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JP1 Version 11 JP1/Advanced Shell 


8.3.8 adshfileコマンド(通常ファイルの割り当ておよび後処理を指定する)

形式

adshfile  [-s{step|job}] [-n{del|keep}] [-a{del|keep}]
          [-c{exist|no}] ファイルパス名

機能

このシェル運用コマンドでは,通常ファイルの割り当て,通常ファイルの存在有無の確認および後処理を指定します。JP1/Advanced Shellのジョブコントローラで実行したジョブ定義スクリプト内に記述した場合に有効です。通常ファイルの割り当ては,64個まで指定できます。通常ファイルの割り当て,後処理,#-adsh_fileコマンドとの差異については,「5.9.1 通常ファイルの割り当ておよび後処理をする」を参照してください。

このコマンドで割り当てた通常ファイルは,#-adsh_fileコマンドで割り当てた通常ファイルとは別に管理され,後処理はadshfileコマンド,#-adsh_fileコマンドの順に実行されます。そのため,両方のコマンドで同じファイルを割り当てると,ファイルの後処理が二重に実行されることになり,エラーが発生する場合があるので注意してください。

このコマンドは次の点に注意して実行してください。

同じオプションを重複して指定した場合,最後の指定が有効になります。

引数

-s{step|job

ファイルの後処理の契機を指定します。

  • step

    ファイルの後処理をジョブステップ終了時に実行します。

  • job

    ファイルの後処理をジョブ終了時に実行します。

コマンドの発行はこのオプションの指定に関係なく,ジョブとジョブステップ内のどちらでもできますが,登録したファイルの後処理は次のジョブステップの終了時またはジョブ終了時に実行されます。また,stepを指定してファイルを登録したあとに,ジョブステップ終了のタイミングがなかった場合は,後処理はジョブ終了時に実行されます。

子孫ジョブでこのオプションを指定した場合,その子孫ジョブ内でこれらの動作が実行されます。

-n{del|keep

該当するジョブステップまたはジョブが正常終了した場合の後処理を指定します。

  • del

    該当するジョブステップまたはジョブ終了後,割り当てた通常ファイルを削除します。

  • keep

    該当するジョブステップまたはジョブ終了後,割り当てた通常ファイルを削除しません。

-a{del|keep

該当するジョブステップまたはジョブがエラー終了した場合の後処理を指定します。

  • del

    該当するジョブステップまたはジョブ終了後,割り当てた通常ファイルを削除します。

  • keep

    該当するジョブステップまたはジョブ終了後,割り当てた通常ファイルを削除しません。

adshfileコマンドのファイル割り当て処理中にエラーとなった場合,次の動作となります。

  • 該当するadshfileコマンドで指定した通常ファイルに対する後処理は実行されない

  • 事前にadshfileコマンドで割り当てた通常ファイルに対しては,それぞれのadshfileコマンドの-aオプションに従った後処理が実行される

-c{exist|no

ファイルパスの存在をチェックするかどうかを指定します。

  • exist

    ファイルパスが存在するかチェックします。

    ファイルパスが存在する場合だけ後処理を登録します。

    ファイルパスが存在しない場合,コマンドはエラー終了します。

  • no

    ファイルパスの存在はチェックしません。

ファイルパス

Windowsの場合 〜<パス名>((1〜247バイト))

UNIXの場合 〜<パス名>((1〜1,023バイト))

割り当てる通常ファイルのパスを指定します。

相対パスと絶対パスのどちらでも指定できますが,相対パスは絶対パスへ変換されたあとのファイルパス名が上限長を超えるとエラーになります。

終了コード

終了コード

意味

0

正常終了

99

エラー終了

注意事項

#-adsh_fileコマンドとは異なり,ジョブ実行ログに割り当て結果を示すメッセージは出力されません。adshfileコマンド実行後に,障害調査などの目的でadshfileコマンドの引数に指定したファイルパス名を確認する手順は次のとおりです。

  1. 環境ファイルのEVENT_COLLECTパラメーターにYESを設定し,稼働実績情報の取得を設定します。

  2. ジョブ定義スクリプトでadshfileコマンドを実行します。

    稼働実績情報が採取されます。

  3. adshevtoutコマンドを実行し,稼働実績情報を出力します。

  4. 稼働実績情報の1列目の"EvtName"(稼働実績情報レコードの種類を示す)部分が"command"(コマンド情報を示す)の行を参照します。

なお,ジョブ定義スクリプトの稼働実績情報の採取は,実行環境の通常モードだけで実行できます。実行環境のデバッガモードおよび開発環境では採取できません。