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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


5.1.2 ジョブの実行多重度

ジョブ(キューレスジョブを除くUNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,および引き継ぎ情報設定ジョブ)を実行するホストのリソースに合わせて,同時に実行できるジョブ数を制限できます。実行エージェントの定義時にジョブ実行多重度を定義することで,そのエージェントホストで同時に実行できるジョブ数を制限できます。

ジョブ実行多重度は30分単位で設定できるため,時間帯を分けてジョブ数を制限することで,負荷を分散させる運用ができます。

ジョブの実行多重度を超えたジョブは,実行中のジョブが終了するまで「キューイング」状態(実行待ちの状態)になります。

なお,イベントジョブについては,ジョブ実行多重度の設定で同時に実行できるジョブ数を制限できません。

ジョブ実行多重度に関する注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.4 ジョブ実行多重度の検討」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブ実行多重度の指定方法

ジョブ実行多重度は,ajsagtaddコマンドを使用して実行エージェントを追加する際に,コマンドの-cオプション,またはWeb GUIで設定します。

ajsagtaddコマンドで実行エージェントを追加する場合,ジョブ実行多重度の指定を省略すると「0:00-0:00=5」(終日,ジョブ実行多重度は5)が仮定されます。ジョブ実行多重度は,ajsagtaltコマンドで変更できます。ジョブ実行多重度の指定例については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtalt」の使用例も参照してください。

(2) ジョブ実行多重度を使用したジョブの負荷分散

実行エージェントグループで複数の実行エージェントをグルーピングした場合,エージェント使用率(実行エージェントのジョブ実行多重度に対する実行中のジョブ数の割合)を基に,複数の実行エージェントに負荷を分散させることができます。詳細については,「5.4.9 実行ホスト(エージェントホスト)へのジョブ実行配信」を参照してください。

注意事項

ジョブ実行多重度の設定は,実行エージェント単位に適用されます。異なる実行エージェントが同一の実行先ホストをマッピングしている場合は,それぞれの実行エージェントに設定されているジョブ実行多重度の総和が実行先ホストで実行されることになります。

例えば,ジョブ実行多重度を「00:00-00:00=10」(終日,ジョブ実行多重度は10)としている自ホスト名の実行エージェントを追加している場合,デフォルト実行エージェントのジョブ実行多重度が「00:00-00:00=5」(終日,ジョブ実行多重度は5)であるため,最大で15のジョブが多重に実行されることがあります。

ジョブ実行多重度を設定する場合は,実行先ホスト単位に適切な値を設定してください。