1.2 導入の効果
JP1/AOを導入すると,集約化されたシステムを運用する上での課題を解決できます。
運用効率の向上と人的ミスの低減
これまでのシステム運用では,運用担当者が複数の運用手順書を見ながら,複数のソフトウェアを操作していました。JP1/AOを導入すると,このような人手の掛かる作業を削減できます。また,運用手順は自動処理されるので,人的ミスの発生を低減できます。これにより,システム運用業務に余裕が生まれるため,運用方法の改善にも注力でき,運用効率の向上を加速できます。
導入の容易性と運用の標準化
JP1/AOでは,クラウド・データセンター・企業内システムなど,さまざまな運用ノウハウから抽出された「典型的な運用手順」を,すぐに使えるテンプレートとして提供します。テンプレートを複数システムの運用に適用することで,運用の標準化も推進できます。
次に,JP1/AOの導入が,システムの運用サイクル,Plan,Do,Check,Actionの各フェーズで,具体的にどのような効果をもたらすかについて説明します。
Plan(運用の設計・開発)
これまでは,長年蓄積してきた運用ノウハウが,大量の手順書として存在していました。また,手順書はシステムごとに分かれていて,それぞれを改訂し続ける必要がありました。
JP1/AOでは,運用ノウハウをテンプレートとして提供しています。テンプレートを使用する際は,システムごとに異なる点,例えばサーバ名を入力することで,標準化された運用手順を複数のシステムに適用できます。
Do(運用)
これまでは,大量の手順書を参照しながら,運用に必要な各種製品を操作する必要がありました。また,手順を間違えたり,操作し忘れたりといった人的ミスが起きないよう,留意しなくてはなりませんでした。
JP1/AOを導入し,テンプレートで定義した運用手順を実行すれば,各種製品の操作は自動処理されます。日時指定実行や定期実行もできます。手順を間違えたり,操作し忘れたりといった人的ミスの発生を低減できます。
Check(運用結果のチェック)
これまでは,実行の結果を大量のチェックリストで確認する必要がありました。
JP1/AOでは,自動処理の結果を一覧画面で確認できます。一覧は実行履歴としてエクスポートできるので,運用結果のレポートも効率良く作成できます。
Action(運用の見直し)
これまでは,システムの構成変更などに伴い,運用手順を随時更新しなくてはなりませんでした。
JP1/AOを導入した環境で,運用手順の更新が必要な場合は,テンプレートのバージョンアップで対応できます。また,手順を改善するには,管理者および運用担当者のノウハウが必要ですが,Plan,Do,Checkの効率向上でその労力を捻出できるようになります。さらに,実行履歴を分析の材料にすることで,失敗の多い運用手順や,頻度の高い運用手順などが明らかになるので,「どこをどのように改善すべきか」の指針を効率良く導き出せます。