Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


ajs2collectcore(UNIX限定)

〈このページの構成〉

形式

ajs2collectcore
     [-b]
     [-c]
     [-f 出力パス名]
     [-l]
     [-s]
     [コアダンプがあるディレクトリまたはコアダンプファイル...]

機能

次に示すディレクトリ配下にあるコアダンプファイル(ファイル名:core,core-,およびcore.で始まるファイル)を探索し,見つかったコアダンプファイルに対する解析情報を採取します。

ajs2collectcoreコマンドで採取できる情報を次の表に示します。

表3‒1 ajs2collectcoreコマンドで採取できる情報

採取情報

内容

出力ファイル名※1

コアダンプ

コアダンプファイル(core)の取得

core.Z

バックトレース情報

コアダンプに対する一次解析情報の出力

coreinfo.backtrace.Z※2

共有メモリー情報

ISAM,スケジューラーサービス,および接続元制限機能が使用する共有メモリーの内容を出力

coreinfo-ISAM.shmdump.tar.Z

coreinfo-scheduler.shmdump.Z

coreinfo-pmtcon_m.shmdump.physical.Z

coreinfo-pmtcon_a.shmdump.physical.Z

coreinfo-pmtcon_m.shmdump.logical.Z

coreinfo-pmtcon_a.shmdump.logical.Z

共有ライブラリー情報

次のディレクトリ以外にある共有ライブラリー情報の取得

  • /opt/jp1ajs2/lib/

  • /opt/jp1ajs2v/lib/

  • /opt/jp1base/lib/

coreinfo-analyze.tar.Z※2

注※1

採取した資料は,ajs2collectcoreで圧縮します。OSごとの圧縮方法を次に示します。

Linuxの場合

gzipコマンドで資料を圧縮します。ファイル名の拡張子は「.gz」です。gzipコマンドをインストールしていない場合,資料は圧縮されません。このとき,出力ファイル名には拡張子「.gz」は付加されません。また,compressコマンドは使用されません。

Linux以外のUNIXの場合

compressコマンドで資料を圧縮し,ファイル名の拡張子は「.Z」です。compressコマンドをインストールしていない場合は,gzipコマンドがインストールされていれば,compressコマンドの代わりにgzipコマンドで資料が圧縮されます。この場合,出力ファイル名の拡張子は「.gz」です。compressコマンドおよびgzipコマンドをインストールしていない場合,資料は圧縮されません。このとき,出力ファイル名には拡張子「.Z」および「.gz」は付加されません。

注※2

コアダンプ数分,出力されます。

採取されたファイルは,出力先ディレクトリ(デフォルトは/tmp/jp1ajs2/core_analyze/)の下に次の例に示すように出力されます。

(例)

/opt/jp1ajs2/bin/にcoreがある状態でこのコマンドを実行した場合(出力先はデフォルト)

/tmp/jp1ajs2/core_analyze/opt/jp1ajs2/bin/

また,採取した情報のファイルリストも同時に出力されます。ファイルリストは出力先ディレクトリの直下に出力されます。ファイル名は次のとおりです。

Ajs2collectcore_filelist.log

実行権限

スーパーユーザー権限

格納先ディレクトリ

/opt/jp1ajs2/tools/

引数

-b

採取対象となるコアダンプファイルのバックトレース情報だけを採取します。

-c-l,または-sオプションと同時に指定することで,バックトレース情報以外の情報も合わせた部分採取ができます。-c-l,または-sオプションが指定され,このオプションを省略した場合は,バックトレース情報は採取されません。

-c

採取対象となるコアダンプファイルだけを採取します。

-b-l,または-sオプションと同時に指定することで,コアダンプファイル以外の情報も合わせた部分採取ができます。-b-l,または-sオプションが指定され,このオプションを省略した場合は,コアダンプファイルは採取されません。

-f 出力パス名

採取するコアダンプ情報の格納先を,空白文字を含まない絶対パスで指定します。相対パスで指定した場合,このコマンドは引数エラーで異常終了します。また,指定したパス名に空白文字が含まれている場合,空白文字直前までの文字列が出力パス名とされ,空白文字以降の文字列は別の引数と見なされます。

このオプションを指定した場合,出力パスの配下にコアダンプ情報が格納されます。指定した出力パスがない場合は,ディレクトリ作成確認のメッセージが出力されます。このとき「y」を入力するとディレクトリが作成されます。「n」を入力すると,情報は採取されません。

省略した場合,「/tmp/jp1ajs2/core_analyze」が仮定されます。

-l

採取対象となるJP1/AJS3で提供しているライブラリー以外の共有ライブラリー情報だけを採取します。

-b-c,または-sオプションと同時に指定することで,共有ライブラリー情報以外の情報も合わせた部分採取ができます。-b-c,または-sオプションが指定され,このオプションを省略した場合は,共有ライブラリー情報は採取されません。

-s

採取対象となる共有メモリー情報だけを採取します。

このとき,出力先ディレクトリ直下にcoreinfo-ISAM.shmdump_*coreinfo-Scheduler.shmdump_*coreinfo-pmtcon_{m | a}.shmdump.physical_*,またはcoreinfo-pmtcon_{m | a}.shmdump.logical*_*がある場合,ファイルの末尾に「.bk」を付けて退避します。

-b-c,または-lオプションと同時に指定することで,共有メモリー情報以外の情報も合わせた部分採取ができます。-b-c,または-lオプションが指定され,このオプションを省略した場合は,共有メモリー情報は採取されません。

コアダンプがあるディレクトリまたはコアダンプファイル

標準で採取対象となるコアダンプの探索パス配下(「機能」を参照)以外の,追加探索したいコアダンプのディレクトリパス,またはファイル名を,空白文字を含まない絶対パスで指定します。相対パスで指定した場合,このコマンドは引数エラーで異常終了します。また,指定したパス名に空白文字が含まれている場合,空白文字直前までの文字列が出力パス名とされ,空白文字以降の文字列は別の引数と見なされます。

探索パス内にコアダンプ(ファイル名:core,core-,およびcore.で始まるファイル)があれば,バックトレース情報および共有ライブラリー情報を取得します。

コアダンプがあるディレクトリまたはコアダンプファイルを指定しない場合,次のディレクトリ下のコアダンプを検索します。

  • /opt/jp1ajs2/配下

  • /var/opt/jp1ajs2/配下

  • /opt/jp1ajs2v/配下

  • /opt/jp1base/bin/配下

  • /tmp/jp1ajs2/ajs2gencore_create/配下

  • /var/lib/systemd/coredump/配下

注意事項

  1. このコマンドの実行時,出力パス内に同じ名称のファイルがある場合は,上書き確認のメッセージが出力されます。このとき「y」を入力すると上書きされ,「n」を入力すると情報の採取は行いません。

  2. 複数のコアダンプファイルがある場合は,すべてに対する情報を採取します。

  3. 引数でコアダンプがあるディレクトリ,またはファイルを指定する場合,指定する先にあるcore,core-,およびcore.で始まるファイル名は,コアダンプファイルだけであることを確認してから実行してください。

  4. このコマンドを同時に複数起動する場合は,-fオプションを指定して,指定する出力先ディレクトリをそれぞれ別のディレクトリへ分けて出力するようにしてください。

  5. ISAM共有メモリー情報を採取するとき,出力先ディレクトリの容量不足によって coreinfo-ISAM.shmdump.tar として出力できない場合があります。この場合,末尾に「.bk」を含まないcoreinfo-ISAM.shmdump_*ファイルの有無を確認してください。該当するファイルがある場合は,それらのファイルがISAM共有メモリー情報となるので,別のディスク領域でtarコマンド実行したあと,資料として送付してください。

  6. プロセスがコアダンプファイルを出力したあとに対象プロセスの実行ファイルが更新されると,すでに出力していたコアダンプファイルの解析情報がうまく収集されないため注意してください。

  7. ajs2collectcoreコマンドでは,バックトレース情報を採取するために,fileコマンドで出力されるモジュール名を使用しています。このため,fileコマンドでモジュール名が表示されないコアダンプについては,バックトレース情報が採取できません。

  8. /var/lib/systemd/coredump/配下の探索は,OSがRed Hat Enterprise Linux Server 8以降の環境の場合だけ対象になります。

  9. /var/lib/systemd/coredump/配下を探索する場合,/opt/jp1ajs2/配下の実行ファイルが出力したコアダンプファイルだけを採取します。/opt/jp1ajs2/配下以外の実行ファイルが出力したコアダンプファイルは採取しません。

戻り値

0

すべての資料採取成功。

4

一部の資料採取成功。

上記以外の値

異常終了。

出力メッセージ

戻り値

出力メッセージ

意味

動作

対処方法

0

Collection of the backtrace data [ ファイル名 ] was successful.

OutputPath:

出力パス名

正常採取(バックトレース)。

正常終了または次の取得情報へ継続。

0

Collection of the core dump file [ ファイル名 ] was successful.

OutputPath:

出力パス名

正常採取(コアダンプファイル)。

正常終了または次の取得情報へ継続。

0

Collection of the shared library data [ ファイル名 ] was successful.

OutputPath:

出力パス名

正常採取(ライブラリー情報)。

正常終了または次の取得情報へ継続。

0

Collection of the {ISAM | Scheduler | {JP1_DEFAULT | 論理ホスト名} PMTCON_M | {JP1_DEFAULT | 論理ホスト名} PMTCON_A} shared memory dump was successful.

Output Path:

出力パス名

正常採取(共有メモリー情報)。

正常終了または次の取得情報へ継続。

4または

8

Error!!The input parameter [ 引数 ] is invalid.

<< ### Usage ### >>

ajs2collectcore [ -b ] [ -c ] [ -l ] [ -s ] [ -f Output_fullpath ] [ Additional_search_fullpath ... ]

パラメーターエラー。

異常終了または処理続行(追加パス指定誤りの場合)。

必要なパラメーターを確認し,再実行してください。

16

Error!!

The specified directory [ 出力先ディレクトリ ] could not be created.

出力先ディレクトリの作成不可。

異常終了。

出力先ディスク容量がいっぱいになっているおそれがあります。

出力先のディスク容量を確認し,改善したあと,再実行してください。

4または

8

Error!!

The specified file [ ファイル名 ] does not have overwrite permissions.

既存ファイルへの上書き不可。

処理続行(対象となるファイル以外の採取を継続)。

対象となるファイルへの書き込み権限を与えて,再実行してください。

4または

8

Error!!

The backtrace data for the core dump file could not be collected.

Corefile:

対応するコアダンプファイル名

バックトレース情報の採取不可。

処理続行(対象となるバックトレース情報以外の採取を継続)。

出力先ディスク容量がいっぱいになっているおそれがあります。

出力先のディスク容量を確認し,改善したあと,再実行してください。

4または

8

Error!!

The core dump file could not be collected.

Corefile:

対応するコアダンプファイル名

コアダンプファイルの採取不可。

処理続行(対象となるコアダンプファイル以外の採取を継続)。

4または

8

Error!!

Shared library data for the core dump file could not be collected.

Corefile:

対応するコアダンプファイル名

共有ライブラリー情報の採取不可。

処理続行(対象となる共有ライブラリー情報以外の採取を継続)。

4または

8

Error!!

{ISAM | Scheduler | {JP1_DEFAULT | 論理ホスト名} PMTCON_M | {JP1_DEFAULT | 論理ホスト名} PMTCON_A} shared memory data could not be collected.

共有メモリー情報の採取不可。

処理続行(対象となる共有メモリー情報以外の採取を継続)。

共有メモリーが存在していない場合はこのメッセージが出力されますが,無視してください。

それ以外の場合は,次のエラーが考えられます。

  • メモリー不足

  • 出力先ディスク容量がいっぱいである

メモリーの使用状況または出力先のディスク容量を確認し,改善したあと,再実行してください。

4,8,または124

An error occurred!!

ErrorCause:[ エラー要因]

ErrorInfo:[エラー情報]

その他のエラー。

処理続行(対象となる情報以外を採取)。

There are no core dump files in default directories.

標準探索パスで何もコアダンプがないとき。

There are no core dump files in the specified path.

追加指定パスで何もコアダンプがないとき。

(凡例)

−:該当しない。