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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


2.5.18 JP1/VERITASのインスタントリカバリ実行

機能

このサービステンプレートは,JP1/VERITAS NetBackupサーバで仮想サーバのインスタントリカバリジョブを実行し,実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストを出力ファイル(ローカル)(jp1veritas.listFileLocalプロパティ)に出力します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・JP1/VERITAS NetBackupサーバ*

 JP1/VERITAS NetBackup(マスターサーバ)が動作するサーバです。

 バックアップが作成されている必要があります。

*:エージェントレス接続先

処理の概要を次に示します。

(1)JP1/VERITAS NetBackupでインスタントリカバリジョブを実行(nbrestorevm -ir_activateコマンド)します。

 インスタントリカバリで指定する仮想サーバはVMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称で指定します。

 指定した仮想サーバが,バックアップされた際に管理されているESXサーバにインスタントリカバリされます。

(2)インスタントリカバリジョブが正常に起動したことを確認(nbrestorevm -ir_listvmコマンドの出力結果に指定した仮想サーバ名のインスタントリカバリジョブが存在することを確認)し,実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト(nbrestorevm -ir_listvmコマンドの出力結果)を出力ファイル(リモート)(jp1veritas.listFileRemoteプロパティ)に出力します。

(3)(2)で作成した,リモートの一時ファイルを指定されたローカルの出力ファイルに転送します。

(4)リモートの一時ファイルを削除します。

プロパティ設定の留意点を次に示します。

(1)JP1/VERITAS NetBackupのマスターサーバとメディアサーバが異なるサーバ上に存在する場合はメディアサーバのホスト名(jp1veritas.mediaServerHostプロパティ)にメディアサーバのホスト名を指定してください。

(2)インスタントリカバリを実行する際には,インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ間隔(jp1veritas.waitJobActIntervalプロパティ)に指定した秒数待ち合わせ,インスタンスの状態を確認する動作を,インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ回数(jp1veritas.waitJobActCountプロパティ)に指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。

(3)スナップショット作成データストア(jp1veritas.dataStoreNameプロパティ)にはインスタントリカバリ先のESXサーバが管理するデータストアの名前を指定してください。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバの前提製品

 ・JP1/VERITAS NetBackup 7.6,7.7

 ・JP1/VERITAS NetBackup 8.0,8.1,8.2,8.3

 ・JP1/VERITAS NetBackup 9.0,9.1

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバの前提OS

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバで仮想サーバ名(vmware.vmNameプロパティ)に指定した仮想サーバのバックアップが作成されていること。バックアップは次の条件で作成してください。

 ・バックアップポリシーでPrimary VM identifierとしてVM display Nameを指定していること。

 ・バックアップポリシーでバックアップホストとしてWindowsサーバを指定していること。

(2)仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名が重複しないこと。

 ・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名(vmware.vmNameプロパティ)に指定した仮想サーバが存在しないこと。

注意事項

(1)JP1/Automatic Operation側で実行中のタスクをキャンセル(強制終了)しても,JP1/VERITAS NetBackupのジョブはキャンセルされません。JP1/VERITAS NetBackup側で実行中のインスタントリカバリをキャンセルする際には,JP1/VERITAS NetBackup側でジョブをキャンセル(nbrestorevm -ir_deactivateコマンド)する必要があります。

(2)同一の仮想サーバ名(vmware.vmNameプロパティ)を指定してこのサービス,およびこのサービスとnbrestorevm -ir_activateコマンドは同時実行しないでください。同時実行した場合,サービスが正常終了してもインスタントリカバリジョブが正常に起動していないおそれがあるため,実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストで仮想サーバ名(VM Display Name),一時データストア名(Temporary datastore name for writes),メディアサーバ名(Media Server Name)(メディアサーバのホスト名(common.mediaServerHostプロパティ)を指定している場合だけ)がこの部品で指定した値になっていることを確認してください。

(3)リモートおよびローカルに指定するファイル名が既に存在する場合,既存のファイルを上書きします。また,リモート側のファイルは削除します。そのため,指定したファイル名に誤りがないか,十分に確認してください。

(4)指定したパスのフォルダが存在しない場合は,そのフォルダを作成します。作成したフォルダは削除せずに残ります。使用しない場合は削除してください。

実行権限

(1)JP1/VERITAS NetBackupサーバに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 ・Windowsの場合は,Administrator権限を持つユーザーであること。

 ・UNIXの場合は,root権限を持つユーザーであること。

バージョン

02.00.00

タグ

Control JP1,VERITAS

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

インスタントリカバリ実行サーバ環境情報

JP1/VERITAS NetBackupサーバの環境情報を指定してください。

表示されます。

仮想サーバ情報

仮想サーバの情報を指定してください。

表示されます。

インスタントリカバリ情報

インスタントリカバリに必要な情報を指定してください。

表示されます。

出力ファイル格納情報

出力ファイルの格納先を指定してください。

表示されます。

実行時オプション

インスタントリカバリ実行の際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

jp1veritas.targetHost

JP1/VERITAS NetBackupサーバのホスト名

JP1/VERITAS NetBackup マスターサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。クラスタ構成の場合は,実行系サーバの物理ホストまたは論理ホストを指定してください。

入力

無効

○ 

インスタントリカバリ実行サーバ環境情報

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.vmName

仮想サーバ名

インスタントリカバリ対象の仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

jp1veritas.mediaServerHost

メディアサーバのホスト名

JP1/VERITAS NetBackUpのメディアサーバのホスト名を指定します。マスターサーバとメディアサーバが異なるサーバ上に存在する場合は指定してください。

入力

無効

△ 

インスタントリカバリ情報

jp1veritas.dataStoreName

スナップショット作成データストア

仮想サーバがリストアされるまで,スナップショットの書き込みが行われるESXサーバ上の一時データストアを指定します。作成済みのデータストアを指定してください。

入力

無効

○ 

インスタントリカバリ情報

jp1veritas.startVM

仮想サーバの起動要否

インスタントリカバリ後に仮想サーバを起動する場合は"true"を選択します。"false"を選択した場合は,仮想サーバを起動せずに終了します。

入力

無効

○ 

インスタントリカバリ情報

jp1veritas.listFileRemote

出力ファイル(リモート)

実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストをJP1/VERITAS NetBackupサーバに出力する際の一時ファイル名をフルパスで指定します。

入力

無効

○ 

出力ファイル格納情報

jp1veritas.listFileLocal

出力ファイル(ローカル)

実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストを取得するJP1/AOサーバのファイル名をフルパスで指定します。

入力

無効

○ 

出力ファイル格納情報

jp1veritas.waitJobActCount

インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ回数

インスタントリカバリのジョブ起動を確認する回数を1〜3600で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

jp1veritas.waitJobActInterval

インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ間隔

インスタントリカバリのジョブ起動を確認する間隔(秒)を1〜60で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

jp1veritas.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.vmName

60文字以内の半角英数字および半角スペース,「+」,「-」,「_」,「(」,「)」,「.」。ただし「.」は末尾を除く。

jp1veritas.mediaServerHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

jp1veritas.dataStoreName

42文字以内の半角英数字および半角スペース,「+」,「-」,「_」,「(」,「)」,「.」。ただし「.」は末尾を除く。

jp1veritas.startVM

次の値のどれかを選択する。

true,false

jp1veritas.listFileRemote

256文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「`」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1veritas.listFileLocal

256文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1veritas.waitJobActCount

1〜3600の整数値。

jp1veritas.waitJobActInterval

1〜60の整数値。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

インスタントリカバリ実行

インスタントリカバリ実行

インスタントリカバリ実行(JP1/VERITAS)

インスタントリカバリを実行します。

NetBackup Administration ConsoleでジョブのStatusを確認し,JP1/VERITAS Symantec NetBackup(TM) 状態 コードリファレンスガイドに記載されている推奨処置を実行してください。NetBackup Administration ConsoleでジョブのStatusを確認できない場合は,システム管理者に連絡してください。

2

ファイル転送

ファイル転送

ファイル転送部品

リモートの一時ファイルをローカルの指定された出力ファイルに転送します。

エラーの原因を取り除いたあと,このステップから実行してください。

3

一時ファイル削除

一時ファイル削除

ファイル削除

リモートの一時ファイルを削除します。

一時ファイルの存在を確認し,削除されていない場合は一時ファイルを削除してください。