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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


2.5.19 JP1/VERITASのインスタントリカバリ終了

機能

このサービステンプレートは,JP1/VERITAS NetBackupサーバでインスタントリカバリ中の仮想サーバのリストアを行います。具体的には,インスタントリカバリで使用する一時データストアからリストア後に使用するデータストアへのマイグレーション,インスタントリカバリ実行時に作成されるスナップショットの削除,およびインスタントリカバリジョブの終了処理を行います。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・JP1/VERITAS NetBackupサーバ*

 JP1/VERITAS NetBackup(マスターサーバ)が動作するサーバです。

 インスタントリカバリジョブが起動している必要があります。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ*

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。

*:エージェントレス接続先

処理の概要を次に示します。

(1)マイグレーションを実行します。

 一時データストアからリストア後に使用するデータストアへマイグレーションします。移行先のデータストアをデータストア名で指定してください。

(2)スナップショットの削除を実行します。

 インスタントリカバリ実行時に作成されるスナップショット(スナップショット名「NBU_IR_SNAPSHOT」)を削除します。

(3)インスタントリカバリジョブの終了(nbrestorevm -ir_doneコマンド)を実行します。

 インスタントリカバリジョブをインスタントリカバリIDで指定し終了します。

プロパティ設定の留意点を次に示します。

(1)インスタントリカバリID(jp1veritas.instantRecoveryIDプロパティ)に入力する値は実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト(nbrestorevm -ir_listvmコマンドの出力結果)を参照して下さい。

(2)仮想サーバ名(vmware.vmNameプロパティ)に指定する仮想サーバ名はインスタントリカバリジョブの詳細リストを参照しインスタントリカバリIDと対応する値を入力してください。

(3)データストア名(vmware.dataStoreNameプロパティ)に一時データストアは指定しないでください。

(4)インスタントリカバリジョブを終了する際には,インスタントリカバリジョブ終了待ち合わせ間隔(jp1veritas.waitJobFinIntervalプロパティ)に指定した秒数待ち合わせ,インスタントリカバリジョブの終了を確認する動作を,インスタントリカバリジョブ終了待ち合わせ回数(jp1veritas.waitJobFinCountプロパティ)に指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバの前提製品

 ・JP1/VERITAS NetBackup 7.6,7.7

 ・JP1/VERITAS NetBackup 8.0,8.1,8.2,8.3

 ・JP1/VERITAS NetBackup 9.0,9.1

(2)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(3)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi

 ・VMware vSphere ESXi 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0

(4)vCenter操作サーバの前提製品

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.0 Release3,6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

 ・VMware PowerCLI 6.5 Release1

 ・VMware PowerCLI 6.5.1,6.5.4

 ・VMware PowerCLI 10.1.0,10.1.1,11.3.0,12.0.0,12.1.0

ただし,vCenterサーバの前提製品,仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXiはJP1/VERITAS NetBackupがサポートする範囲のバージョンをサポートします。

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバの前提OS

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

(2)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

(3)vCenter操作サーバの前提OS

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバでインスタントリカバリID(common.instantRecoveryIDプロパティ)で指定したインスタントリカバリジョブが起動していること。

(2)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。

(3)仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名が重複しないこと。

 ・仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。

 ・同一のvCenterの管理下において,データストア名が重複していないこと。

 ・同一の仮想サーバ上において,スナップショット名が重複しないこと。 

(4)対象となる仮想サーバの環境が,vMotionの前提条件を満たしていること。

(5)対象となる仮想サーバの環境が,Storage vMotionの前提条件を満たしていること。

注意事項

(1)JP1/Automatic Operation側で実行中のタスクをキャンセル(強制終了)しても,JP1/VERITAS NetBackupのジョブはキャンセルされません。JP1/VERITAS NetBackup側で実行中のインスタントリカバリジョブの終了をキャンセルする際には,JP1/VERITAS NetBackup側でジョブをキャンセルする必要があります。 

(2)同一の仮想サーバ名(common.vmNameプロパティ)を指定して,このサービスの同時実行はできません。同時実行した場合,マイグレーションやスナップショットの削除に失敗するおそれがあります。

(3)同一のインスタンスリカバリID(common.instantRecoveryIDプロパティ)を指定して,このサービスとnbrestorevm -ir_doneコマンドの同時実行はしないでください。同時実行した場合,インスタントリカバリジョブが終了していてもサービスが異常終了するおそれがあるため,NetBackup Administration ConsoleでインスタントリカバリジョブのStatusを確認してください。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 ・対象とする仮想サーバに対して「vMotionのクエリ」と「移行」「再配置」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール

(2)JP1/VERITAS NetBackupサーバに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 ・Windowsの場合は,Administrator権限を持つユーザーであること。

 ・UNIXの場合は,root権限を持つユーザーであること。

バージョン

02.11.00

タグ

Control JP1,VERITAS

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

インスタントリカバリ実行サーバ環境情報

JP1/VERITAS NetBackupサーバの環境情報を指定してください。

表示されます。

仮想システム環境情報

VMware vCenter Serverの情報を指定してください。

表示されます。

仮想サーバ情報

仮想サーバの情報を指定してください。

表示されます。

インスタントリカバリ情報

インスタントリカバリに必要な情報を指定してください。

表示されます。

実行時オプション

インスタントリカバリ終了の際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

jp1veritas.targetHost

JP1/VERITAS NetBackupサーバのホスト名

JP1/VERITAS NetBackup マスターサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。クラスタ構成の場合は,実行系サーバの物理ホストまたは論理ホストを指定してください。

入力

無効

○ 

インスタントリカバリ実行サーバ環境情報

vmware.powerCLIHost

vCenter操作サーバのホスト名

VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

vmware.dataStoreName

データストア名

インスタントリカバリ実行時に作成される一時データストアから移行するデータストアを指定します。作成済みのデータストアを指定してください。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

jp1veritas.instantRecoveryID

インスタントリカバリID

終了させるインスタントリカバリジョブのIDを指定します。

入力

無効

○ 

インスタントリカバリ情報

jp1veritas.waitJobFinCount

インスタントリカバリジョブ終了待ち合わせ回数

インスタントリカバリジョブの終了を確認する回数を1〜3600で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

jp1veritas.waitJobFinInterval

インスタントリカバリジョブ終了待ち合わせ間隔

インスタントリカバリジョブの終了を確認する間隔(秒)を1〜60で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

jp1veritas.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.powerCLIHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.vCenterServerName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.userName

512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。

vmware.password

127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portNumber

1〜65535の整数値。

vmware.protocol

次の値のどれかを選択する。

http,https

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.vmName

60文字以内の半角英数字および半角スペース,「+」,「-」,「_」,「(」,「)」,「.」。ただし「.」は末尾を除く。

vmware.dataStoreName

42文字以内の半角英数記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

jp1veritas.instantRecoveryID

1〜2147483647の整数値。

jp1veritas.waitJobFinCount

1〜3600の整数値。

jp1veritas.waitJobFinInterval

1〜60の整数値。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

仮想サーバのマイグレーション

仮想サーバのマイグレーション

仮想サーバのマイグレーション

インスタントリカバリで使用する一時データストアからリストア後に使用するデータストアへデータを移行します。

タスクログを確認し,エラーの原因を取り除いたあと,このサービスを再実行してください。

2

仮想サーバのスナップショット削除

仮想サーバのスナップショット削除

仮想サーバのスナップショット削除

インスタントリカバリ時に作成したスナップショットを削除します。

仮想サーバのスナップショット(スナップショット名「NBU_IR_SNAPSHOT」)を削除したあと,次のステップから実行してください。

3

インスタントリカバリ終了

インスタントリカバリ終了

インスタントリカバリ終了(JP1/VERITAS)

インスタントリカバリジョブを終了させます。

NetBackup Administration ConsoleでジョブのStatusを確認し,JP1/VERITAS Symantec NetBackup(TM) 状態 コードリファレンスガイドに記載されている推奨処置を実行してください。NetBackup Administration ConsoleでジョブのStatusを確認できない場合は,システム管理者に連絡してください。