4.6.4 JP1/AJSジョブネット再実行
機能
この部品は,指定したサーバのJP1/AJS3 - Manager (またはJP1/AJS2 - Manager,以降まとめてJP1/AJSと呼びます)に対して,ジョブネットまたはジョブの再実行を行います。
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・業務サーバ(実行対象サーバ)
JP1/AJSのジョブネットを実行するサーバです。前提条件に記載のJP1/AJSがセットアップされている必要があります。
この部品ではジョブネットまたはジョブを再実行する指示だけを行えます。
この部品を実行したあとのジョブネットの状態を確認する場合は,JP1/AJSのジョブネット実行結果取得(jp1ajsCheck部品)を使用して結果を取得する必要があります。
この部品内のスクリプトでは次に示す処理を行います。
・業務サーバの論理ホスト名(JP1.logicalHostNameプロパティ)に値が指定されていた場合,その値をJP1_HOSTNAME環境変数に設定します。
・JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)に値が指定されていた場合,その値をJP1_USERNAME環境変数に設定します。
・次のコマンドを実行します。
ajsrerun [-F "JP1/AJSサービス名(JP1AJS.serviceNameプロパティ)の値"]
[-B "実行登録番号(JP1AJS.execRegistrationNumberプロパティ)の値"]
{-t|-s|-n|-a|-w|-f|-p|-e} ※1
[-h] ※2
[-c] ※3
"ユニット名(JP1AJS.unitNameプロパティ)の値" ※4
※1 再実行方法(JP1AJS.rerunMethodプロパティ)の値に対応したオプションが設定されます。
"FromTop"の場合: -t (ジョブネットを先頭から再実行)
"FromAbnormallyJobnet"の場合: -s (異常終了したジョブが含まれるジョブネットを先頭から再実行)
"FromAfterAbnormallyJob"の場合: -n (異常終了したジョブの次のジョブから再実行)
"FromAbnormallyJob"の場合: -a (異常終了したジョブから再実行)
"OnlyWarningJob"の場合: -w (警告検出終了しているジョブを再実行)
"FromSpecifiedUnit"の場合: -f (指定したジョブネット,またはジョブから再実行)
"OnlySpecifiedUnit"の場合: -p (指定したジョブネット,またはジョブを再実行)
"FromAfterSpecifiedUnit"の場合: -e (指定したジョブネット,またはジョブの次から再実行)
※2 保留状態の設定要否(JP1AJS.rerunWithHoldプロパティ)に"true"を指定した場合に設定されます。
※3 警告検出終了への変更要否(JP1AJS.setSkippedJobsToWarningプロパティ)に"true"を指定した場合に設定されます。
※4 [[スケジューラーサービス名]:]ユニット名[:@実行ID]の形式で指定してください。
ajsrerunコマンドの詳細については,JP1/AJSのマニュアル「コマンドリファレンス1」を参照してください。
利用場面
JP1/AJSのジョブネットまたはジョブを再実行する場合に使用します。
前提条件
【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 11-00以降
【実行対象サーバ内前提製品】
(1) JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager 09-00以降
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
(1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
(2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
(3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter
(4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter
(5) Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)
(6) Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)
(7) Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)
【実行対象サーバ内前提製品の使用条件】
(1) JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)には,実行対象サーバでジョブネットの再実行を行うためのJP1ユーザー名を指定してください。本製品から接続するOSユーザーと同一名のJP1ユーザーで再実行を行う場合は,このプロパティに値を指定する必要はありません。
(2) クラスタ構成の論理ホスト上に定義されているジョブネットの再実行を行う場合は,
・実行対象サーバのホスト名(plugin.destinationHostプロパティ)に実行系サーバの物理ホスト名または論理ホスト名を指定してください。
・実行対象サーバの論理ホスト名(JP1.logicalHostNameプロパティ)にスケジューラーサービスが動作している論理ホスト名を指定してください。
・JP1/AJSサービス名(JP1AJS.serviceNameプロパティ)に論理ホストで動作しているスケジューラーサービス名を指定してください。
(3) 業務サーバのOSがUNIXの場合,業務サーバのJP1/AJSの環境設定パラメタの文字コード設定と業務サーバへの接続ユーザーのデフォルトロケールの設定を一致させてください。
注意事項
(1) 部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。
(2) ユニット名(JP1AJS.unitNameプロパティ)に「¥」(円記号)でキャストした記号文字(「&」「*」「<」「>」「?」「[」「¥」「]」「^」「'」「{」「|」「}」「~」)を含む文字列を指定した場合でも,プロパティの両端を「"」(ダブルクォーテーション)で囲む必要はありません。
(3) ユニット名(JP1AJS.unitNameプロパティ)には再実行するジョブネット名またはジョブ名を明示的に指定してください。総称名を表す記号(「*」「?」「[」「]」)を含む文字列は指定しないでください。
(4) その他の注意事項については,JP1/AJSのマニュアル「コマンドリファレンス1」のajsrerunコマンドの注意事項を参照してください。
実行権限
(1) 業務サーバに接続するOSユーザーにマッピングされているJP1ユーザーが,操作対象のジョブネットに対して操作権限を持っている必要があります。
(2) 業務サーバに接続する際のOSユーザーにマッピングされているJP1ユーザーが存在しない場合,JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)に操作対象のジョブネットに対して操作権限を持つJP1ユーザーを指定してください。
バージョン
02.00.01
部品のタグ
Control JP1,AJS,Windows,Linux
タスクログに表示される部品の名称
jp1ajsRerun
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常 |
12 |
異常(ユーザーミス) プロパティ不正 |
21 |
異常(環境不正) コマンドが見つからない(部品スクリプトでエラーを検知) |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
JP1.logicalHostName |
実行対象サーバの論理ホスト名 |
実行対象サーバのJP1論理ホスト名を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.jp1UserName |
JP1ユーザー名 |
JP1ユーザー名を指定します。実行対象サーバに接続する際のOSユーザー名と同一のJP1ユーザーで実行する場合,指定する必要はありません。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.serviceName |
JP1/AJSサービス名 |
スケジューラーのサービス名を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.unitName |
ユニット名 |
再実行するジョブネット名またはジョブ名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
JP1AJS.execRegistrationNumber |
実行登録番号 |
再実行するジョブネットまたはジョブの実行登録番号を「YYYYMMDDNNN」の形式で指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.rerunMethod |
再実行方法 |
ジョブネットまたはジョブの再実行方法を指定します。指定可能な値は,"FromTop","FromAbnormallyJobnet","FromAfterAbnormallyJob","FromAbnormallyJob","OnlyWarningJob","FromSpecifiedUnit","OnlySpecifiedUnit","FromAfterSpecifiedUnit"です。省略した場合,"FromAbnormallyJob"が仮定されます。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.rerunWithHold |
保留状態の設定要否 |
再実行するジョブネットまたはジョブを保留状態にする場合は"true"を指定します。"true"以外の場合は,保留状態にせずに処理を継続します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.setSkippedJobsToWarning |
警告検出終了への変更要否 |
異常状態の先行ジョブネットまたは先行ジョブの終了状態を警告検出終了にする場合は"true"を指定します。"true"以外の場合は,警告検出終了にせずに処理を継続します。 |
− |
入力 |
△ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |