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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


15.2.24 ファイル送信制限をするための設定

JP1/AJS3では,ジョブ実行時に結果ファイル(標準出力ファイルおよび標準エラー出力ファイル)をマネージャーホストとエージェントホスト間で送受信します。これらのファイルのサイズが数メガバイトを超えるような場合,ファイルのデータ解析処理,またはファイルのデータ転送で負荷が掛かり,CPU使用率やメモリー使用量が増加して,ジョブの実行が遅延するだけでなく,システム全体の処理に影響を与えるおそれがあります。

注※

PCジョブ,UNIXジョブ,カスタムジョブ,JP1/AJS3で実行するQUEUEジョブ,およびサブミットジョブが対象です。イベントジョブ,引き継ぎ情報設定ジョブ,HTTP情報ジョブ,フレキシブルジョブ,およびキューレスジョブは対象外です。

ファイル送信制限をするための設定を行うと,ジョブ実行時にエージェントホスト側で送信する結果ファイルのサイズ(標準出力ファイルと標準エラー出力ファイルを合わせた合計のサイズ)の上限値を設定できます。

また,上限値を超えた場合の動作(ジョブの終了状態)や出力するメッセージを指定できます。

ファイル送信サイズの上限値を超えた場合の動作と上限値を超えたファイルデータの扱いについて次に示します。

表15‒44 ファイル送信サイズの上限値を超えた場合の動作と上限値を超えたファイルデータの扱い

上限値を超えたファイルの種類

動作内容

環境設定パラメーターSendFileSizeStatusの指定

0

1

2

3

結果ファイル

ジョブの状態

実際の終了状態を引き継ぐ

異常検出終了

警告検出終了

実際の終了状態を引き継ぐ

出力するメッセージの種別

情報

情報

異常

情報

警告

情報

ファイルデータの扱い

すべてのファイルデータを送信する

上限値を超えたデータを破棄する

上限値を超えたデータを破棄する

上限値を超えたデータを破棄する

注※

エージェントホストでジョブの状態が「異常検出終了」だった場合はその状態を引き継ぎます。

〈この項の構成〉

(1) 定義手順

  1. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k "定義キー名" "環境設定パラメーター名1"=定義内容1 ["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]
  2. JP1/AJS3を再起動する。

    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表15‒45 ファイル送信制限をする設定の環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQAGENT\Job]

"SendFileSizeStatus"=

ファイルサイズが上限値に達したときの動作

"LimitSendFileSize"=

ファイルサイズの上限値

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,次の個所を参照してください。

(3) ファイル送信サイズが上限値を超えた場合の動作

ファイル送信サイズが上限値を超えたときの動作を次に示します。

(4) 注意事項

引き継ぎ情報設定ジョブを実行する場合,環境設定パラメーターLimitSendFileSizeの値を適切に設定してください。環境設定パラメーターLimitSendFileSizeの値よりファイルサイズの大きい標準出力ファイルを出力した場合,引き継ぎ情報設定ジョブによる情報の切り出しに失敗するおそれがあります。