Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


12.2.4 データベースの障害から復旧する場合の手順

データベースに障害が発生した場合の復旧の流れを,次の図に示します。

図12‒3 データベースに障害が発生した場合の復旧の流れ

[図データ]

外部DBのデータベースで障害が発生した場合に,システムを復旧する手順について説明します。

  1. JP1/AJS3サービスまたはスケジューラーサービスを停止する。

    エージェント管理データベースを復元する場合,JP1/AJS3サービスを停止してください。

    スケジューラーサービスのデータベースだけを復元する場合,障害が発生したデータベースと接続しているすべてのスケジューラーサービスを停止してください。スケジューラーサービスの停止方法については,「7.5.2 スケジューラーサービスを停止する」を参照してください。

  2. 障害が発生したデータベースをすべて復元する。

    データベースの復元方法については,利用しているクラウド環境のドキュメントを参照してください。

  3. jajs_extdbコマンドを実行して,マネージャーホスト内のスケジューラーサービスおよび利用しているデータベースを確認する。

    次のコマンドを実行します。

    jajs_extdb -v
  4. 復元したデータベースを起動する。

  5. jajs_extdbコマンドに-pオプションを指定して実行する。

    エージェント管理データベースを復元した場合,次のコマンドを実行し,マネージャーホストとエージェント管理データベースの接続関係を再設定します。

    jajs_extdb -p -a

    スケジューラーサービスのデータベースを復元した場合,手順3で確認したすべてのスケジューラーサービスに対して,次のコマンドを実行し,スケジューラーサービスとデータベースの接続関係を再設定します。

    jajs_extdb -p -F スケジューラーサービス名
  6. JP1/AJS3サービスまたはスケジューラーサービスを起動する。

    エージェント管理データベースを復元した場合,JP1/AJS3サービスを起動してください。

    スケジューラーサービスのデータベースだけを復元した場合,手順1で停止したスケジューラーサービスを起動してください。スケジューラーサービスの起動方法については,「7.5.1 スケジューラーサービスを起動する」を参照してください。

    なお,以降の手順は,スケジューラーサービスのデータベースを復元した場合だけ実施してください。

  7. 障害発生時のジョブネットおよびジョブの状態を確認し,状態を変更したり,再実行したりする。

    jajs_extdbコマンドを実行すると,スケジューラーサービスはディザスターリカバリースタートします。このため,スケジューラーサービスは実行を抑止した状態で起動され,ジョブおよびジョブネットの状態が変更されます。JP1/AJS3 - Viewまたはコマンドでジョブの状態を確認し,必要に応じてジョブの状態を変更したり,再実行したりしてください。また,障害発生時に実行中だったジョブの状態は,JP1/AJS3の停止によって復旧後の環境に引き継がれていないおそれがあるため,特に注意が必要です。

    ディザスターリカバリースタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態については,「6.2.1(3)(a) マネージャーホストのJP1/AJS3サービスを再起動する場合」の,ディザスターリカバリースタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態についての説明を参照してください。

    ジョブの実行状態を確認する方法,および状態変更や再実行の方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」を参照してください。

    なお,起動条件の監視が終了し,その起動条件によって生成された「起動条件待ち」の世代は,起動条件待ち世代の状態によって,次のように処理されます。

    • 起動条件は成立していても,多重起動が未設定で,実行中のジョブネットの終了を待っている起動条件待ち世代のジョブネットがある場合

      復旧後の状態は「起動条件待ち」のままで,実行中のジョブネットの状態が「中断」になります。実行中のジョブネットの状態が「中断」になったあと,起動条件待ちのジョブネットから再び実行されます。

    • 起動条件が部分的にだけ成立(部分成立)している場合,または起動条件がまったく成立していない場合

      復旧後には,このジョブネットの世代は消滅します。

  8. エージェントホストに残っているイベントジョブに関するマネージャーホストの情報を削除する。

    次のコマンドをマネージャーホストで実行して,エージェントホストに残っている障害発生時のマネージャーホストの情報を削除します。

    -aオプションには,対象の実行エージェント名に対応する実行ホスト名を指定してください。

    jpomanevreset -h 論理ホスト名 -F スケジューラーサービス名 -dh マネージャーホスト名 -a 実行ホスト名

    リカバリー対象のマネージャーホストが物理ホストの場合,-hオプションの指定は不要です。

    論理ホストの場合,-hオプションと-dhオプションには論理ホストのマネージャーホスト名を指定してください。

  9. jajs_extdbコマンドを実行し,スケジューラーサービスの実行抑止起動状態を解除する。

    手順3で確認したすべてのスケジューラーサービスに対して,次のコマンドを実行します。

    jajs_extdb -r -F スケジューラーサービス名

    jajs_extdbコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_extdb」を参照してください。

  10. ajsalterコマンドを実行し,ジョブネットおよびジョブの実行抑止を解除し,運用を再開する。

    手順3で確認したすべてのスケジューラーサービスに対して,次のコマンドを実行します。

    ajsalter -F スケジューラーサービス名 -s none

    ajsalterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsalter」を参照してください。