5.2 インストールの前提条件(クラスタシステムの場合)
クラスタシステムにJP1/AOをインストールする前に,インストールする環境の確認および設定が必要です。
排他製品
JP1/AOのインストール作業を始める前に,排他製品をアンインストールしてください。排他製品を次に示します。
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Hitachi Automation Director
Hitachi Command Suite製品(JP1/AOサーバのOSがLinuxの場合)
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OS
JP1/AOおよびクラスタソフトが前提とするパッチやサービスパックが適用済みであること。
前提OSの詳細および最新情報については,リリースノートを参照してください。
構成
フェールオーバーしても同じ処理ができるように,各サーバの環境が同じになっていること。
2台以上のサーバによるクラスタ構成になっていること。
ディスク
システムがダウンしたときにファイルが消えないように,ジャーナル機能を持つファイルシステムなどでファイルが保護されていること。
ネットワーク
ホスト名(hostnameコマンドの結果)に対応するIPアドレスで通信できること。クラスタソフトなどによって通信ができない状態に変更されないこと。
JP1/AOの動作中に,クラスタソフトやネームサーバなどによって,ホスト名とIPアドレスの対応が変更されないこと。
ホスト名に対応したLANボードがネットワークのバインド設定で最優先になっていること。ハートビート用などほかのLANボードが優先になっていないこと。
DNS運用
ドメイン名を除いたホスト名が入力されていること。FQDN形式のホスト名は使用できません。
共有ディスク
フェールオーバーしたときに実行系サーバで書き込んだデータが破損しないように,次のすべての条件が満たされていることを確認します。条件が満たされていない場合,JP1/AOでエラー,データ消失,起動失敗などの問題が発生し,正常に動作しないおそれがあります。
共有ディスク上にJP1/AOがインストールされていないこと。
実行系サーバから待機系サーバへ引き継ぎできる共有ディスクが使用できること。
JP1/AOを起動する前に,共有ディスクが割り当てられること。
JP1/AOを実行中に,共有ディスクの割り当てが解除されないこと。
JP1/AOを停止したあとに,共有ディスクの割り当てが解除されること。
共有ディスクが,不当に複数サーバから使用されないよう排他制御されていること。
システムダウンなどでファイルが消えないように,ジャーナル機能を持つファイルシステムなどでファイルが保護されていること。
フェールオーバー後,ファイルに書き込んだ内容が保証されて引き継がれること。
フェールオーバー時に共有ディスクを使用しているプロセスがあっても,強制的にフェールオーバーできること。
共有ディスクの障害を検知した場合の回復処置として,JP1/AOの起動や停止が必要な場合は,クラスタソフトからJP1/AOを起動や停止できること。
論理ホスト名,IPアドレス
LANボードに障害が発生した場合に回復処理が実施されるように,次の条件を確認します。条件が満たされていない場合,クラスタソフトなどの制御によってLANボードが切り替えられるか,またはほかのサーバにフェールオーバーするまで,通信エラーが発生してJP1/AOが正常に動作しないおそれがあります。
論理ホスト名が32バイト以内であること。
論理ホスト名に英数字,「-」(ハイフン)以外の文字が使用されていないこと。
引き継ぎできる論理IPアドレスを使って通信できること。
論理ホスト名から論理IPアドレスが一意に求められること。
論理ホスト名がhostsファイルやネームサーバに設定され,TCP/IP通信ができること。
JP1/AOを起動する前に,論理IPアドレスが割り当てられること。
JP1/AOの実行中に,論理IPアドレスが削除されないこと。
JP1/AOの実行中に,論理ホスト名と論理IPアドレスの対応が変更されないこと。
JP1/AOを停止したあとに,論理IPアドレスが削除されること。
ネットワーク障害を検知した場合の回復処置はクラスタソフトなどが制御し,JP1/AOが回復処理を意識する必要がないこと。また,回復処置の延長でJP1/AOの起動や停止が必要な場合は,クラスタソフトからJP1/AOに起動や停止を実行要求すること。
ポート番号
実行系サーバおよび待機系サーバで,Webサーバに接続するポート番号の設定が同一になっていること。ポート番号が同一になっていない場合,フェールオーバーで系が切り替わったときに,WebブラウザーでJP1/AOの操作画面を表示できなくなります。ポート番号を変更する場合は,実行系サーバと待機系サーバの両方で同一のポート番号になるように変更してください。