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JP1 Version 11 JP1/Advanced Shell 


7.2.1 環境設定パラメーターの一覧

〈この項の構成〉

(1) 環境設定パラメーターの定義

環境設定パラメーターはシステム環境ファイルおよびジョブ環境ファイルに定義します。これらのファイルについての説明は「2.6.1 環境ファイルを設定する」を参照してください。

システム環境ファイルとジョブ環境ファイルに指定できるパラメーターは同じです。システム環境ファイルとジョブ環境ファイルの指定の有無によって,適用される指定値は次のようになります。

システム環境ファイル

ジョブ環境ファイル

指定なし

指定あり

指定なし

各パラメーターの省略値

ジョブ環境ファイルの指定値

指定あり

システム環境ファイルの指定値

パラメーターの仕様に従う

注※ 同じパラメーターを指定した場合の扱いは次のようになります。

(2) 環境設定パラメーターの種類

JP1/Advanced Shellの環境ファイルに設定する環境設定パラメーターを次の表に示します。これらのパラメーターの指定は任意です。

表7‒1 JP1/Advanced Shellの環境ファイルに設定する環境設定パラメーター

パラメーター名

定義内容

指定個数の上限値※1

子孫ジョブ起動時の変更可否

ADSHCMD_RC_ERROR

スクリプト拡張コマンドが失敗したときの終了コードを定義します。

1

ADSHCMD_RC_SUCCESS

スクリプト拡張コマンドが成功したときの終了コードを定義します。

1

ASC_FILE

カバレージ採取の一括有効化機能で使用する蓄積ファイル名の生成規則を定義します。

1

BATCH_CVR

カバレージ採取の一括有効化機能を有効にします。

1

CHILDJOB_EXT

子孫ジョブとして実行するジョブ定義スクリプトファイルの拡張子を定義します。

255

CHILDJOB_PGM

子孫ジョブとして実行するように読み替えるプログラムパスを定義します。

255

CHILDJOB_SHEBANG

子孫ジョブとして実行するジョブ定義スクリプトファイルの実行プログラムパスを定義します。

255

CMDRC_CMDGRP_CHECK

関数の終了コードに従ってジョブおよびジョブステップのエラー判定をするかどうかを定義します。

1

CMDRC_THRESHOLD_DEFINE

コマンドの終了コードのしきい値を定義します。シェルスクリプトや子孫ジョブの終了コードに対しても定義できます。

無制限※3

CMDRC_THRESHOLD_USE_PRESET

UNIX互換コマンドの終了コードのしきい値を定義します。

1

CMDSUB_PROCESS

【Windows限定】

コマンド置換の動作を定義します。

1

COMMAND_CONV_ARG

コマンド実行時にジョブ定義スクリプト中の引数を変換する規則を定義します。

255

COMPATIBLE_CMD_EXEC

外部コマンドの起動方法を定義します。

1

COMPATIBLE_CMDSUB

【UNIX限定】

コマンド置換の動作を定義します。

1

ESCAPE_SEQ_ECHO_DEFAULT

エスケープ文字関連のオプション省略時のechoコマンドの動作を定義します。

1

ESCAPE_SEQ_ECHO_HEX

16進数表記のASCIIコード文字をエスケープ文字として解釈するか定義します。

1

EVENT_COLLECT

ジョブ定義スクリプト稼働実績情報取得機能を有効とするかどうかを定義します。

1

HOSTNAME_JP1IM_MANAGER※2

ユーザー応答機能で,JP1イベントの送信先であるJP1/IM - Managerが稼働している運用管理サーバを指定します。

1

×

INIT_SCRIPT_READ

ジョブコントローラ起動時に初期設定スクリプトファイルを読み込み,実行するかどうかを指定します。

1

JOBEXECLOG_PRINT

ジョブ終了時に標準エラー出力へ出力するジョブ実行ログの内容を定義します。

1

JOBLOG_SUPPRESS_MSG

ジョブ実行ログへの出力を抑止するメッセージを定義します。

無制限※3

KSH_ENV_READ

シェル変数ENVを読み込むかどうかを定義します。

1

LOG_DIR※4

システム実行ログを出力するディレクトリのパス名を定義します。

1

LOG_FILE_CNT※5

システム実行ログをバックアップする面数を定義します。

1

LOG_FILE_SIZE※5

システム実行ログを出力するファイルサイズを定義します。

1

OUTPUT_MODE_CHILD

子孫ジョブの終了時に,ジョブ実行ログを標準エラー出力へ出力するかどうかを定義します。

1

OUTPUT_MODE_ROOT

ルートジョブの終了時に,ジョブ実行ログを標準エラー出力へ出力するかどうかを定義します。

1

OUTPUT_STDOUT

ルートジョブの標準出力の出力先を定義します。

1

PATH_CONV

変換前・変換後のパス名を定義します。

255

PATH_CONV_ACCESS

変換前・変換後のパス名を定義します。この変換はファイルの入出力時に実行されます。

255

PATH_CONV_ENABLE

パス変換機能を有効にします。

1

PATH_CONV_NOVAR

パス名を扱わないシェル変数を定義します。

無制限※3

PATH_CONV_RULE

【Windows限定】

パス変換ルールを定義します。

1

PATH_CONV_VAR

パス名を扱うシェル変数を定義します。

無制限※3

PERMISSION_SPOOLJOB_DIR

【UNIX限定】

スプールジョブディレクトリのパーミッションを定義します。

1

PERMISSION_SPOOLJOB_FILE

【UNIX限定】

スプールジョブディレクトリ下のファイルのパーミッションを定義します。

1

PIPE_CMD_LAST

パイプの最終コマンドの実行プロセスを定義します。

1

SPOOL_DIR※2,※4,※6

スプールルートディレクトリのパス名を定義します。

1

×

SPOOLJOB_CHILDJOB

子孫ジョブの終了時に,スプールジョブを削除するか,ルートジョブのスプールジョブへマージするかを定義します。

1

SPOOLJOB_CREATE

ジョブ定義スクリプトの実行時にスプールジョブを作成するかどうかを定義します。

1

TEMP_FILE_DIR※4

一時ファイルを格納するディレクトリのパス名を定義します。

1

TRACE_DIR※4

トレースを出力するディレクトリのパス名を定義します。

1

TRACE_FILE_CNT※7

トレースを出力する面数を定義します。

1

TRACE_FILE_SIZE※7

トレースを出力するファイルサイズを定義します。

1

TRACE_LEVEL

トレースを出力するレベルを定義します。

1

TRAP_ACTION_SIGTERM

ジョブコントローラが強制終了要求を受けたときの動作を定義します。

1

UMASK_INHERIT

ジョブ定義スクリプト実行開始時に親プロセスのファイルモード作成マスクを継承するかどうかを指定します。

1

UNSUPPORT_TEST

【Windows限定】

サポートしていない条件式を実行した場合の動作を定義します。

条件ごとに1

USERREPLY_DEBUG_DESTINATION

ユーザー応答機能で,デバッグ実行時の事象通知メッセージと応答要求メッセージの入出力先を定義します。

1

×

USERREPLY_JP1EVENT_INTERVAL※2

ユーザー応答機能で,adshechoコマンドやadshreadコマンドによるJP1イベントの最小発行間隔を定義します。

1

×

USERREPLY_WAIT_MAXCOUNT※2

ユーザー応答機能で,物理ホストまたは論理ホストごとに,応答要求メッセージの最大同時出力数を定義します。

1

×

VAR_ENV_NAME_LOWERCASE

【Windows限定】

小文字が含まれる環境変数名を有効にするかどうかを定義します。

1

VAR_SHELL_FUNCINFO

シェル関数の情報を管理する配列を定義します。

1

VAR_SHELL_GETLENGTH

変数値の長さを参照する場合の長さの単位を定義します。

1

(凡例)

○:ルートジョブ起動時の設定値は子孫ジョブ起動時に変更しても動作しますが,推奨しません。

△:ルートジョブ起動時の設定値は子孫ジョブ起動時に変更しても有効になりません。

×:ルートジョブ起動時の設定値は子孫ジョブ起動時に変更しないでください。正しく動作しないおそれがあります。

−:子孫ジョブには該当しません。

注※1

システム環境ファイルとジョブ環境ファイルの両方の指定を有効とするパラメーターの場合,両方のファイルの指定数の合計がこの上限値を超えないよう指定してください。

各パラメーターでシステム環境ファイルとジョブ環境ファイルの両方が指定できるかどうかは,各パラメーターの説明を参照してください。

注※2

ユーザー応答機能を利用する場合,これらのパラメーターはシステム環境ファイルに指定する必要があります。また,システム環境ファイルを変更した場合,ユーザー応答機能管理デーモン・サービスを再起動してください。

それに加えて,パラメーターの指定に関しては次の点に注意してください。

  • これらのパラメーターはジョブ環境ファイルに指定しないでください。次の問題が発生するおそれがあります。

    HOSTNAME_JP1IM_MANAGERadshchmsgコマンドから応答を入力した場合や応答をキャンセルした場合,ユーザー応答機能管理デーモン・サービスの停止時に,応答待ちイベントがJP1/IM - Viewの滞留から解除されません。

    USERREPLY_WAIT_MAXCOUNT:ジョブ環境ファイルの指定は無視されます。

    USERREPLY_JP1EVENT_INTERVAL:JP1/IM - Viewに負荷が掛かります。

  • 次のパラメーターをシステム環境ファイルとジョブ環境ファイルで異なる値を指定した場合は,次の問題が発生するおそれがあります。ユーザー応答機能を使用するときには,次のパラメーターはジョブ環境ファイルに指定しないでください。

    SPOOL_DIR:応答要求メッセージの出力に失敗します。

注※3

使用できるメモリ量で制限されます。

注※4

該当するパラメーターで指定するディレクトリを別々に分けることで,同一ホスト内で複数環境を使い分けられます。

注※5

複数のユーザーが同じファイルにシステム実行ログを出力している場合には,LOG_FILE_CNTLOG_FILE_SIZEは,最後にシステム実行ログの出力を開始したユーザーの設定値が有効になります。

注※6

クラスタ運用で待機系のホストに情報を引き継ぎたい場合は,引き継ぐディレクトリをホスト間で共用します。その場合は,少なくともこのパラメーターのディレクトリをホスト間で共用します。

注※7

複数のユーザーが同じファイルにトレースログを出力している場合には,TRACE_FILE_CNTTRACE_FILE_SIZEは,それぞれ,より大きい値を指定したユーザーの指定が有効になります。

また,環境ファイルでTRACE_FILE_CNTTRACE_FILE_SIZEを変更した場合は,既存のトレースファイルの面数およびファイルサイズの設定値と比較して,それぞれ,より大きい値を指定したユーザーの指定が有効になります。

トレースファイルの面数およびファイルサイズを小さくする場合は,トレースフォルダにあるファイルをすべて削除してください。トレースフォルダにあるファイルをすべて削除するときは,同じトレースファイルにトレースを出力しているジョブがないことを確認してから行ってください。