順位],...

実行エージェントグループに関連づける実行エージェント名とそのグループ内での優先順位を「:(コロン)」で区切って指定します。

実行エージェント名にはすでに登録済みの実行エージェントを指定します。

実行エージェント名に指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

優先順位に指定できる値は,1〜16です。優先順位がいちばん低いのが1,いちばん高いのが16です。優先順位が高いほど,ジョブが優先的に実行されます。省略した場合,16が仮定されます。

実行エージェントグループに複数の実行エージェントを関連づける場合は,「実行エージェント名[:優先順位]」の組み合わせを「,(コンマ)」で区切って指定します。途中に空白は含めないでください。関連づけできる実行エージェントの数は1,024(環境設定パラメーターAGENTLIMITEXTENDが「2」の場合は2,048)までです。

このオプションは,-gオプションを指定している場合だけ指定できます。

-t {e|i|h|b}

実行エージェントまたは実行エージェントグループのジョブの受付配信制限の状態を指定します。

状態

説明

e

有効

ジョブを受け付け,実行ホストに配信されます。

i

無効

ジョブを受け付けません。ただし,すでに受け付けたジョブは実行ホストに配信されます。

h

保留

ジョブを受け付けます。ただし,実行ホストには配信されません。

b

閉塞

ジョブを受け付けません。また,実行ホストにも配信されません。

省略した場合は,eが仮定されます。

このオプションは,-aオプションまたは-gオプションを指定している場合だけ指定できます。

-d 説明文

追加する実行エージェントまたは実行エージェントグループに対するコメントを文字列で指定します。

指定できる文字数は,1〜80(単位:バイト)です。

このオプションは,-aオプションまたは-gオプションを指定している場合だけ指定できます。

-i

実行エージェント定義ファイルを指定して実行エージェントまたは実行エージェントグループを一括登録する際,追加の途中でエラーが発生しても追加処理を続行する場合に指定します。

省略した場合,エラーが発生した時点で追加処理を中断します。この場合,途中でエラーが発生すると,その時点までに追加された実行エージェントおよび実行エージェントグループはそのままの状態になります。

このオプションは,実行エージェント定義ファイルの内容が正しい場合に有効になります。実行エージェント定義ファイルの内容に誤りがある場合は,何も登録しないで終了します。

このオプションは,-fオプションを指定している場合に指定できます。

このオプションを指定して実行エージェントまたは実行エージェントグループを一括登録した場合は,ajsagtshowコマンドまたはajsagtprintコマンドで実行結果を確認してください。ajsagtshowコマンドおよびajsagtprintコマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtshow」および「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtprint」を参照してください。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

4

  • コマンド実行時の環境変数が不正である。

  • JP1/AJS3サービスが起動されていない。

  • -hオプション指定時,指定された論理ホストがない,または環境設定に誤りがある。

  • 追加しようとした実行エージェントと同じ名称の実行エージェントがすでにある。

  • 実行エージェントの最大定義数を超える。

  • 実行エージェントグループの最大定義数を超える。

  • 認証サーバが起動していない。

  • JP1/AJS3サービスとの通信でエラーが発生した。

8

コマンド引数の指定に誤りがある。

12

コマンド処理中にメモリー不足が発生した。

20

共有メモリーのアクセスが排他エラーで失敗した。

24

コマンド実行権限がない。

28

実行エージェント定義ファイルの内容に誤りがある。

36

実行エージェント定義ファイルのアクセス時にエラーが発生した。

40

共有メモリーの割り当て,ファイルディスクリプタの割り当て,排他資源の割り当ての際,システムの限界値を超えた。

120

  • OSのシステムコールで予期しないエラーを検知した。

  • データベースの領域不足,または増分に失敗した。

  • データベースへのアクセスが排他エラーで失敗した。

  • データベースの入出力でエラーが発生した。

124

JP1/AJSの内部処理で予期しないエラーを検知した。

補足事項

ジョブ実行多重度の指定例を次に示します。

実行エージェント定義ファイルの定義方法

実行エージェント定義ファイルの定義方法を次に示します。

実行エージェントおよび実行エージェントグループの記述方法を次に示します。

実行エージェントの定義

形式
"フラグ","実行エージェント名","実行先ホスト名","ジョブ実行多重度","受付配信制限の状態","説明文"
引数
  • フラグ

    A」を指定します。実行エージェントの定義であることを意味します。

  • 実行エージェント名

    追加する実行エージェント名を指定します。

    指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

    実行エージェント名は省略できません。

  • 実行先ホスト名

    ジョブの実行先ホスト名を指定します。

    指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

    省略した場合は,実行エージェント名が仮定されます。

  • ジョブ実行多重度

    ジョブ実行多重度を設定する時間帯と,その時間帯のジョブ実行多重度を指定します。

    時間帯は,時刻と時刻とを「-(ハイフン)」でつないで指定します。時刻は30分単位で「hh:mm」の形式で指定します。

    hhに指定できる値は,0または00〜23(単位:時)です。

    mmに指定できる値は,0,00,または30(単位:分)です。

    ジョブ実行多重度に指定できる値は,0〜4,294,967,295です。

    省略した場合は,00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度が5)が仮定されます。

    複数の時間帯を指定する場合は,「時刻-時刻=ジョブ実行多重度」の組み合わせを「,(コンマ)」で区切って指定します。

  • 受付配信制限の状態

    実行エージェントを追加したときのジョブの受付配信制限の状態について,次のどれかを指定します。

    状態

    説明

    Ef

    有効

    ジョブを受け付け,実行ホストに配信されます。

    In

    無効

    ジョブを受け付けません。ただし,すでに受け付けたジョブは実行ホストに配信されます。

    Hd

    保留

    ジョブを受け付けます。ただし,実行ホストには配信されません。

    Bl

    閉塞

    ジョブを受け付けません。また,実行ホストにも配信されません。

    省略した場合は,Efが仮定されます。

  • 説明文

    追加する実行エージェントに対するコメントを文字列で指定します。

    指定できる文字数は,1〜80(単位:バイト)です。

記述例

次に示す実行エージェントを定義します。

  • 実行エージェント名:AGT01

  • 実行先ホスト名:HOST01

  • ジョブ実行多重度:0:00〜12:00のジョブ実行多重度を10,12:00〜0:00のジョブ実行多重度を20

  • 受付配信制限の状態:ジョブを受け付けません。また,実行ホストにも配信されません。

  • 説明文:AGT01 実行エージェント

"A","AGT01","HOST01","00:00-12:00=10,12:00-00:00=20","Bl","AGT01 実行エージェント"

実行エージェントグループの定義

形式
"フラグ","実行エージェントグループ名","接続先実行エージェントと優先順位","受付配信制限の状態","説明文"
引数
  • フラグ

    G」を指定します。実行エージェントグループの定義であることを意味します。

  • 実行エージェントグループ名

    追加する実行エージェントグループ名を指定します。

    指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

    実行エージェントグループ名は省略できません。

  • 接続先実行エージェントと優先順位

    実行エージェントグループに関連づける実行エージェント名とそのグループ内での優先順位を「:(コロン)」で区切って指定します。

    実行エージェント名にはすでに登録済みの実行エージェントを指定します。

    実行エージェント名に指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

    優先順位に指定できる値は,1〜16です。優先順位がいちばん低いのが1,いちばん高いのが16です。優先順位が高いほど,ジョブが優先的に実行されます。

    実行エージェントグループに複数の実行エージェントを関連づける場合は,「実行エージェント名[:優先順位]」の組み合わせを「,(コンマ)」で区切って指定します。途中に空白は含めないでください。

    関連づけできる実行エージェントの数は1,024(環境設定パラメーターAGENTLIMITEXTENDが「2」の場合は2,048)までです。

    省略した場合,接続先実行エージェントは設定されません。

  • 受付配信制限の状態

    実行エージェントグループを追加したときのジョブの受付配信制限の状態について,次のどれかを指定します。

    状態

    説明

    Ef

    有効

    ジョブを受け付け,実行ホストに配信されます。

    In

    無効

    ジョブを受け付けません。ただし,すでに受け付けたジョブは実行ホストに配信されます。

    Hd

    保留

    ジョブを受け付けます。ただし,実行ホストには配信されません。

    Bl

    閉塞

    ジョブを受け付けません。また,実行ホストにも配信されません。

    省略した場合は,Efが仮定されます。

  • 説明文

    追加する実行エージェントグループに対するコメントを文字列で指定します。指定できる文字数は,1〜80(単位:バイト)です。

記述例

次に示す実行エージェントグループを定義します。

  • 実行エージェントグループ名:AGTGRP01

  • 接続先実行エージェントと優先順位:AGT01(優先順位:1),AGT02(優先順位:指定なし)

  • 受付配信制限の状態:ジョブを受け付けます。ただし,実行ホストには配信されません。

  • 説明文:AGTGRP01 実行エージェントグループ

"G","AGTGRP01","AGT01:1,AGT02","Hd","AGTGRP01 実行エージェントグループ"

使用例1

実行ホスト「AP1」と同じ名称の実行エージェントを追加します。

ajsagtadd -a AP1

使用例2

01:00〜05:00のジョブ実行多重度を1とする実行エージェント「AP1」を追加します。

ajsagtadd -a AP1 -c 01:00-05:00=1

使用例3

実行エージェント「AP1(優先順位:16)」,「AP2(優先順位:指定なし)」,および「AP3(優先順位:5)」が属する実行エージェントグループ「APG1」を追加します。

ajsagtadd -g APG1 -l AP1:16,AP2,AP3:5