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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


15.2.25 1台のマネージャーホストに登録できる実行エージェントの最大数を拡張するための設定

JP1/AJS3では,1台のマネージャーホストに登録できる実行エージェントの最大数は,デフォルトで1,024台です。マネージャーホストにこの台数以上の実行エージェントを登録したい場合は,最大数を2,048台に拡張できます。

ここでは,1台のマネージャーホストに登録できる実行エージェントの最大数を拡張する方法について説明します。

なお,この設定を有効にしたあと,再度無効にするには,組み込みDBの再作成が必要になります。この設定の有効・無効の変更については,事前に十分な検討を実施してください。この設定を無効にする手順については,「(3) 実行エージェントの最大数の拡張を無効にする手順」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。

    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
    注※

    自動停止の設定がされていることを確認します。

  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k "定義キー名" "環境設定パラメーター名"=定義内容
  3. JP1/AJS3を再起動する。

    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表15‒47 ファイル送信制限をする設定の環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST]

"AGENTLIMITEXTEND"=

1台のマネージャーホストに登録できる実行エージェントの最大数を拡張するための設定

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,「20.3.2(16) AGENTLIMITEXTEND」を参照してください。

(3) 実行エージェントの最大数の拡張を無効にする手順

実行エージェントの最大数を拡張するための設定を有効にしたあと,再度無効にするには,組み込みDBの再作成が必要です。

組み込みDBを再作成して設定を無効にする手順を次に示します。

  1. 登録されている実行エージェント数が1,024台以下になるように,実行エージェントを削除する。

  2. ユニット定義および実行エージェント情報をバックアップする。

    一つの組み込みDB環境に対して複数のスケジューラーデータベースがセットアップされている場合は,セットアップされているすべてのスケジューラーデータベースに対してバックアップを実施してください。

    バックアップの方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップ」を参照してください。

  3. 物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS3サービスを含め,スケジューラーデータベースにアクセスするすべてのサービスを停止する。

  4. 次のコマンドを実行して,環境設定パラメーターAGENTLIMITEXTENDに1を設定する。

    jajs_config -k "[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST]" "AGENTLIMITEXTEND"=dword:00000001
  5. ajsembdbunset -eコマンドを実行して,組み込みDB環境のデータを削除する。

    一つの組み込みDB環境に対して複数のスケジューラーデータベースがセットアップされている場合,セットアップされているすべてのスケジューラーデータベースのデータが削除されます。

  6. ajsembdbbuildコマンドを実行して,組み込みDBを構築する。

    ajsembdbbuildコマンドに指定する引数は,構築する組み込みDBの環境が実行エージェントの最大数の拡張を無効化する前の環境と同一になるように指定してください。

  7. ajsembdbsetupコマンドを実行して,組み込みDBをセットアップする。

    ajsembdbsetupコマンドに指定する引数は,セットアップする組み込みDBの環境が実行エージェントの最大数の拡張を無効化する前の環境と同一になるように指定してください。

    また,一つの組み込みDB環境に対して複数のスケジューラーデータベースをセットアップする場合は,ajsembdbsetupコマンドを繰り返し実行して,すべてのスケジューラーデータベースをセットアップしてください。

  8. ajsembdbstopコマンドを実行して,組み込みDBを停止する。

  9. JP1/AJS3のサービスを起動する。

  10. 手順2でバックアップしたユニット定義および実行エージェント情報をリカバリーする。

    一つの組み込みDB環境に対して複数のスケジューラーデータベースをセットアップした場合は,セットアップしたすべてのスケジューラーデータベースに対してリカバリーを実施してください。

    リカバリーの方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のリカバリー」を参照してください。

  11. 運用に必要なすべてのジョブネットを実行登録する。

    設定を無効化する前にジョブネットを実行登録していた場合は,再セットアップした組み込みDBに対応するスケジューラーサービスをコールドスタートで起動してください。

(4) 注意事項

実行エージェントの最大数を拡張したあと,実行エージェントの登録数を増やすと,JP1/AJS3サービスの起動時間が延びます。クラスタソフトでJP1/AJS3の起動時間を監視している場合は,クラスタソフトのタイムアウト値を見直す必要があります。実行エージェントを追加したあとでJP1/AJS3サービスの起動時間を確認し,クラスタソフトのタイムアウト値を調整してください。