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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


5.4.9 実行ホスト(エージェントホスト)へのジョブ実行配信

〈この項の構成〉

(1) 実行エージェントグループに複数接続した実行エージェントへのジョブの配信方法

実行エージェントグループには,優先順位を指定して複数の実行エージェントを接続でき,指定された優先順位に従って実行エージェントにジョブ(UNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ※1,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブでキューレスジョブを除く)を配信します。

実行エージェントの優先順位は運用に合わせて指定します。実行エージェントの優先順位に差を付けて接続している場合は,優先順位の高い実行エージェントを選択してジョブを配信し,その実行エージェントのエージェント使用率※2が100%になると,次に優先順位の高い実行エージェントへジョブを配信します。例えば,優先的に使用する実行エージェントがあり,その実行エージェントで実行しているジョブが満杯になった場合や,障害状態または停止状態でジョブを実行できない場合に,次の優先順位の実行エージェントを代替としてジョブを実行するような運用を行う場合にはこの方法で接続します。

実行エージェントの優先順位を同一の優先順位で接続している場合は,エージェント使用率のいちばん低い実行エージェントを選択してジョブを配信します。特に優先的に使用する実行エージェントがなく,それぞれの実行エージェントに負荷を分散してジョブを実行する場合はこの方法で接続します。

注※1

フレキシブルジョブの場合,実行エージェントを中継エージェントに読み替えてください。

注※2

実行エージェントのジョブの実行多重度に対する実行中ジョブ数の割合で,次に示す計算式を使用し,小数点以下4位まで算出したものです。

エージェント使用率実行中ジョブ数 / ジョブ実行多重度

注意事項
  • ジョブを配信する際に,優先順位とエージェント使用率が同一の実行エージェントが複数ある場合,均等に負荷分散を行うためには,未使用時間が最も長い実行エージェントを選択してジョブを配信する方式が有効です。

    詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.9 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.9 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の設定」(UNIXの場合)を参照してください。

  • ジョブを配信する際は,受付配信制限の状態が「有効」の実行エージェントにだけジョブを配信します。受付配信制限の状態が「無効」,「保留」および「閉塞」の実行エージェントにはジョブは配信されません。

(2) 実行ホスト(エージェントホスト)へのジョブの配信について

マネージャーホストは,同時に3台までのエージェントホストに対してジョブを配信できます。接続しているエージェントホストのうち,通信できないエージェントホストが3台以上あり,それらのエージェントホストに対してジョブを配信すると,正常なエージェントホストへのジョブの配信が遅延してしまいます。

あらかじめ,通信できない実行エージェントの受付配信制限の状態をajsagtaltコマンドで「閉塞」に変更するなどして,ジョブの配信を抑止してください。

また,ジョブの強制終了要求の配信時に通信障害が発生した場合,要求がタイムアウトするまで他のジョブの配信が遅延します。

このため,ジョブ配信遅延の軽減機能を使用すると,接続できない実行エージェントへのジョブの配信が抑止され,ジョブの配信の遅延を軽減できます。ジョブ配信遅延の軽減機能の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.5 ジョブ配信遅延の軽減の検討」を参照してください。