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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


10.5.2 非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合の設定

フェールオーバーしない論理ホストの構築および運用についての概要を説明します。

フェールオーバーしない論理ホストも,通常のクラスタシステムで運用する場合の論理ホストと同じ手順でセットアップして運用します。

詳細な手順や機能説明については,各JP1のマニュアルの,クラスタシステムでの運用の章を参照してください。フェールオーバーやクラスタソフト連携に関する説明を除き,論理ホストのJP1の設定や動作は同じです。

クラスタソフトと連携しなくてもフェールオーバーしない論理ホスト環境で,JP1/AJS3を運用する手順を次に示します。

  1. 論理ホスト環境を準備する。

    論理ホスト用のディスク領域およびIPアドレスを用意してください。

    • 論理ホスト用のディスク領域

      論理ホストのJP1/AJS3が専用で使用するファイルの格納先ディレクトリを,ローカルディスクに作成してください。物理ホストやほかの論理ホストのJP1/AJS3が使用しているディレクトリと同じディレクトリを設定すると正しく動作しません。

    • 論理ホスト用のIPアドレス

      論理ホストが使用するIPアドレスはエイリアスIPでもかまいません。ただし,論理ホスト名から一意に求まるようにしてください。

      なお,論理ホストのIPアドレスには物理ホストのIPアドレスとは異なるIPアドレスを割り当ててください。これらに対する前提条件は,クラスタシステムでの運用の場合と同じです。ただし,フェールオーバーしない運用方法のため,「サーバ間で引き継がれる」などの条件は除きます。なお,通常のクラスタシステムで運用する論理ホストの設定の説明で,共有ディスク・論理IPアドレスと説明している部分は,上記で割り当てた論理ホスト用のディスク領域・IPアドレスに読み替えてください。

  2. 論理ホスト環境のJP1/AJS3をセットアップする。

    クラスタシステムの実行系サーバと同じ手順で,論理ホスト環境のJP1/AJS3をセットアップしてください。なお,クラスタシステムではフェールオーバーする実行系・待機系の両側のサーバに対してセットアップする必要がありますが,フェールオーバーしない論理ホストの場合,動作するサーバ上でだけセットアップしてください。また,JP1/AJS3をセットアップする前に,必ずJP1/Baseもセットアップしておいてください。

    なお,通常のクラスタシステムで運用する論理ホストのセットアップについては,次を参照してください。

    Windowsの場合

    マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8.2 クラスタ運用の環境設定」

    UNIXの場合

    マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17.2 クラスタ運用の環境設定」

注意事項

Windowsの場合は,JP1/AJS3のサービスを起動する前に「JP1/AJS3 Database_JFn」が停止していることを確認してください。

「JP1/AJS3 Database_JFn」が起動している場合は,「JP1/AJS3 Database_JFn」を停止したあとに,JP1/AJS3のサービスを起動してください。

注※

「_JFn」は論理ホストのJP1/AJS3サービスが使用する組み込みDBセットアップ識別子です。