4.6.5 JP1/AJSジョブネット実行スケジュール変更
機能
この部品は,指定したサーバのJP1/AJS3 - Manager (またはJP1/AJS2 - Manager,以降まとめてJP1/AJSと呼びます)に対して,ジョブネットの実行開始日時を一時的に変更するか,またはジョブネットの即時実行を行います。
ジョブネットの実行開始日時を一時的に変更したい場合は,スケジュール変更操作(JP1AJS.scheduleChangeOperationプロパティ)に"ChangeTime"を指定します。
ジョブネットを即時実行したい場合は,スケジュール変更操作(JP1AJS.scheduleChangeOperationプロパティ)に"ExecuteImmediately"を指定します。
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・業務サーバ(実行対象サーバ)
JP1/AJSのジョブネットを実行するサーバです。前提条件に記載のJP1/AJSがセットアップされている必要があります。
ジョブネットの即時実行を行う場合,この部品ではジョブネットを即時実行する指示だけを行えます。
この部品を実行したあとのジョブネットの状態を確認する場合は,JP1/AJSのジョブネット実行結果取得(jp1ajsCheck部品)を使用して結果を取得する必要があります。
この部品内のスクリプトでは次に示す処理を行います。
・業務サーバの論理ホスト名(JP1.logicalHostNameプロパティ)に値が指定されていた場合,その値をJP1_HOSTNAME環境変数に設定します。
・JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)に値が指定されていた場合,その値をJP1_USERNAME環境変数に設定します。
・次のコマンドを実行します。
(a) スケジュール変更操作(JP1AJS.scheduleChangeOperationプロパティ)に"ChangeTime"を指定した場合
ajsplan [-F "JP1/AJSサービス名(JP1AJS.serviceNameプロパティ)の値"]
[-B "実行登録番号(JP1AJS.execRegistrationNumberプロパティ)の値"]
[-d "実行開始日(JP1AJS.nextExecutionDateプロパティ)の値"]
[-t "実行開始時刻(JP1AJS.nextExecutionTimeプロパティ)の値"]
[-p] ※1
[-i] ※2
"ジョブネット名(JP1AJS.jobnetNameプロパティ)の値" ※3
(b) スケジュール変更操作(JP1AJS.scheduleChangeOperationプロパティ)に"ExecuteImmediately"を指定した場合
ajsplan [-F "JP1/AJSサービス名(JP1AJS.serviceNameプロパティ)の値"]
[-B "実行登録番号(JP1AJS.execRegistrationNumberプロパティ)の値"]
-q
[-p] ※1
[-i] ※2
"ジョブネット名(JP1AJS.jobnetNameプロパティ)の値" ※3
※1 次回実行予定の取り消し要否(JP1AJS.cancelNextExecutionプロパティ)に"true"を指定した場合に設定されます。
※2 配下の開始日時の変更要否(JP1AJS.changeLowerJobnetsプロパティ)に"true"を指定した場合に設定されます。
※3 [[スケジューラーサービス名]:]ジョブネット名[:@実行ID]の形式で指定してください。
ajsplanコマンドの詳細については,JP1/AJSのマニュアル「コマンドリファレンス1」を参照してください。
利用場面
JP1/AJSのジョブネットの実行スケジュールを一時的に変更する場合に使用します。
前提条件
【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 11-00以降
【実行対象サーバ内前提製品】
(1) JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager 09-00以降
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
(1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
(2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
(3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter
(4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter
(5) Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)
(6) Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)
(7) Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)
【実行対象サーバ内前提製品の使用条件】
(1) JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)には,実行対象サーバでジョブネットの実行スケジュール変更を行うためのJP1ユーザー名を指定してください。本製品から接続するOSユーザーと同一名のJP1ユーザーで実行スケジュール変更を行う場合は,このプロパティに値を指定する必要はありません。
(2) クラスタ構成の論理ホスト上に定義されているジョブネットの実行スケジュール変更を行う場合は,
・実行対象サーバのホスト名(plugin.destinationHostプロパティ)に実行系サーバの物理ホスト名または論理ホスト名を指定してください。
・実行対象サーバの論理ホスト名(JP1.logicalHostNameプロパティ)にスケジューラーサービスが動作している論理ホスト名を指定してください。
・JP1/AJSサービス名(JP1AJS.serviceNameプロパティ)に論理ホストで動作しているスケジューラーサービス名を指定してください。
(3) 業務サーバのOSがUNIXの場合,業務サーバのJP1/AJSの環境設定パラメタの文字コード設定と業務サーバへの接続ユーザーのデフォルトロケールの設定を一致させてください。
注意事項
(1) 部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。
(2) ジョブネット名(JP1AJS.jobnetNameプロパティ)に「¥」(円記号)でキャストした記号文字(「&」「*」「<」「>」「?」「[」「¥」「]」「^」「'」「{」「|」「}」「~」)を含む文字列を指定した場合でも,プロパティの両端を「"」(ダブルクォーテーション)で囲む必要はありません。
(3) ジョブネット名(JP1AJS.jobnetNameプロパティ)には実行スケジュールを変更するジョブネット名を明示的に指定してください。総称名を表す記号(「*」「?」「[」「]」)を含む文字列は指定しないでください。
(4) スケジュール変更操作(JP1AJS.scheduleChangeOperationプロパティ)に"ChangeTime"を指定した場合は,次に示す2つのプロパティのどちらか一方,または両方に値を指定してください。
・実行開始日(JP1AJS.nextExecutionDateプロパティ)
・実行開始時刻(JP1AJS.nextExecutionTimeプロパティ)
(5) その他の注意事項については,JP1/AJSのマニュアル「操作ガイド」の「ジョブネットの実行開始日時を変更する」および「実行予定があるジョブネットをすぐに実行する」の注意事項,ならびにJP1/AJSのマニュアル「コマンドリファレンス1」のajsplanコマンドの注意事項を参照してください。
実行権限
(1) 業務サーバに接続するOSユーザーにマッピングされているJP1ユーザーが,操作対象のジョブネットに対して操作権限を持っている必要があります。
(2) 業務サーバに接続する際のOSユーザーにマッピングされているJP1ユーザーが存在しない場合,JP1ユーザー名(JP1AJS.jp1UserNameプロパティ)に操作対象のジョブネットに対して操作権限を持つJP1ユーザーを指定してください。
バージョン
02.00.01
部品のタグ
Control JP1,AJS,Windows,Linux
タスクログに表示される部品の名称
jp1ajsChangeSchedule
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常 |
12 |
異常(ユーザーミス) プロパティ不正 |
21 |
異常(環境不正) コマンドが見つからない(部品スクリプトでエラーを検知) |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
JP1.logicalHostName |
実行対象サーバの論理ホスト名 |
実行対象サーバのJP1論理ホスト名を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.jp1UserName |
JP1ユーザー名 |
JP1ユーザー名を指定します。実行対象サーバに接続する際のOSユーザー名と同一のJP1ユーザーで実行する場合,指定する必要はありません。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.serviceName |
JP1/AJSサービス名 |
スケジューラーのサービス名を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.jobnetName |
ジョブネット名 |
実行スケジュールを一時的に変更するジョブネット名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
JP1AJS.execRegistrationNumber |
実行登録番号 |
実行スケジュールを一時的に変更するジョブネットの実行登録番号を「YYYYMMDDNNN」の形式で指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.scheduleChangeOperation |
スケジュール変更操作 |
ジョブネットの実行開始日時を変更する場合は"ChangeTime",ジョブネットを即時実行する場合は"ExecuteImmediately"を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
JP1AJS.nextExecutionDate |
実行開始日 |
スケジュール変更操作に"ChangeTime"を指定した場合に,一時的に変更する次回の実行開始日を[[年/]月/]日の形式で指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.nextExecutionTime |
実行開始時刻 |
スケジュール変更操作に"ChangeTime"を指定した場合に,一時的に変更する次回の実行開始時刻を,絶対時刻(時[:分]の形式)で指定します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.cancelNextExecution |
次回実行予定の取り消し要否 |
次回スケジュールを前倒しに変更した場合に,変更前の次回実行予定を取り消す場合は"true"を指定します。"true"以外の場合は,変更前の次回実行予定を取り消さずに処理を継続します。 |
− |
入力 |
△ |
JP1AJS.changeLowerJobnets |
配下の開始日時の変更要否 |
ジョブネットの下にあるすべてのジョブネットの開始時間も相対的に変更する場合は"true"を指定します。"true"以外の場合は,指定されたジョブネットだけ開始時間を変更します。 |
− |
入力 |
△ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |