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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


jajs_rpsite

〈このページの構成〉

形式

jajs_rpsite
     [-h 論理ホスト名]
     [-m {SET|SETSAME|CHANGE|UNSET} | -v | -V]

機能

JP1/AJS3を,ハードウェアのコピー・ミラーリング機能を使用してディザスター・リカバリー運用する場合のセットアップを実行します。

指定したオプションに応じて次の処理が実行されます。

このコマンドは標準構成の場合だけ使用できます。

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

引数

-h 論理ホスト名

処理対象の論理ホスト名を指定します。指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。

このオプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりこのオプションの値の方が優先されます。

オプションの値に物理ホスト名(物理ホストのマシン名または「JP1_DEFAULT」)を指定した場合は異常終了します。

このオプションを省略し,環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合は,物理ホスト名が仮定されるため,異常終了します。

コマンドを実行したサイトに指定した論理ホストがない場合は異常終了します。

-m {SET|SETSAME|CHANGE|UNSET}

  • SET

    ディザスター・リカバリー運用を別名の論理ホストで構成する場合に,メインサイトとして運用する論理ホストを新規に設定します。

    メインサイトとして運用する論理ホストを設定したあと,メインサイトでの運用およびハードウェアの操作で共有ディスク間のコピーを開始すると,リモートサイト側のJP1/AJS3は起動抑止状態になります。

    このオプションは,新規にメインサイトとして運用する論理ホストを設定する場合に指定します。すでにメインサイトとして運用する論理ホストが設定されている場合は,-m SET-m SETSAMEのどちらで設定していても,異常終了します。

    -vオプションまたは-Vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。

    処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3707-Iを出力します。

  • SETSAME

    ディザスター・リカバリー運用を同一名の論理ホストで構成する場合に,メインサイトとして運用する論理ホストを新規に設定します。

    メインサイトとして運用する論理ホストを設定したあと,メインサイトでの運用およびハードウェアの操作で共有ディスク間のコピーを開始すると,リモートサイト側のJP1/AJS3は起動抑止状態になります。

    このオプションは,新規にメインサイトとして運用する論理ホストを設定する場合に指定します。すでにメインサイトとして運用する論理ホストが設定されている場合は,-m SET-m SETSAMEのどちらで設定していても,異常終了します。

    -vオプションまたは-Vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。

    処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3710-Iを出力します。

  • CHANGE

    ディザスター・リカバリー運用でメインサイトとして運用する論理ホストを変更します。

    大規模災害の発生などでメインサイト側のシステムが停止した場合,リモートサイトに運用拠点を切り替え,業務を継続するときに指定します。

    メインサイトとして運用する論理ホストを変更すると,処理対象の論理ホストのJP1/AJS3の起動抑止状態が解除され,リモートサイトとなる論理ホストのJP1/AJS3が起動抑止状態になります。

    次の場合は異常終了します。

    • メインサイトとして運用する論理ホストが設定されていない場合

    • ディザスター・リカバリー運用を別名の論理ホストで構成している場合に,すでにメインサイトとして運用している論理ホストと同じ論理ホスト名を指定した場合

    • ディザスター・リカバリー運用を同一名の論理ホストで構成している場合に,すでにメインサイトとして運用している論理ホストでコマンドを実行した場合

    • -vオプションまたは-Vオプションと同時に指定した場合

    • 運用拠点の切り替えに失敗した場合

    処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3708-Iを出力します。

  • UNSET

    ディザスター・リカバリー運用を解除します。

    ディザスター・リカバリー運用の解除は,メインサイト,リモートサイトの両方で実行してください。リモートサイト側では解除が行われるまで,JP1/AJS3の起動抑止が解除されません。

    -vオプションまたは-Vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。

    処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3709-Iを出力します。

-v

ディザスター・リカバリー運用で,現在のメインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示します。

メインサイトとして運用する論理ホストが設定されていない場合は異常終了します。

-mオプションまたは-Vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。

-V

指定した論理ホストが現在メインサイトかリモートサイトかを表示します。メインサイトの場合は「Main」,リモートサイトの場合は「Remote」と表示します。

メインサイトとして運用する論理ホストが設定されていない場合は異常終了します。

-mオプションまたは-vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

上記以外の値

異常終了。

使用例

ハードウェアのコピー・ミラーリング機能を使用してディザスター・リカバリー運用する場合の使用例を次に示します。

使用例1

論理ホストを別名で構成する場合で,論理ホストLHOST_Mを,メインサイトの論理ホストとして設定します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -m SET

使用例2

論理ホストを同一名で構成する場合で,論理ホストLHOST_Mを,メインサイトの論理ホストとして設定します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -m SETSAME

使用例3

論理ホストを別名で構成している場合に,運用拠点切り替えのため,現在リモートサイト側である論理ホストLHOST_Rをメインサイト側の論理ホストに変更します。

jajs_rpsite -h LHOST_R -m CHANGE

使用例4

論理ホストを同一名で構成している場合に,運用拠点切り替えのため,現在リモートサイト側である論理ホストLHOST_Mをメインサイト側の論理ホストに変更します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -m CHANGE

使用例5

次に示す条件で運用している場合,現在メインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -v

または,

jajs_rpsite -h LHOST_R -v

使用例6

次に示す条件で運用している場合,コマンドを実行した環境で,指定した論理ホストが現在メインサイトかリモートサイトかを表示します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -V

または,

jajs_rpsite -h LHOST_R -V

使用例7

次に示す条件のディザスター・リカバリー運用を解除します。

jajs_rpsite -h LHOST_M -m UNSET

および,

jajs_rpsite -h LHOST_R -m UNSET

出力例1

-vオプションを指定して,現在メインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示した場合の出力例を次に示します。

> jajs_rpsite -h LHOST_M -v
LHOST_R

出力例2

-Vオプションを指定して,指定した論理ホストが現在メインサイトかリモートサイトかを表示した場合の出力例を次に示します。

> jajs_rpsite -h LHOST_M -V
Main
 
> jajs_rpsite -h LHOST_R -V
Remote