jajs_rpenvimport
形式
jajs_rpenvimport [-h 論理ホスト名] -e 実行系物理ホスト名 -d 入力ディレクトリ名 [-s]
機能
jajs_rpenvexportコマンドでエクスポートしたディザスター・リカバリー運用設定情報を読み込んで,JP1/AJS3 - Managerの環境情報を設定します(インポート)。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\bin\
- UNIXの場合
-
/opt/jp1ajs2/bin/
引数
-h 論理ホスト名
jajs_rpenvexportコマンドでエクスポートしたディザスター・リカバリー運用設定情報をインポートする論理ホスト名を指定します。指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。
このオプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりオプションに指定した値の方が優先されます。省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEの設定があれば,環境変数値が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEの指定がない場合は,コマンドは異常終了します。
「JP1_DEFAULT」,または物理ホストのマシン名を指定した場合は,コマンドは異常終了します。
-e 実行系物理ホスト名
リモートサイトの実行系ホストのオペレーティングシステムがTCP/IPホスト名として認識しているホスト名(hostnameコマンドで出力されるホスト名)を指定してください。指定できる文字数は,1〜63(単位:バイト)です。このオプションは省略できません。
-d 入力ディレクトリ名
jajs_rpenvexportコマンドでエクスポートしたディザスター・リカバリー運用設定情報が格納されたディレクトリ名をフルパスで指定します。指定するディレクトリは,ディレクトリ内に(jajs_rpenvexportコマンドでエクスポートした)「jp1ajs3_rp」ディレクトリがあるディレクトリを指定してください。指定したディレクトリがない場合,コマンドは異常終了します。また,ネットワークドライブ上のディスクは指定しないでください。
指定できる文字数は,1〜185(単位:バイト)です。
このオプションは省略できません。
指定したディレクトリにディザスター・リカバリー運用設定情報がない場合,コマンドは異常終了します。
-s
-hオプションで指定した論理ホストがセットアップ済みの(環境設定パラメーターの定義キー[論理ホスト名\JP1AJSMANAGER]がある)場合でも強制的にJP1/AJS3 - Managerの環境情報を上書きします。
省略した場合,論理ホストがセットアップ済みのときは,応答要求メッセージを出力してJP1/AJS3 - Managerの環境情報を上書きするかどうかを確認します。
注意事項
-
このコマンドは,-hオプションで指定した論理ホストで使用する組み込みDBがインストールされている必要があります。-hオプションで指定した論理ホストで使用する組み込みDBがインストールされていない場合,コマンドは異常終了します。
このため,-hオプションで指定した論理ホスト名で使用する組み込みDBがインストールされていることを確認してください。インストール済み組み込みDBは,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
-
このコマンドは,-hオプションで指定した論理ホストのJP1/AJS3 - Managerのすべてのサービスが停止している必要があります。JP1/AJS3 - Managerのすべてのサービスが停止していない場合,コマンドは異常終了します。
このため,-hオプションで指定した論理ホストのJP1/AJS3 - Managerのすべてのサービスが停止しているか確認してください。JP1/AJS3 - Managerのすべてのサービスが停止しているかどうかは,jajs_spmd_statusコマンドで確認できます。jajs_spmd_statusコマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_spmd_status」を参照してください。
組み込みDBが停止しているかどうかは,ajsembdbstatusコマンドで確認できます。ajsembdbstatusコマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstatus」を参照してください。
-
組み込みDBのシステム状態が組み込みDBの再起動中断状態の場合,このコマンドは異常終了します。-hオプションで指定した論理ホストで使用している組み込みDBが停止状態であることを確認してください。組み込みDBの再起動中断状態を解除するには,ajsembdbstartコマンドに-Rfオプションを指定します。コマンドの詳細については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstatus」または,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstart」を参照してください。
-
このコマンドは,スクリプトで実装されています。このため,オプションに不当に長い文字列や不正な文字列や値を指定すると,予期しないエラーが発生することがあります。オプション指定値は,JP1/AJS3で規定されている範囲内の文字列または数値を指定してください。
-
このコマンドを実行する前に,jajs_rpsiteコマンドに-vオプションまたは-Vオプションを指定して実行し,メッセージKAVS3711-Eが出力されない状態になっているか確認してください。
-
このコマンドを同時に複数実行しないでください。また,同一の論理ホストに対してこのコマンドと,jajs_rpenvexportコマンドまたはjajs_rpsiteコマンドを同時に実行しないでください。同時に実行した場合,次に示す現象が起こるおそれがあります。
-
不当なメッセージを出力したり,本来出力するはずのメッセージを出力しなかったりするなど,メッセージ出力が不正になる。
-
このコマンドが,不当にエラーになる。
-
構成定義情報が不正になり,JP1/AJS3が運用できなくなる。
-
-
このコマンド実行中に強制終了しないでください。
-
このコマンドの引数の値には次の文字を指定できません。
- Windowsの場合
-
^ & = ! @ ~ % " < > | , ; * ?
- UNIXの場合
-
^ & = ! @ ~ % " < > | , ; * ? \ ' $
-
このコマンドとjajs_spmd_statusコマンドを同時に実行すると,エラーが発生する場合があります。エラーが発生した場合は再度実行してください。
-
このコマンドは,エクスポート元ホストに設定されていた環境設定パラメーターを-hオプションで指定した論理ホスト名に変換して設定します。
次に示す定義キーおよび環境設定パラメーターは,物理ホストおよびすべての論理ホスト内で一意にする必要があります。このため,インポート先の論理ホストと,ほかの論理ホストおよび物理ホストで重複しないことを確認してから,このコマンドを実行してください。
定義キー
環境設定パラメーター
内容
AJSMANAGER\スケジューラーサービス名
−
スケジューラーサービス名
AJSSERVICEID
スケジューラーサービスの識別番号
JOBSTATUSPORT
ジョブ状態取得ポートのサービス名
RDBPORT
RDB接続ポート番号
AJSTMPDIR
テンポラリーファイル用ディレクトリ名
JOBINFDIR
ジョブエラー情報ディレクトリ名
AJSDBDIRECTORY
データベースディレクトリ名
-
メインサイトの組み込みDB環境構築でajsembdbbuildコマンドに-blオプションを指定して実行した場合,インポート先のホストには-blオプションで指定したディレクトリが作成されます。
-
共有ディスクにアクセスできない状態でこのコマンドを実行すると,統合トレースログにメッセージ「KNAD3914-E confディレクトリのロックファイルがオープンできません」が出力される場合があります。ただし,インポート処理は正常に行われています。
-
クラスタ構成の場合は,実行系および待機系の両方でこのコマンドを実行してください。なお,-eオプションには,実行系および待機系のそれぞれで実行系の物理ホスト名を指定してください。
エラー発生時の対処
メッセージに従ってエラーの原因を取り除いたあとに,再度コマンドを実行してエラーがないか確認してください。
なお,次の表に示すメッセージが出力された場合は,要因と対処方法も参考にしてください。
メッセージ |
要因 |
対処方法 |
---|---|---|
KAVS1111-E 互換用ISAM構成では,この機能は使用できません |
JP1/AJS3のデータベース構成が標準構成ではない(移行途中,組み込みDB未作成など)。 |
-hオプションで指定した論理ホストのデータベース構成を確認してください。 |
KAVS1112-E 指定したディレクトリ(ディレクトリ名)が存在しません |
-dオプションで指定するディレクトリ内にjajs_rpenvexportコマンドでエクスポートした「jp1ajs3_rp」ディレクトリがない。 |
jajs_rpenvexportコマンドでエクスポートした(「jp1ajs3_rp」ディレクトリを含む)正しいディレクトリ名を指定して,コマンドを再実行してください。 |
戻り値
0 |
正常終了。 |
上記以外の値 |
異常終了。 |
使用例
論理ホスト(LHOST1(実行系の物理ホスト:PHOST))に,次のディレクトリに格納されているディザスター・リカバリー運用設定情報をインポートします。
c:\temp\export\ajs3_rpenv_20100801
jajs_rpenvimport -h LHOST1 -e PHOST -d c:\temp\export\ajs3_rpenv_20100801